2022年12月31日土曜日

相反する文化とそのバランスこそがマネジメントの肝


   最近、一社目の大先輩と食事をすることがあり、その人の見てきた大変成功したリーダーの特徴について色々と議論していました。その時聞いた内容の中に、自分も少し知っている尊敬できる方はチームメンバーに対しかなり高い目標を設定し、目標達成が難しそうだと判断したら全力で助けに行くというスタイルだそうです。これについては自分は遠く及ばないもののかなり共感することがありました。
   上記の例を少し抽象化してみると、重圧とサポートといったように一見相反する文化を準備していて、そのさじ加減やバランスが非常にうまく行っているため成功しているのではと仮説を持っています。重圧だけでは人はついて来ず、サポートだけでは目標は達成できないためその両方をうまく調整していくことが必要であり、その匙加減こそがリーダーシップだったり、魅力に繋がるのではないでしょうか。最近読んだHBRの記事(The Hard Truth about Innovative Cultures) においても、下記の例があがっていました。(ちなみに、この記事は結構面白いです)
  • 失敗には寛容であっても、能力不足は寛容ではない
  • 実験に対する意欲はあるものの、規律が取れている
  • 心理的安全性はありつつ、率直に意見を言う
   この辺のところは、人間関係、性格、環境、本人の性格等に大きく変わってくるのですが、複雑でAIに代替しにくいからこそ面白く価値があるんじゃないかと感じています。

2022年12月25日日曜日

降って来るプレッシャーはフィルターしてチームメンバーに渡す


   さて、多くの企業においては数値目標の達成は非常に重要な要素の一つで、事業責任者としては、まず数字を達成してそこからプラスアルファで他のことを達成していく事が大切だと思っています。ただ多くの企業の目標の数値はかなり頑張ってようやく届くという数字が多かったり、他の地域がうまくいっていない時にその分を回されたりとかして、なかなか達成することは難しいでしょう。もちろんそれを達成してこその責任者なのですが時にはボスだったり、ボスのボスだったりからプレッシャーをかけられることもあるかと思います。そんな時はどうしたら良いだろうねっていう話が今回の課題です。
   まず最初にしてはいけない事としては受け取ったメッセージやプレッシャーをそのまま何も考えずに伝えることです。多くの場合、コミットメントやその他の観点からジュニアなメンバーに受け取ったプレッシャーをそのまま伝えても効果的ではありません。結果を出しているチームメンバーは自分は関係ないと思うでしょうし、結果を出していないチームメンバーは既にプレッシャーをある程度受けており、追加でプレッシャーを与えることで問題が解決しないことも多いでしょう。
   オススメとしてはボスから受け取ったメッセージやプレッシャーをいくつかに分解して、新たな短期的な目標として掲げる事だと思います。メッセージの大きな構成としては
  • 自分は責任者として●●という目標を達成しなければならないものの、未達でボスから改善依頼が来ている(どういったトーンかは明示しない)
  • その目標達成のために、追加してXXという目標を加えるため、協力して欲しい
といったような構成が一般的ですが、この時にチームメンバーがボスの力になりたいと思えるような人間関係を日々構築しておく事が大切だと思います。チームメンバーからすると追加で目標が増えたりする訳なのであまり良いニュースではないのですが、悪いニュースを超えるくらいそれまでチームメンバーを助けて信頼を築いておくことが大切ですのでぜひ日々実行してみる事をおすすめします。

2022年12月17日土曜日

影響力の大きいリーダーになった以上、フェアに判断される事は諦める


   最近会社を辞めた元ボスと話す機会がありました。その際に、自分がマネージャーくらいの時は自分自身の影響力もさほど大きくなくちゃんと説明して結果的にフェアに判断されることがある程度期待できるものの、マネージャーが自分にReportするくらいになるようになるとフェアには判断されなくなるよっていう趣旨のことを言われました。(ちなみにHBRを読んでたら同じような内容の部分を発見)。影響力が小さいうちは自分の人となりを相手が理解してくれて、そういった文脈を含めて判断してくれることが多いものの、HBRの表現に従うと、問題からの距離が遠くなるほど文脈に対する理解がなくなってきます。
   じゃあどうしたら良いのかという話でいくと、単純なのですが腹を括るんじゃないかと思います。考え方によっては上記のことは理不尽なことだと思うのですが、多くの場合事業責任者に求められるのは理不尽さを飲み込んだ上で帳尻を合わせて組織を動かし結果を出していく事だと信じています。私自身もチームメンバーに対しては理不尽を極力減らそうと努力していています。なぜなら責任者が理不尽を減らすことでより高い成果を出すことができるようにすることが自分の責任だと思っているからです。
   なので、リーダーになっていく上で、フェアに判断されるという事を諦め、ある程度の面の皮の厚さ、理不尽を含めて併せ呑む事といった事が大事になり、そこも自分に適性があるか判断する一つの軸になってくるんじゃないかなということで今回の文章を書いてみました。

2022年12月10日土曜日

社内にメンターを持つ意味


   みなさんは社内にメンターっていますか?会社によっては正式にメンターをアサインしてくれたり、そう言う仕組みがあったりすることも多いんじゃないかと思いますが、仕組みがない会社でもメンターという存在は非常に貴重なのでぜひオススメですよって話を今回書いておこうかと思います。
   自分も前職でAPAC全体のマーケティングの仕事をしていた時に東南アジアのGMをメンターとしてアサインしてもらっていました。仕事で直接関わることはあまりなかったですが、家族の事、社内での次のポジションの事、目の前の仕事で困っていることなど本当色々とアドバイスをもらって素晴らしい機会でした。何より素晴らしいと思っているのが、前職をやめても半年に一回以上は連絡を取ってお互いに色々と話すことです。特に自分が東南アジアの半分くらいを管理するようになってからは同じ目線で議論することも多く本当に貴重な時間です。
   じゃあそんなメンターということですが、どういう人を選べば良いのかという点について書いてみます。まずは当たり前なのですが人として信頼できる人を選びましょう。社内の複雑な事情等も含めて相談することが多いと思うので善意で対応してかつ秘密を守ってくれそうな人が良いと思います。次に直接仕事で関わる人ではなく隣接部門のポジションが自分より上の人が良いと思います。直接仕事で関わる場合利害関係が生じてきてしまうので不適切なものの、背景や関係者等に対してある程度理解がある必要があります。なので、自分が営業だったらオペレーションのVPだったり、マーケットリサーチVPだったりが良いんじゃないかなと思います。
   どうアプローチをするかと言うと、仕事で具体的な何かについて意見が欲しいということを1−2回してみて、その流れで非常に良いアドバイスをもらえて本当に助かったので定期的にもう少し広いことについてアドバイスをもらうメンターになってもらえないだろうかという形で打診するのが良いかなと思います。もし可能なら直接のボスに話をつけてもらうのも良いかもしれません。
   ということで、私にとって素晴らしい財産になったメンターについてでした。

2022年12月5日月曜日

悪いニュースを伝える時は 相手の感情の消化のプロセスを意識する

   マネジメントの仕事をしていると、外部内部等に対し悪いニュースを伝える時が出てくると思います。例えば、人を解雇する時や代理店の契約を打ち切る時など、かなり当人にとっては悪い影響が大きく、本人に伝える際はかなり色々と考える必要があります。今回はそういった比較的大きい悪いニュースを伝える際にコツについて説明しようと思います。

   そのサイクルは、Grief cycleと呼ばれているのですが、5つステージがあります。

1. Denial: 否定

最初のフェーズは衝撃的な事実が受け入れられず事実を否定し、事実から目をそむけるような言動を取ります。

「まさか」「こんな事が起こって良いはずがない」等々のコメントが典型的です。

2. Anger: 怒り

次に事実を受け入れたあと、様々な対象に対して怒りを覚えるようになります。その対象は目の前の人だったり、自分だったり、本当様々です。

3. Bargaining: 過去の行動に対する後悔

怒りが収まったあとは、自分の過去の行動について振り返りあの時こうしていればと思い、後悔をし始めます。意味が特にない行動ですが、心を落ち着かせるためのプロセスです。

4. Depression: 落ち込み

過去の行動について後悔をしても仕方ない事に気がついて、落ち込みます。人によってはここの時間が大変長くなることも多いです。

5. Acceptance:受け入れ

最終的に現実を受け入れて次のステップを探すようになります。

   まず、悪いニュースを伝えないといけない方としては事実を受け入れてもらい、怒ってもらうことも十分想定して、コミュニケーションを色々と準備する必要があります。同時に悪い情報を伝えるミーティング内で可能な限り次のステージに行くように誘うような質問を準備しておくと良いでしょう。レジリエンスの高い人は受け入れるまで非常に早く到達しますが、中には時間がかなりかかる人もいます。

2022年11月27日日曜日

数字やデータは人間味の溢れる形で翻訳して伝える

   会社のミドルマネジメントで働くという特性上、売上、利益等の責任が非常に大きな優先順位の一つになってきます。数字は事業の結果であり、結果が出ていなければ責任者及びチームメンバー等の仕事すら危うくなってしまうので様々な意味で大切な指標の一つです。多くの場合、ミドルマネジメントの持っているたくさんの数字の責任をいくつかに分けてチームメンバーに共有する事が多いと思います。例えば、売上だったら営業に、コスト周りは一部バックオフィスにという形で分ける事が多いでしょう。それに加えて営業利益率は健全に維持する事は全員の利益になるという事も理解してもらう必要があります。

   さて、そんな数字をコミュニケーションする上で、心がけている事は色々な形で数字を分かりやすい形に表現する事です。自分の理解としては、P&Lの一行一行が何に対応しているのか見て対応していけば良いですが、全員がファイナンスの基礎知識がある訳ではないですし、また基礎知識があっても日々の行動に紐づけて全員が解釈出来るわけではないです。

   だからこそ、例えば営業だったら顧客の数と平均売上に分解してみて顧客も○○さんくらいの顧客をあと○○人増やすことで達成できるよねと伝えたり、バックオフィスだったら日々の行動に即して解釈してあげる事が大切です。そういった時に、チームメンバー一人一人の事を触れてイメージさせやすくしたり、顧客のレベル感を具体的な販売額、顧客の性格、ストーリー等にしたりする事で浸透率がぐぐっと上がってくると思います。

   という事で、自分の意思決定は頭を使って、話す時は心を使いましょうねっていう具体的な説明でした。

2022年11月19日土曜日

組織としての意思決定の早さと結果責任のトレードオフ



   最近同じ地域で仕事をする様々な企業のリーダーたちと話をする機会があります。そんな中で、企業の文化や特性による違いを少し言語化できるようになったと思うので、今回はそれについてまとめてみようと思います。
   一般的に米系多国籍企業は意思決定が早く、いわゆる一般的な日系企業は遅いと言われていたります。もちろん例外があると思いますし、良し悪しについては今回は議論するつもりはないですが、こういった差があるという前提で仮定を置いて今回は書いておきます。
   例えば自分の働く企業においては、意思決定の基準はかなり明確で例えば必要な投資があった場合にその投資額の大きさによって一人の責任者が意思決定をすることが可能です。もちろんその意思決定は色々な人と議論をしたりして総合的に判断はしますが個人が最終的に意思決定の権限を持っています。聞く限りでは多くの日系企業では会議等を開いて集団として意思決定をすることが多いと聞いています。つまりは今自分が働くような企業においてはある意味独断で事業に対する意思決定を行うことが可能で結果、意思決定のスピードも早くなるということがあります。
   当然そう言った企業体の中にはトレードオフがあって、個人が意思決定の権限を大きく持つ分、失敗した場合に責任を取るのも個人となります。企業によって失敗や結果が出ない時に対する責任を求める許容度合いは違いますが、半年から数年単位でうまくいかなかった場合、解雇や降格等の対応をされることが多いと思います。実際には降格はあまり多くなくて辞職や解雇が多いのかなという印象です。
   ということで、企業としての意思決定の早さの背景には個人の権限の強さがあり、それは結果的に個人の結果責任に繋がってくると言う話でした。

2022年11月14日月曜日

国ごとの一般化と個別化のバランス


   複数の国でマネジメントの仕事をしていると少しずつ●●人はこういう傾向があるかなぁと思うことが出てくることがあります。それは元々あるバイアスだったり、色々な経験から積み重なって意思決定を簡単にするために一般化をすることが原因だと思いますが、なかなか避けられないものだと思います。今日はそんな一般化と目の前の人に向き合う事のバランスについて書いてみようと思います。
   先日のBlogで書いたように色々な国の人と仕事をする時は、歴史や背景等の情報を収集していく必要があると思っていて、結果的に事前になんとなくこの国の人はこういう人という先入観が生まれてくると思います。それは上に記したように変えることは難しいので、あくまでそれは受け止めてしまってむしろある程度言語化して理解しておくのがよさそうです。
   次に、実際に誰かに会う時に先入観を持つ自分を認識して接することが大切かなと思っています。なぜならどう頑張っても先入観を取り除く事は不可能だと思っていて、むしろどの程度歪んで見ているのかを理解する方が効果的でしょう。そういった先入観を元に意識的にそれを外して、目の前の人を一人の人として捉えどういった人なのかという理解を進める事でバイアスを解消していきます。そのためのツールとして、MBTIだったりエニアグラムだったりInsightsの色の分析等を使って●●人としてではなく、一人の人としてどういう人なのかという理解をする事はそれなりに有効だと思います。そういった型から入りつつも、対話を重ねて相手を理解していく事を続けていく事で一般化による効率化と個別化によるメリットを両方得られ、バランスが取れるようになるのではと思います。今回は結構抽象的な話でしたが、こんなところで。

2022年11月5日土曜日

複数の国でビジネスを展開する上での歴史を知ることの大切さ

   毎年母校の大学一年生に話をする機会を頂いているのですが、どうやら「グローバルリーダー」という自分にはよく分かってない概念を推進するプログラムの人が多く、その中で「グローバルリーダー」として活躍するにはどうしたら良いですか?という質問がよくきたりします。自分には「グローバルリーダー」っていうのがよく分かっていないのですが、多国籍のチームを率いたり、複数の国でビジネスを展開していく上で結構大切だなと思う事は相手の国や民族に対して尊重の気持ちをちゃんと示すために歴史を学ぶ事が大切だと考えています。なので、今回は自分が注意しているポイントや聞くようにしている情報ソース等についても書いておきます。

   まず最初のポイントですが、日本語で書かれたその国の歴史の本を軽く読むようにしてます。別に英語でも構わないのですが、日本語で書かれたその国の歴史は日本との関わりについて書いてある事が多くそこは知識として外せないからです。具体的には例えば東南アジアだと日本人が侵略、植民地化等の事をした場合は冗談でもそういった表現にならないように気をつけたり等の基本的な姿勢を取れます。地雷を踏むというマイナスを防ぐための方法です。

   二つ目ですが、その国の大まかな歴史を通じて誇りとなっているような事件や事象についても理解します。そういった事を理解する事で相手の国の事を少し理解し、ちょっとした話の中から相手への尊重を示す事ができます。もちろん、それほど大きな事件(戦争だったりする事もある)だったりすると賛否両論な事も多いので気をつけないといけないこともあります。

   最後に、幅広く新しい情報を仕入れるという意味でThe Economistの最初にあるThe World this week (Business and Politics)を読んだり聞いたりしています。国で大きなニュースになって世界的に影響を及ぼすような時は大体この記事の中で取り上げられるので重宝しています。最後に個人的になのですが、コテンラジオというPodcastがあってそれが結構楽しいことが多く走ったりしながら聞いています。

   と、色々書きましたが、相手が何を大切にしているかちゃんと理解してコミュニケーションしましょうねって話で、歴史がその中で重要な要素を占めることが結構ありますよってところでした。では、また来週。

キャリアのフェーズごとに鍵となるポジションや経験がある


   最近、前職の大ボスに時間をもらって話をしていたのですが、将来したいと思う仕事をしようと思うと、どうしても必要な経験がいくつかあることが分かってきました。彼は同じ業界で働いて30年とかになろうとする人なのですが、今でも定期的にお世話になっており本当に忙しい人なのにありがたいなと感じます。四年前程にはPeople Managerであること、P&Lの意思決定をできる責任者であることが大切だったと思っていて無事それは手に入れることが出来たと思っています。最近はその先を考えると、次のステップが必要になってくるのかなと感じており、その切り口について書いてみます。
   さて、その切り口ですが、MBA卒業時での切り口と同様に考えていて、そちらは業界、職種、場所、職位の四つの切り口で考えたいと思います。MBAでの卒業時だと職位はあまり議論にならないことが多いのですが、欲張ればそう言った内容も含めて議論をしていくべきだと考えているので敢えて入れています。現実的にはMBA前にマネージャー経験があっても、その後マネージャーとして仕事を得られる人は他の要素を変えたりするとなかなかないでしょう。さて、一個ずつ説明して行きます。
・業界:こちらはまぁ当たり前の話なのですが、キャリアの中盤では絞って一貫性を持つことが大事だと思います。働いて5年−10年くらいは様々な自分探し等で色々行ったり来たりすることはあるかと思いますが、基本的にはここは絞っていく必要があります。
・職種:このBlogはジェネラルマネジメントになるというためのコンセプトで書いていますので、その前提でいくと、マーケティングや営業等、売上に貢献する仕事をする必要があります。StrategyやBusiness developmentのチームからジェネラルマネジメントに上がっていくルートもありますが、王道は営業として結果を出して上がっていくことでしょう。
・場所:どのマーケットで働くか、どのマーケットの経験があるかが大切な要素になってきます。最近思うのはキャリア序盤ではそこまで大事じゃない気がしていて、中盤以降どれだけ大きなビジネスを見られるかという事に関わってくるので大切になってくるようです。
・職位:いくつかプロセスがあって、キャリア序盤だとPeople managerになれるかどうか、中盤だとGMをマネジメントするGMになれるかどうか等が肝になってきます。
   上記をまとめて、各タイミングで何が大事か考えると最初に大切にすべき事はいかに早くPeople managerの経験を得る事だと思います。Managementは経験から学ぶことが多く、できるだけ早くこういったことができるようになるとその後の伸びが違います。次に大切なことはP&Lの責任者になる事です。売上、利益の責任を持ち投資をして結果に出していくという経験から学んで行きます。最後にこちらは最近再認識した事なのですが、さらに上のポジションに上がっていくにはその企業にとって鍵となる市場の責任を持ち結果を出していく必要があります。多くの場合、そういった市場は、アメリカであることが多く、たまに中国、日本、EUだったりします。ただポイントとしては、People manager、P&L Ownerの経験を得たら次は大きな市場を取りに行く事でその企業内でキャリアをさらに上げていく事ができるのではないかという事でした。

2022年10月23日日曜日

キャリアも長期的には重心に収束していくのではないか



   最近色々と昔の友人に会ったりしています。大学院の同級生とバリ島で会ったり、大学院の同窓会がウィーンであったり、久しぶりの友人がシンガポールに訪れてきたりしたりする機会がありました。働き始めてから13年くらい経過しているので彼らにも自分自身にも色々と変化があるのを感じます。そんな中で長期的にはその人の能力のあるところに収束するのではないかという仮説を最近持ち始めました。
   その表現として今回は重心のあるところに落ち着くという表現をします。古典経済の本を読む中で価格重心説からアイデアを得ています。価格重心説とは、価格は市場の影響を受けて騰落するものの基準となる価格に引き戻されるという考え方です。ちなみに大学でしっかり時間を使って経済学を勉強することなく、働き始めたので最近ちょっと勉強し直してます。
   能力と言っても色々とあるのですが、 a) 賢さ b) 適切な選択をする胆力 c) 継続する努力 d) 自分自身に対する期待などによって決まるんじゃないかなぁと思っています。働き始めて数年くらいは賢さの重きが大きいかもしれませんが、時間が経つにつれ、後者三つの特に自分に対する期待によって大きく変わってくるんじゃないかなと思います。自分自身のビジョンがあって、そこが重心になって努力や選択によって収束していくイメージ。
   と、今週は遅まきながら経済学を勉強し始めた視点からのキャリアの重心の考え方でした。

2022年10月16日日曜日

キャリアのストーリー

   

   最近、友人がExecutive search firmに転職をしていて、久しぶりに話す中で面白い会話がありました。友人はLinkedIn等で人の経歴を見て、採用側である企業に提案するらしいのですが、その中で結構大切にしているものが経歴の一貫性やストーリーということでした。気持ち、家族、健康状態に変化があったりするだろうとは思うものの、例えば急に職種を変えてキャリアを行ったり来たりしたりしていると少し不利なのでは?という意見でした。
   例を挙げると、営業→マーケティング→ GM→Sales planning→Commercial excellence→GMっていうルートだと結構トリッキーに見えます。一見最初の三つのポジションでGMに上がってキャリアは順調にGMでビジネスサイズを大きくしていくのかと思いきや、サポートファンクションにキャリアを移して、またGMに戻るっていうステップになっています。そうするとGMやったけど、あんまり好きじゃなくて別のポジションに移ったのかな?とかってパッと見たときに疑問が色々浮かんで来るわけです。
   別の例を挙げると、営業→マーケティング→GM→GM→Managing directorというルートだとマネジメントを目指していて着々とキャリアを登ってきたのかな?そうするともう少し大きいビジネスの責任を渡しても大丈夫かもしれない。といった風に考えたりするわけです。
   反論としては様々な機能をローテーションすることで広い視野を得ることができてその経験によってより優れたリーダーになるという反論もあるかとは思いますが、別にそういった部門のフルタイムの担当者を仕事としてする必要はないし、管理するチームにそのようなサポートファンクションのチームを持っていれば良いだけなのかなとも思います。
   また、最後に少し蛇足になりますが、最初の7−8年の仕事って40代くらいになるとあまり重要ではないことが多いらしく、結局長期的なキャリアはその人の器のところに落ち着くんじゃないかという仮説も出来ました。
   ということで最後あんまり関係ないことも書きましたが、キャリアのストーリーも少し意識していった方が良いよねっていう話でした。

2022年10月6日木曜日

仕事でも自分自身の感情面のアクセルとブレーキを使い分ける

  

    今週は、週末に色々とイベントがあるのでサクッと事前に更新をします。キャリアも中盤になってくると「誰と働くか(誰をスポンサーとするのか)」「どの場所(概念的な)で働くのか」ということが大事になってくると何度も言ってきていると思うのですが、今回は日々どういう考え方で自分が働いているのかっていう話を共有しようかと思います。
   バイオリズムなんて言葉が以前流行ったりしたと思うのですが、自分自身も正弦波のように人のパフォーマンスは上下すると考えていて、その中央値となる部分がいわゆるその人のパフォーマンスになると思っています。高いパフォーマンスを維持できていれば最高だと思うのですが、無理に高いパフォーマンスを維持しようとすると疲れてしまったり、ストレスが溜まったり、支障が出てくると思います。仕事で高いパフォーマンスを求められるタイミングというのは意外と限られていると思っていて、そのタイミングに体調、感情、仕事そのものの準備を調整していきピークに達成するように調整することでより効果的に働いた労力が結果につながりやすくなるでしょう。
   特にその中でも感情のピークというのは意外と忘れられがちなものだと思っていて、自分を奮い立たせるようなトリガーを持っておくことで効果的にコントロールできると思います。それは本を読む、格言を読む、音楽を聞く、瞑想をする、などなど様々な方法があると思うのですが、自分自身に有効な方法を準備して知っておくことでより簡単に調整できる可能性があります。逆にある程度緊張状態が続いたあとは意識的に弛緩させることでリラックスをして次のピークの準備ができるでしょう。
   結論としては、自分自身の感情の状態を理解して、それを意図的にある程度コントロールして、適切なタイミングでピークを持ってくるという事でより効果的にないでしょうか。っていう提案でした。

2022年10月1日土曜日

大切な事は何度も明確にチームメンバーに伝える

   


   最近、チームメンバーの家族に不幸があったので、中華圏では一般的なお金を渡してすぐ帰って仕事のことはどうにかするから大丈夫って伝える機会がありました。そこでこのチームメンバーはまだ新しいチームメンバーでそこまでちゃんと伝えてなかったですが、健康と家族が仕事よりも優先順位が高いという自分のチームのルールを再度伝えました。

   会社で働いているチームメンバーは夫婦だったり、子どもだったり、両親だったり、様々な人に支えられて働いていると思っています。ちょっとした家族の体調不良だったり、もうちょっと重い問題等、様々な問題が起こります。そういった時にちょっとでも仕事を選ばなければいけないと思うような状況をなくすために、休みの申請があった場合は必ず、「健康と家族は仕事より優先順位が高い」というのが自分のチームのポリシーだからと説明をして承認するようにしています。

   ビジョンだったり、優先順位だったりというようなフワッとした内容の事は普段の忙しい仕事の中で忘れられてしまうことが多いです。だからこそ、例えば家族の病気や本人の病気等の休暇申請のタイミングで「健康と家族は仕事より優先順位が高い」と毎回毎回必ず伝える事で浸透させることがようやくできると思っています。また、例えば会社のビジョン等だったら、意思決定をするたびにビジョンに従った結果今回の意思決定になったと伝えることで価値が出てくるでしょう。大事だけれど、緊急じゃないことは忘れてしまうことが多いから、何度も伝えて行きたいですね。

2022年9月25日日曜日

Town hall meetingの大切さ



   現在主に四つの国に時間を割いており、それに合わせて出張の時間も増えているのですが、HRの責任者と話をしていて、勉強になるフィードバックをもらったので、それについて少し書きつつ、その中でもTown hall meetingについて書いてみようかと思います。
   一点目は参加者にEngagementを上げるという効果を期待するという事です。自分もフィードバックをもらった内容なのですが、自分が普段関わるメンバーじゃない場合、意識的に話をしても漏れが出てきてしまいます。そういった人たちに対して包括する文化を醸成し、engagementを高める効果としての効果が期待できます。特に自分の場合は、シンガポールにRegional teamと呼ばれるAPAC全体の仕事をするチームメンバーがいてレポートライン上にいなくても、自分自身が法人代表であるため全体に対して適切な影響力を発揮する必要があり、その方法の一つとしてこういったTown hallは非常に適切です。
   二点目は情報共有です。ポジションが上がってきて気付くことなのですが、必要な情報を必要な人に対して伝える事やビジョンを浸透させることは大変難しいです。メールを送ったりしても読んでくれる割合は大変低いですし、一人ずつ何かを伝えても効率はあまり良くありません。また、情報は部門やレイヤーごとにスクリーニングされたり、間違った情報が伝わる事も多く、皆に時間を割いてもらって正確な情報を聞いてもらう事には大きな価値があります。
   三点目は自分のコミットメントについて進捗を共有できるという事です。自分の場合だと年初に多くの場合全体ミーティングを開いて目標やコミットメントについて説明する事が多いのですが、こういった場を使って定期的に自分の活動について説明していく事で絵に描いた餅で終わらない効果が期待できます。

と色々書いてみましたが、意図を持ってTown Hall Meetingをしてみるのって価値があるんじゃない?っていうお話でした。

2022年9月17日土曜日

キャリアをブーストさせ続けられない人

   

   多くの多国籍企業のリーダーたちは結構驚く勢いでポンポンと企業の階層を上がって行きます。そういった人たちのキャリアの進み具合は驚くべきものがあります。どういう人たちがファストトラックに乗ってCEOになっていくのかというリサーチ結果は以前の記事に書いたりしたのですが、今回はキャリアのブーストする典型的なパターンとブーストできない人について書いてみようかなと思います。
   キャリアのブーストとは何かについて具体的にまず先に書きます。キャリアのブーストとここで書いているのは、平均的なキャリアと比較してより短期間で重要なポジションに就くという事だと考えています。具体的にどういうパターンがあるかというと
  • 経営幹部育成プログラムでの採用
  • 社内での強力なスポンサーがいる企業での勤務
  • 正式なプログラムではなくても、MBA取得後のポテンシャル採用
こういったことが典型的なパターンとしてはあるでしょうか。ちなみに上記の三つは重なっていることも多く、それぞれが独立ではないです。
   さて、キャリアをブーストさせ続けられない人なのですが、下記のような原因があるんじゃないかなと周りを観測していて思ったりしています。下記の例が悪いということは全くなくて、あくまでそういう例があるというレベルで捉えてもらえると助かります。
  1. 専門家とマネジメントのキャリアパスが違うことを理解できていない
  2. 今のポジションでそれなりに満足してしまっている
  3. 現状のキャリアの先に目指すキャリアがないにも関わらず損切りできていない
  4. 結果が出ていない、結果をうまく説明できていない
一個ずつ簡単に説明していくと
1. については例えばGeneral ManagementのキャリアとBusiness Development(M&Aとか)のキャリアは大きく違って重なることが難しいのですが方向性が違うにも関わらずシフトができると思っている、もしくはシフトが容易であると思っている場合が多いです。目指す先に対して適切な経験を踏んでいないので、さすがに色々難しい面があります。
2. はもう簡単で、様々な理由で現状で満足してしまう人です。おそらく満足してしまうくらいがその人の器何だろうと思います。なので企業側にも本人にもきっとWin-Winです。
3. は実は結構多くて大きな視野で考えると現状の先に目指したいものはないにも関わらず、そこで意思決定をして違う選択を取れないということがあります。方向性をシフトして給料を上げることは難しいので思い切れない事も十分理解できますが、それなりに満足する仕事で数年以上時間を使ってしまっている人もたまに見ます。
4. 説明不要です。

と色々書きましたが、まずはキャリアをブーストできる方向や場所にいる事、自分がどこに行きたいのか正確に理解することでより方向性も明確になってくると思います。

2022年9月10日土曜日

Family businessに勤める事はキャリアのショートカットになり得る

    


   HBRの記事にFamily businessesは採用において有利であるという記事がありました。記事の理由としては勤務している人から信頼されやすい等が理由として上がっていましたが、Family business ownerの視点ではなく、勤務する立場としてFamily businessはどうなのかということを書いてみたいと思います。

   Family businessの最も大きな特徴の一つは、株主が特定の一族に集中していることです。仮に上場をしていたとしても、未だに良くも悪くも一族の意向や方向性が強いことが多いです。結果、トップダウンで物事が決まり大きな投資や素早い意思決定を達成している組織もあるでしょう。特にボトムアップだったり、誰かリーダーが意思決定するのではなく集団で意思決定することの多い社会においては大きな差別化になりえるでしょう。

   さて、勤務する側からすると、トップダウンで株主としても意見が強いスポンサーを見つけることができたら、年功序列の枠を比較的簡単に壊してもらえたり、他社では難しいと思われる意思決定をしてキャリア上引き上げてもらえる可能性があります。順番に上がっていくのを待っているよりも、面白いプロジェクトに入れてもしかしたらショートカットになるかもしれないという点においてFamily businessの会社で働くことは結構面白いかもしれないので検討する余地は結構あるんじゃないでしょうか。

   具体的な方法としては、キーパーソンである人と知り合う必要があるのでそちらに対して打算深いと思われないようにアプローチをする必要があります。例えば、一緒に働いていた人から紹介してもらったり、何か社外のプロジェクトで知り合ったりそういったような方向性で知り合っていくのが良いのではないかなと思います。

2022年9月4日日曜日

戦闘力とさらなるマネジメントのさらなる細分化

   

    
   最近、アドバンテッジパートナーズの市川さんという方が書いたビジネスパーソンとしての戦闘力という記事が非常に今まで友人たちと話していたレバレッジを効かせるとはどういうことかという議論の内容と似ていて非常に面白かったので、短いのでぜひ一回読んでみる事をおすすめします。

   この市川さんのNoteを受けて、この中で人の戦闘力についてさらに細分化されるのではないかという話を書いてみようと思います。General managerとして働き始めてからExecutive search firmの人と話すと今の会社の文化とビジネスの状況を聞いていると今後は●●な状況で求められるGMになると思うと言われることがあり、同じようなポジションで働く友人にもそのビジネスの抱えている課題に特化したマネジメントの人が求められるようになっていくのではという話題になりました。

   さて、そんな中でもいくつかパターンを紹介してみようかと思います。

1. ビジネスを立ち上げ伸ばしていくマネジメント

ビジネスがそこまで立ち上がりきっていない中で仕組みを作り、良い人を採用し、新しいオフィスや法人を立ち上げたりして、ビジネスをガンガン伸ばしていくフェーズのマネジメント

2. 停滞しているビジネスに切り込みターンアラウンドするマネジメント

ある程度の大きさになったビジネスにおいて、問題点を見つけ、必要に応じて人も替えて、ビジネスを回復させていくフェーズのマネジメント

3. ターンアラウンド後の長期成長のためのマネジメント

ターンアラウンドで外科手術が終わったあとに文化の醸成等の観点からビジネスを長期的に伸ばしていくフェーズのマネジメント

初めてマネジメントをする際にはなかなか選べないかと思いますが、自分の特性を考えて第二、第三のマネジメントのキャリアを選んでいくとよりニッチで強みのあるシニアマネジメントの人材になっていけるのではないかなと信じています。


2022年8月28日日曜日

モブにならない転職方法

   多くの人たちがLinkedInに経歴をアップロードしたり、たまに仕事の事をポストしたりして転職活動を有意義に使っていると思うのですが、IC(注1)くらいのポジションだとたまに転職エージェント(ヘッドハンターではない。注2)が見当違いやめちゃ近い競合の案件を連絡してくるばかりじゃないでしょうか。

注1)I C:このブログではIndependent Contributor、つまり部下なしのポジションの事)

注2)ヘッドハンターと一般的に言われるのはエゴンゼンダーやスペンサースチュアートといったようなExecutiveサーチファームの事だと理解

   そういった自分も持っていた悩みの中で、このルートは筋が良さそうだなと思ったルートについて紹介してみようかと思います。

1. 以前勤めていた同僚の紹介

自分の人となりを知っているという事で、前の勤務先のアラムナイウェブサイトやアラムナイ、当時の同僚や上司も非常に良いと思います。良い案件に近い人がいるという事は良い人材の集まる会社で働き、その会社の中で価値を出し認められる事が大切になってきます。

2. 同じ学校の卒業生からの紹介

1と少し近いのですが、同じ経験をした人からの紹介という事でスクリーニングを既にされた人という事でサクッと連絡が来ます。

3. 高付加価値なExecutive search firmからの案件紹介

次に可能性が高いのが、一件一件にしっかりと時間を使っているExecutive search firmからの案件です。これになるとちゃんとフィットするかどうかを事前に見た上で連絡が来ることが多いので比較的高確率です。

4. 転職先のHRチーム

最後にお勧めなのが、勤めたいと思っている会社のHRの採用チームからコンタクトが来るルートです。モブなリクルーティングエージェントがスクリーニングして、次に人事にスクリーニングしてもらうために一つステップをスキップできるのでお勧めしています。

とまぁ色々書いてみたのですが、結論としてはその他大勢でいる間は良い転職案件はなくて、普段からちゃんと人と知り合って信頼を築いておく。もしくは、一歩抜き出せるくらいの実績を出す事が必要になってきます。ちなみにこういった事をネットワーキングと呼ぶ人たちもいる気がしますが、個人的な趣味から信頼を積み上げるという言い方にしています。

2022年8月20日土曜日

最初の仕事の選びの基準

            前回キャリアの最初の方である程度軸を立てるとリスクがなくなるよって話を書いたのですが、大学生にキャリアの話をした後に聞かれる学士か修士卒業後にどういった基準で選んだら良いかという話を前回の軸を立てるという要素を考えてまとめておこうかと思います。キャリアの最初の方に軸を立てると責任を持ちやすい立場になるためのチャレンジをしやすくなると思うので、そのための布石くらいな感覚だと思ってもらえたら良いかなと思います。ただ、今回書いている前提は何をしたいか分からない人ではなくて、漠然とリーダーシップを取れる立場に就きたいなと思っているような人向けです。何をしたいか分からない人はとりあえず仮決めるしちゃう方が大事だと思います。なお今回の記事も信頼して半世紀くらい人生を任せられると思えるような終身雇用がずっと続く企業に勤めたい人たちは対象外です。

            全ての条件を満たす事はもちろん簡単だとは思わないですが、下記のような要素を考えています。

  1. 世界的に人材輩出企業と呼ばれており、その企業を辞めた人たちが活躍している
  2. 特定の業種で採用しており、そのトレーニングが充実している
  3. (可能なら)新卒五年以内に日本以外で働くチャンスがある、もしくは国内でも英語で働く環境がある
というあたりが大事かなと思います。一点目は、最初の職場は最終学歴と言われるようにある程度のスクリーニングを通り抜けた人としてのシグナリングと比較的利害関係がない友人を若い間に作っておくことで自分自身への刺激にもなります。また二点目はキャリアの早いうちにちゃんとニッチな人材になるために特定の業種で仕事をもらえる会社を選べる事で早めにリスクを減らせるような道を進めると思います。
と、色々書いてみましたけど、打算的にある程度絞ったらあとはパッションで選ぶ事も大切だとは思います。その辺良いバランスが見つかると良いですね。

2022年8月13日土曜日

キャリアの序盤次第でリスクは最小化される

   


さて、前回はキャリアの現状維持についてそれってリスクじゃないの?って話をしたのですが、実際はある程度最初の五年くらいでリスクが無くなってくる人がいるのでそういう状態にまずなろうよって話をしようかと思います。

   さて、その具体的な方法なのですが結構簡単で、比較的安定し継続成長が見込め利益率もそれなりに高い業界で、他の人より早く結果を出し、ニッチなポジションを築いていく事です。こう書くと結構当たり前じゃんと思われるかもしれないのですが、ここを戦略的にしている人は最悪困った時に働く先を持っていると思う事によって、よりアップサイドがあり不確実性の高い挑戦ができるようになってきます。

   そうするとやはり大切になってくるのは「専門性」です。この専門性という言葉はやや一人歩きしているところがあると思うのですが、自分の中で思う専門性とは「市場で探そうと思うと見つけるのが大変で、比較的短期的に採用後も価値を出せる」くらいな感じだと思っています。それを構成する要素としては下記を持っている事が大切なんじゃないのかなと思っています。

  • 学問バックグラウンド:専門的な内容を学習した経験
  • 職務が定義された経験:似たような職務での経験
  • 特定の業界での経験:同業界、ぎりぎり隣接業界での経験
  • 具体的な成果:その職務にて十分上位である事の証明
  • 業界大手での経験:人材としてのブランド及びベストプラクティスの経験
まぁなので最初の五年は言い過ぎかもしれないですが、キャリアの序盤でサクサク自分でのポジションを築いてさらに新しいチャレンジをできるようになるのがその後の発展を決めるのかなという内容でした。

2022年8月6日土曜日

変化に対しリスクがあるなら、現状維持もリスク

 

先日ちょこっとツイートしたのですが、自分より経験が少ない方の相談に乗っていた時に私のキャリアは結構リスクを取っているという主旨のことを言われたことがありました。自分としては、全くそんなことはなくて、むしろ安全に石橋を叩いて渡っていると思ったので、「いやー、全くリスク取ってないんだよね。むしろめちゃ安全な道を選んでるよ」って伝えてその時は終わりました。その後少し考えてみたのですが、もしかしたら言葉の理解がずれてるだけかもって思ったので、それについて書いてみたいと思います。

リスクと不確実性は違う

自分にとってリスクとは自分の最低限許容可能な生活ができない事を指していて、その質問者の方にとっては、不確実性がある事をリスクと呼んでいたんじゃないかなと思います。例えば、知らない土地に引っ越して転職するとしたら、それなりに不確実性はあります。ただ、それでも最悪別の仕事を見つけてそれなりな暮らしを維持できるとしたらそもそもそれはリスクではなく不確実性なんじゃないかと思うんですよね。

積極的に不確実性を受け入れる事で変化を起こせる

上記の不確実性を受け入れないと、多くの場合は大した変化が起こらない事が多いです。例えば、同じ組織で同じような仕事をして少しずつ収入が上がっていったとしても本当ちょっとずつしか上がらないでしょう。なので、ここで収入は下がるかもしれないけど、上がるかもしれないとしたら選択をしようと思えないと自分の人生に対する変化を受け入れにくくなってくると思います。

不確実性を選んで収入が下がる事をリスクと呼ぶなら現状維持ですらリスク

もう一歩進んで、仮に不確実性を選んだ結果収入が下がってしまう事をリスクと呼ぶのであれば、現状を維持して他の選択肢を取らなかった機会損失や現状維持の結果、他の選択肢がなくなってしまう事もリスクと呼ぶのが適切なんじゃないでしょうか。


と、結論で言いたかった事としては、変化自体は別にリスクがあるわけでもないから受け入れてみたらもっと良いかもねって話でした。

2022年7月30日土曜日

海外MBA卒業後、日本で働く方が条件の良い仕事が多いのか?

先日母校のMBA留学説明会を手伝っていたら留学に興味がある方から、MBA留学しても帰国する人が多いのは、日本の方が条件の良い仕事が多いのか?という質問を受けて、「いや、別に日本は基本的に給料が安い国だから、条件が良いとかじゃないと思いますよ」って伝えたりしていたのですが、結構答えが雑になってしまったなと思ったので、いくつかまとめて書いてみようかと思います。ただ、条件が良いと言っても本当考え方は様々で、議論を大変簡略化して書いてみようかと思います。

まず、色々目線を合わせるために前提としては


  • 家族等の理由の帰国は除く
  • 社費留学で誠実な性格から職場に戻る場合は除く
  • [条件の良い仕事]は金銭面のみを考慮する
  • エンジニア等の技術職ではなく、マネジメント・プロフェッショナルを前提とする
  • 物価差、税金等は一旦考慮しない
  • 学部生ではなくある程度経験を積んだMBA留学等を前提とする

先進国で比較するとMBA卒業生の給与は日本は低い













INSEADの統計なのでコンサルティングファームに偏っている可能性はありますが、それは他国も当てはまると考えると日本の給与は振れ幅も平均も低くなっています。なので、まず言える事としてはMBA卒業後日本で働く人は条件が良いとは言えない可能性が高いです。

日本に帰国する事で英語をできる事が強みになり競争に勝ちやすい



















以前のブログにも書きましたが、日本語ネイティブである事は日本の必須条件であり、加えて英語を話せる事で強みになります。ところが他国で働く上では、英語で仕事ができて当たり前でそこがスタートラインになるためむしろボトルネックになってしまいます。結果、仕事自体は抜群にできるわけでもない人が英語ができる事で競争に勝ちやすく、より良い待遇を得られやすいポジションであるでしょう。

ただし、長期的に競争に勝ち抜いて登って行っても日本では条件の良さは非常に限定的






















ソース: 役員報酬サーベイ-MERCER EXECUTIVE REMUNERATION GUIDES 2016

ちょっと古いデータなのですが、日本で競争に勝ち抜いて行っても、もらえる給与の上振れは限定的で長期的に見てもそこまで「条件が良い」とは言えないと思います。

なので、結果としては他の国でも十分競争に勝っていけると思う人は他の先進国に打って出て上振れを狙いに行く方が条件が良く、日本という英語ができるだけで付加価値が大きくなるユニークな環境で勝つ方が自分の仕事の能力を鑑みても向いていると思う場合は日本で働く方が条件が良くなるのではないでしょうか。

2022年7月23日土曜日

本からのメモ<自分の成長のキャリアにおける影響はキャリア中盤以降は限定的


 

今日は友人から紹介された本の内容を基に記事を書いていこうと思います。その本と言うのは、Great People Decisionsという本で(こちらが日本語版)、非常に良かったので読み進めるにつれていくつか書いていきます。なので、もしかしたら来週も続くかも(しれません)

さて、この本の中でキャリアを決める上で一番大切なことは運であると書いてあります。運はコントロールできないので他の四つの要素があると書いてあります。

  • Genetics: 遺伝
  • Development: 成長
  • Career Decisions: キャリアにおける選択
  • People decisions: 人選(ちょっと読み進めて訳変えるかも)
その中でも、キャリアのタイミングによって四つの優先順位が異なると書いてあり、
  • 遺伝はまぁ産まれるまで
  • 成長は生涯にわたって大切であるものの、特にキャリアの前半
  • キャリアにおける選択は20代前半まで
  • 人選はキャリアを始めたらこれが一番大切
と書いてあります。この 人生については、細かくは本を読んで頂くとして、タイミングによって異なるということが結構大切なのかなと思います。成長という点をもうちょっと掘り下げるともちろん、キャリアの成功のためには成長して、例えば資格を取ったり、知識を増やしたりということは大切であるものの、年齢と共に学ぶ能力というものは減少していき、学習し成長する事のコストと利益のバランスは徐々に変化しコストが増えていきます。

ここから自分の考える示唆なのですが、まず初めにとは言え成長を止めてはだめですよねってことです。呼吸みたいに当たり前に成長をしていくことは大切です。次に、この本が進める様に人選やキャリアの選択に集中していくという事も一つの正解だと思います。最後に思ったこととしては、成長や学習することを手段と割り切って、良いコミュニティで学習する機会をキャリアの途中でも探し続ける事が良さそうです。例えば、Executive向けのプログラムに参加をして学習を継続しつつ、より良い人と知り合い、人選である部分を伸ばしていくという方法を取ることで同時に伸ばせる要素があるんじゃないかなと思います。

来週も多分この本の内容について書きます。では良い週末を。

2022年7月16日土曜日

経歴を「盛る」ことの必要性と危険性


自分の実績を定量的、もしくは比較をして表現する(盛る)必要がある

英語のCVを書くトレーニングを受けた人は分かると思うのですが、達成した事を効果的に書くように言われる事が多いと思います。これは、嘘をつくのではなくより読んだ側が意味があると感じられるようにしっかり翻訳をしてあげるくらいな感じのニュアンスで思ってください。例えば、例を挙げると、

  • 週次の分析を行い、営業効率の改善に寄与
  • 300人の営業の活動分析により、15%の効率を改善し、30億円の売上向上
と2つの書き方を見ると圧倒的に後者の方が具体的で定量的だと思います。何か程度を表現したい時は定量化するか比較する事で効果的に書けますが、本日はどうやって表現するかではなく、どの程度まで許されるのかについて書いてみようと思います。

嘘は書いてはいけない
上記の例は自分の仕事をしている視座を上げて、定量化して説明する事で説得力を上げているかと思いますが、経歴を説明する上で嘘は書いてはいけないです。いくつか理由はあるのですが、LinkedIn等コミュニティが重要な現代において公式、非公式にレファレンスチェックといって実際の働きを確認する事は多いです。嘘はバレますし、入社後話した内容と同様の価値を提供できないとしたら良くないポジションに自分が立たされる事になるので、嘘は良くないです。また、マネジメント側からすると、嘘をつくような人物を改善する事は大変難しいので、入社後仮に嘘をついて希望のポジションについてもその先には進めず効果は非常に短期的でしょう。

誤解を招く事もいけない
時たまわざと誤解を招くような書き方をする人もいますが、最大限努力をして誤解を防ぐ努力は必要です。例としては
  • 経歴<XX大学AAコース、BBコース修士修了
  • 実際<XX大学AAコースサマースクール終了、BBコース修士修了 
というような例があったりしますが、いくら字数制限があったとしても見た人が誤解を持ちそうだなと思うような書き方は絶対しないようにしましょう。

スキル不足は改善の余地があるが、倫理面の課題は解決しにくい
スキルが足りない分はトレーニングや投資をする事で改善できますが、嘘をつかない等の信条に関しては変える事が難しいです。大切な事は嘘をつくような信条の人をチームに入れない事です。

2022年7月10日日曜日

大切な事は選択を迫られて初めて気が付ける


 
以前尊敬する人が、連絡がきた転職については、オープンな気持ちで必ず返事をして少なくとも検討するようにしているという話を聞いた事がありました。その方は新卒からその企業で働き重要なポジションについていた人で、おーそれは説得力あると思いつつ、心のどこかでただ単にそういって若手社員に良い影響を与えたいだけなんじゃないの?と穿った見方をしたりしていました。でも、今10年と少し働いた期間を重ねた中で結構正しかったんじゃないかなと思ってきています。

というのは、今までスイスの大学院で勉強する、アメリカで働く、シンガポールで働く事を選ぶ、今の会社に転職する、など大きな選択の瞬間を考えると何を選んだかと同時に何を選ばなかった事で自分が大切にしていた要素に気付く事ができたなと思っています。

今でも幸運な事に色々な案件でお話を頂く事がありますが、上記の尊敬する方と同様によほどひどくない限りは連絡が来た人の案件は少なくとも少しは聞くように心がけています。そうすると、稀に「面白そうだな」って思う案件があり、その心の動きを深堀りしてどういった事に今は自分を面白いと感じるだろうか?と客観視する良いきっかけになります。

同様に自分が何を大切だと思っているのか?について言語化がしにくい人に関しては、過去の大きな選択肢を並べて振り返ってみるのも良いかもしれないですね。

2022年7月3日日曜日

ヘッドカウントの増やし方


 

先週はヘッドカウントという概念について話をしましたが、今回はビジネスを伸ばす上で大切なヘッドカウントを増やす投資をどう勝ち取ってくるかという事について書いてみたいと思います。これもまぁ当たり前な話が多いんですが、パターンと各方法について気をつけないといけない事があると思ったのでまとめておきます。

パターン1: 前年からの年間計画

これはもうまっとうなパターンなのですが、一般的に3-5年先までの業績を予想して、それに合わせて投資計画も承認を得る事が多いです。そこで売上を伸ばす代わりに投資ももらうという一番スタンダードな方法です

パターン2: 年途中で高い成長を見せて余剰を使って自分でヘッドカウントを追加

例えば上半期で大変高い成長を達成して、目標となる利益を超えたリターンを出したとします。その超えたリターンを使って人員を追加するパターンです。ロジックとしては成り立つのですが、多くの場合はその高い成長を維持できる等の前提を置いたストーリーを示せないとなかなか難しい事が多いです。ヘッドカウントは永続的にかかってくる費用という前提になってくるので短期的に上がった利益をそのまま使うのは結構難しいんですよね

パターン3: 他の地域がうまく行っていない時に投資を取ってくる

マクロ要因によって他の地域がうまくいっていない時に投資を減らす事があります。ただ、そうは言っても投資家に対してそのままリターンが下がりますとはなかなか言いにくい訳で、他に成長の余地のある市場を探して投資をする事が多いです。社内の様々な動きからそういった要素を見つけて、うまく機会に乗って他の地域から投資を取ってくるという方法もあります。

と、色々とパターンを紹介しましたが、多くの場合そもそも高い成長を示していないと人員増化は難しい事が多いです。ただ、成長と投資は鶏と卵なので、小さいスケールで投資がうまくいく事を示し、そこから投資を引っ張ってくるって方法もあるんじゃないかなと思っています。

最後にヘッドカウントと書いていましたが、チームメンバーと話す際にはあまりその単語を使わないようにしています。ヘッドカウントという言葉が大変無機質な印象を与え、冷たい印象を与えるかなと思っているからなのですが、蛇足ですがこういう言葉一つ一つの使い方も大事にしていきたいですね。

2022年6月25日土曜日

ヘッドカウントという概念



 外資系企業の人には結構当たり前の概念なのですが、各ビジネスにおいてヘッドカウントという概念があります。例えば一つのビジネスにおいて、営業は30人、オペレーション5人、ファイナンス5人、カスタマーサポート3人といったように各機能ごとに人数が割り振られています。またFTE: Full Time Equivalent という概念があり、例えば1人の営業は複数のビジネス(P&L)にまたがる場合は、0.5FTEという形で1人ピッタリで考えなくても良い概念になります。別の例としては、例えば営業とカスタマーサポートを現場で一緒にしている場合、0.5営業、0.5カスタマーサポートと言った人もいるでしょう。

この概念は結構大切で、多くの場合年間の投資計画に沿って人数配置等が決まっており、なかなか年の途中で増やしたりすることは難しいです。また、給与を上げたり何か全社単位で変更があったときもそのスタッフがどこに所属しているヘッドカウントなのかによって影響が変わってくる事もあるので非常に大切な概念です。

また、P&Lという概念とは別に捉えられている事が多く、会社によってはリストラ等のときにP&L上で人件費を削るだけではなく、実際に人件費に加えて人数を決めてリストラの指令が落ちてくる事もあります。●●人の人数を削減したと投資家に対して伝える事に価値があるらしく例えば皆でワークシェアリングのように給与を20%ずつカットしてリストラを防ごうといった施策がなかなか難しいのはこのヘッドカウントという概念が大きな理由になります。さて、来週はその増やし方等について書いていきます。

2022年6月20日月曜日

シニアになればなるほどフィードバックはもらえない


“Keni, you will soon be on your own. Your future bosses will just expect you to perform without too much feedback.”
ボスはちょうど一回り上のキャリアの人なのですが、非常に尊敬できるボスでアジアの文化への理解も十分にあって運が良いなと思っています。そんなボスですが、結構な頻度でフィードバックをくれる事が多く、その際にもう少しシニアになったら、ボスはどう意思決定をしたかを議論するに過ぎず、インプットをもらって改善するというサイクルが回る事はほぼなくなるよって言われます。具体的には、取締役に直属くらいのポジションになったらその人を育てるというより最初から価値を出す人をそこに置く事が増えてくるとの事でした。また同時にポジションがシニアになってくると、ボス以外の周りからのフィードバックも受け取りにくくなります。

じゃあどうしないといけないかと言うと、いくつか方法があると思います。
1. プロアクティブにフィーバックをもらいにいく
こちらはフィードバックのお願いの仕方や相手によってはデメリットもあるので結構難しい面もあると思います。
2. 自分なりの像を設定し、客観的な指標で評価する
Discipline というやつですね。
3. コーチを雇ってフィードバックをもらい続ける
一つの問題は、会社と正式に提供していないとあくまで自分を通じた情報収集しかできない事です。

というわけでフィードバックを受け取れる間に受け取っていきましょうねっていう話でした。

2022年6月11日土曜日

相手の意図は良い意図であったと仮定する癖をつける


 前々回の記事で自分の行動は意図まで理解しているので好意的に解釈するものの、相手に対しては氷山の沈んでいる部分である意図に解釈の余地があるので誤解が生まれるという話を書きました。まぁそれだけって話で特に目新しい事はないかと思うのですが、今回は一歩踏み込んでその解釈を良い方向に向けてみようって話です。

で、その解釈なのですが、良い方向に向けるという事は具体的には

  • 相手の行動は良い意図であったと仮定する
という事です。大変単純な事なんですが、何か自分にとって都合の良くない行動を取られると、「嫌われてるのかも」「嫌がらせをしているのだろうか」「自分は優先順位が低い」とかつい悪い方向に考えてしまうパターンの人は結構多いと思います。そういった時に、答えのない事なので、自分の中で勝手に反響させて答えを出さないで良い前提を置く練習をして習慣づけるてみようという提案です。具体的には

メールの返事がなかった
→ITのエラーかも?どうしようもない問題が起きてて返事ができなかったのかも?
上司に自分の作ったスライドをまるごと変更されてプレゼン資料に盛り込まれた
→自分が知らない情報があって不適切な内容だったのかも?
大変厳しいフィードバックをもらった
→ちょっと機嫌が悪かっただけかも?期待しているレベルを教えてくれたのかも?

などなど色々ありますが、相手の善意に期待をすることで自分の中で勝手にマイナスに解釈をして人間関係を悪化させたり、ストレスを増やしたりする事が防げるんじゃないかなと思っています。

2022年6月5日日曜日

見えない相手の考えや性格を理解してみる上でのツール

 

さて、先週の話の続きなのですが、こういった相手の行動を理解する上で自分と同じ考え方をすると前提を置くのは大変危険なのですが、自分が考えるようにしか考えられないのでそこから抜け出すにはトレーニングが必要なことが多いです。特に切迫された状況になってくるとなおさらです。

ビジネスの中では、一般的にそういったトレーニングがあって代表的なところをいくつか紹介します。

DISC: 4つの観点からどこが主な機能を占めるのか示すツール

MBTI: 人を4つの観点からそれぞれ2つに分解し、16個に分解するツール

Insights (Communicating in colors): 人の性格を4つの色に分解して理解するツール

色々なツールがあって、こういったツールが科学的かどうかは大きな問題ではないのですが、ツールを通じて自分の考え方はあくまで多くある中の一つの考え方に過ぎない事、自分と人は違った考え方をする事を理解することが大切だと思っています。

ってな訳で今週はツールの紹介まで。来週も簡単だけど大事な話を書こうと思います。

2022年5月28日土曜日

人は自分を意図を元に解釈するが、他人に対しては行動から解釈する


最近、会社でリーダーシップトレーニングを受ける機会がありました。その中で結構印象に残った事があり、それについて書いてみようと思います。

正直リーダーシップのレクチャーにて、氷山の写真が出てくる事は何十回と見て来ていて、はいはい、氷山ね。くらいな気持ちでいました。ただ、今回はよりマネジメントとして経験を重ねた結果か非常に頭にスッと入ってきたレクチャーだったと思います。

今回はコミュニケーションに関してのワークショップの中であった内容なのですが、一言で言うと、タイトルの通りで自分自身は意図も理解できてしまうものの、コミュニケーションをしている相手に対しては何を考えてどういう意図を持って行動しているか明確には分からないため、見えている部分の行動から判断するということでした。

こういった構造によって自分にとって自分自身を好意的に解釈しやすく、相手に対しては好意的にも敵対的にも解釈できてしまうという事が分かります。

もう本当に当たり前の話で、だから何なの?って事だと思うんですけど、改めてコミュニケーションの難しさと可能性を感じたのでここにアウトプットしておきました。

2022年5月21日土曜日

多国籍企業のリーダーには体力が大事。じゃあ体力って何?


 

最近3月くらいから出張を再開しているKeniです。以前は30%くらい出張の日々だったのですが、最近は子どもとの時間を大切にしたいので可能ならもっと減らせたら減らしたいなぁと思っています。

さて、最近自分自身も出張したりボスや大ボスたちも相当出張を再開し始めている中で、皆の前提が時間的に可能なスケジュールであれば選んで実行しちゃえってなってる事に再度気が付きました。

今まで多くのビジネスリーダーを見てきましたが、特に多国籍企業でポジションを大きくしていく人は基本的にめちゃめちゃ移動が多いです。ここ数年COVID-19で出張が一部なかったかとは思いますが、基本的には半分くらい出張している人が多いと思います。

そんな中で体力って大事だよなぁって思ったのですが、そもそも体力ってなんでしょう?というところを少しいくつかの要素に分けて書いてみようかと思います。

身体/ 精神 x 行動/ 回復の四象限で整理してみようかと思います。

身体 x 行動

こちらはまぁ単純でミーティングに参加したり、移動したり、肉体的にどの程度行使できるのかという観点での体力。

身体 x 回復

こちらはそういった体力が上記の行動で減ったときにどの程度簡単に回復できるのかという観点です。どこでも寝られる人ってこういう要素が強かったりすると思います。

精神 x 行動

どの程度意思決定を重ねても精神が摩耗しないか、大変な意思決定やストレスのかかる環境でも前へ進む事ができるかどうかという観点の要素です。

精神 x 回復

こちらは心が疲れた時にどれくらいの素早さで回復していくのか、また回復させるための方法をちゃんとしているかという観点での指標です。チャレンジが続く中でも回復方法を知っている人は強いですよね。


最近ボスたちは体力あるよなぁと思っていたのですが、体力って何かなと簡単に整理してみました。

2022年5月7日土曜日

転職等大きな意思決定をする時の決め方


 

最近、高校生からQuerieで大学選びの相談をもらう機会がありました。興味分野についてちゃんと深く調べている事が分かる質問の内容で自分の時との差を感じました。

さてさて、その中で大学選びについて答えていた訳ですが、仕事選びでも大学選びでも比較的大きな意思決定において、自分がどういう考え方をしてきたのかちょうど良く言語化できたので今回ちょっとまとめてみようと思います。ざっくり言うと、情報収集→論理的に評価→心で決めるというステップで決めているのですが、その内容をそれぞれちょっと詳述していきたいと思います。

まず初めのステップの情報収集なのですが、これはもう当たり前のことですが、インターネット、口コミ、中の人、近い人に話を聞く等を実施して二つの観点で情報収集します。一つ目はそもそも選ぶためのどういった基準を持つのか。です。自分の知らない世界だと表層的な基準しか見えなくなったりしますが、実際に選んだ人に聞いてみると今まで気が付かなかったものの、実際は大切な論点であるっていうことが見つかることもあると思います。そういったもしかしたら自分にとって大切かもしれない基準を選ぶという事が一つ目です。二つ目はその基準に合わせてどのようなファクトがあるのかということを整理します。

次に、その整理したファクトを元に各基準において各選択肢がどういった評価になるのかを評価していきます。まぁざっくり横軸に選択肢、縦軸に評価項目とかで良いんじゃないかなと思っています。ここでの目的はこれを選んだら後悔すると思われるような選択肢を外していく事なので、正解を特に絞りきらなくても良いと思います。

最終段階なのですが、絞った選択肢の中で、自分で人や環境そういった様々な内容を加味して、感覚的に選べば良いと思います。未来の事なんて絶対分からないし、しかもここ数年を見てみても、COVID-19、戦争、中国のロックダウンと様々な事が発生してきていて絶対に想定外の事が起こります。二段階目のロジックだけで絞ってしまうと条件が変わってしまったときに大きく後悔したりして自分の選択を支えてくれるものがなくなってしまうと思います。だからこそ、なんとなくワクワクするとか楽しそうみたいな定性的な理由も持って意思決定をしておく事が大切なんじゃないかなと自分の過去を振り返って感じました。

2022年4月30日土曜日

東南アジアにおいて販売代理店と働くデメリット



いうことで今週は代理店と働くデメリットについて書いていきます。

正直この辺は前回の記事の裏返しの側面もあるのですが、まとめて書いていきます。


1. 現場の状況がつかみにくい

代理店から最終顧客への販売高や具体的な顧客名等がつかみにくいです。もちろんある程度シェアするように合意をして契約にサインをする事は可能だと思いますが、相当契約時に握っておく必要があり自社に力がないとなかなか情報を直接得る事は難しいでしょう。

2. 利益率が下がる可能性がある

もちろん構造によって異なってくるとは思うのですが、利益率が下がる可能性があります。もちろんその利益分にて代理店が営業やロジスティクスやカスタマーサポートまでしていると考えれば付加価値によって利益が移転しているだけなのですが、売上が大きくなるにつれそういった印象は増えてくるだろうと思います。売上が大きくなるとどっかのタイミングで自分で投資をして機能を自社で雇ってしまった方が早いタイミングが出てくると思うので。

3. 自社製品に集中してもらえない可能性がある

代理店によっては同じ製品カテゴリーに複数ブランドの製品を扱う事があります。そういった場合、リベートや様々なサポートによって自社内のインセンティブ設計をしており、結果的に自社製品に対して集中してもらえない可能性が結構あります。

4. コントロールが効きにくく、予想がしにくい

多くの企業においては四半期ごとに目標があると思います。ただ、その四半期ごとの目標は代理店にとって特に意味があるものではありません。そんな中で代理店に対する販売を管理して安定した目標を達成しようと思うとリベートで動機づけしたり色々と仕組みを設計して導入していく必要性が出てきます。


と、まぁ色々とメリットやデメリットはあるのですが、ちゃんとした信頼関係を構築できれば販売代理店と一緒に働くのも戦略の一つとして十分あり得る選択肢だと思います。

2022年4月23日土曜日

東南アジアにおいて販売代理店と働くメリット


 

今日はちょっとリーダーシップ系じゃなくて代理店か直販なのかという意思決定について書いてみようかと思います。

これは本当難しい意思決定でスパッと決められることは本当多くないのですが、それでもなぜ代理店と一緒に働く必要があるのかについていくつか書いていきます。


1. 営業的側面:迅速な営業ネットワーク構築や政府案件への参加

自社のスタッフを雇って育ててってゼロからしようとすると営業のスタッフ、顧客の信頼を勝ち取る、などなどかなりの時間がかかります。時には一年以上かかったりすることもあるでしょう。そこが代理店の既存のネットワークに乗っかることで迅速に商流に乗せることができます。また土地が広大だった場合などに市場は小さいものの面積は広いっていう場所をカバーしようと思うと自社製品だけだと経済性が成り立たず、カバーできないものの代理店で複数ブランドの製品を扱うことでどうにか成り立つっていうこともあるでしょう。最後に例えばマレーシアは政府案件に入札しようとすると多国籍企業が条件を満たすことが大変難しい条件があったりするのですが、代理店によってこういったことは解決できる可能性が高いです。

2. 財務的側面:代理店がキャッシュフローのクッションになってくれる

東南アジアのどういった国かによるのですが、中には支払いが半年とかになる国があります。直販で厳しいルールを課す多国籍企業だとすぐ販売停止、ブロック等の対応をしてしまいがちですが、そういった商習慣のギャップを代理店に埋めてもらうということも可能だと思います。

3. 投資的側面:法人を立ち上げずに市場に参入できる

法人を立ち上げようとすると本当さまざまなコストがかかってきます。長期的にはビジネスが伸びればリターンがあるとは思いますが、なかなか初めての国だと意思決定が難しいと思います。そんな状況の中で販売だけして後の機能は代理店に担ってもらえるビジネスの方法はパイロットとして本当最適だと思います。


と、とりあえず今週はメリットだけ。来週にデメリットも書きます。

2022年4月16日土曜日

SelflessnessとSelfishnessのバランス

最近Manager一歩手前くらいのチームメンバーに対して定期的にトレーニングをしているのですが、スキルとか経験とかとは別に結構大きなマインドセットの差があるよなぁと思ったので、それについて今の考えをまとめておこうと思います。

自分が責任を持っているのは、研究開発と生産以外なのですが、特に営業のポジションはManagerに上がる時に少しハードルが高くなる事が多いなと思っています。具体的には、リーダーになるためにはSelflessnessという自分を少し抑えてチーム全体の事を考える事があるのですが、営業として結果を出すためにSelfishness: 自分を前に押し出す必要があるためその移行を意図的に試みないと苦労する事が多いです。

少し、2つの言葉の自分の中の整理を加えておくと、Selflessnessとはチーム全体が成功するための態度の事を書いています。マネージャーになってくるとチームメンバーの一人一人が結果を出していく事が大切になってきます。マネージャーの成功とはマネージャーが称賛を浴びる事ではなくチームメンバーが称賛を浴びる事なのですが、そういったマインドセットを持つ事をSelflessnessだと思っています。ただ、先に書いたように営業として結果を出していくためには自分をどんどん押し出し、ある意味他の人を押しのけていく必要があります。そういった態度がちょっと響きが悪いですが、Selfishnessだとここでは書いておきます。

多くの場合、チームメンバーの段階から正式ではないポジションでリーダーとなるようなマネージャーへの移行期の期間があると思うのですが、そういった時に自分を押し出しすぎず、でも個人としての結果を出し続けるというちょっと難しい移行期間が必要でそういった移行期間に適切にボスがメンタリングする必要があるんだよなって事でこんな2つの態度の事を書いてみました。

2022年4月9日土曜日

未来のCVを作る

4月になり、日本では新しく働き始めた人もいるかと思いますし、新しいポジションで仕事が始まった人、転職した人などもいるかと思います。こういった転機の時だからこそちょっと先まで考えてみて未来へ向けて少し計画を練るのに良い時間かもしれません。なので簡単にどう言ったことを書くのか少し自分なりの考えをここに書いてみようかと思います。

はじめに行きたい方向を仮でも良いから決める

まずはざっくりでも方向性が分かっていないと困るので、今のキャリアの先にどういう人がいるのか、それを抜かしてもどういう人になりたいのかを決めることが大切です。これが決まらないから困ってるんだよっていう声はあるかと思うんですが、それでもどうにか決めることをお勧めします。どうしても決まらないような社会人二年目くらいまでの人はなるべく選択肢が広がる、もしくは維持できることを選ぶことは悪くはないと思いますが、それでも何かに決めてしまった方が実は選択肢が増えるっていうこともあると思うので、仮にでも選んだ方が良いです。

情報収集をする

行きたい方向が決まったらどういう道のりがあるのか調べます。LinkedInを見てみたり、尊敬できる人のキャリアをみて見たり、先輩に話を聞いたり、などなど色々と方法はあると思うので、2-3パターンくらいの道筋を作ってみることを勧めます。また、5年10年くらい先にいる先輩に壁打ちになってもらって現実的かどうかをチェックしてもらえるようにすると良いと思います。ちなみに、いきなりLinkedInで突撃しても丁寧なメッセージだったら結構多くの人が返事くれるんじゃないかなと思います。

CVを書く

今までのCVはあると思うので、それを前提に三年後に何をできていたら理想なのかをかなり具体的に書きます。例えば

  • Led the PMI of fortune 500 company as a project leader
  • Managed 50M USD revenue P&L and 48 team members
みたいな感じで整理して書くと良いと思います。これ結構冗談ではなく可能な限り具体的に書く事が大事です。この時あまりにも非現実的な事、つまり現在の仕事の延長線にない事を書くと意味がないのでその辺のリアリティチェックもしましょう。もし延長線上になければ、異動か転職を考える必要があります。

社内での仕事との調整

社内の目標があると思うので、可能な限り自分の持っていきたい方向と合わせて自分が目標を達成する事で会社にメリットがあるという状態を作るようにしましょう。おそらく多少のズレは出てくると思います。そういった場合は、他のチームとのコラボレーションとかって名前にして会社のOKは取っておき、追加のプロジェクトを自分で行う事で自分の未来のCVの現実化を図る事をお勧めします。

おまけ

ちなみに、ちょっと余談を書いておくと、未来のCVを書くと言いつつ、ちょっと遊びというか偶発的な要素を含めるような余裕を持っておくと良いと思います。イメージとしては80%くらいのキャパシティで目標に向かって進みつつ、20%くらい何か理由は分からないけれど面白そうなものに時間を使えるようにすると良いと思います。想像のつかないような未来に対して偶然な点を打っておくような感じでいると良いと思います。ロジックで決めた事だけしていると面白くない人物や人生になってしまうと思うので、そういうセレンディピティを入れられる余地を持つということを大事にしていきましょう。

2022年4月2日土曜日

番外編<大学院留学の奨学金を3倍にした方法



先日友人夫婦が大学院の留学する事になり、奨学金が10k USDしか出てなかったところを少しアドバイスをした結果三倍近くまで増える事になったらしく、どう言ったことに気をつけて交渉をした方が良いと伝えたのかについて書いてみようと思います。普段のキャリアの話と違ってその一歩手前の大学院の留学の時の話になります。

はじめに: 心構え

最初に大切な事なのですが、全ての事は交渉可能であると理解して、それを堂々と主張することに何の問題もないと思うようにしましょう。特に今回のような奨学金の交渉の場合、あまりにひどい態度や非常識なリクエスト(全額無料にして欲しい)などでなければ、特に失敗してもリスクは限定的です。なのでダメもとでも言ったもの勝ちだと思ってください。

タイミング

次にタイミングについてですが、入学が確定する前に応募する形の奨学金でない場合はオファーが正式に出てからが良いと思います。逆にそのタイミングでないとあまり意味はないです。また大きな理由としては、オファーをもらったタイミングからは受験者が意思決定権利を持ち強くなるからです。

事前準備: 情報収集

さて交渉に入る前に、いくつか事前準備をするようにしましょう。過去の学生の実績から情報を集めて、以下の論点を理解することが大切だと思います。

  • どういう要素が交渉可能なのか
  • 交渉可能なレンジはどれくらいか
  • どういった理由や人が受け入れやすいのか
  • 意思決定者は誰でKPIは何か
  • 自分から何を提供できるのか
どういう要素というのは奨学金と言いつつ、現金をもらう事、学費を免除してもらう、他にも寮を割引してもらうなどなど実は様々な要素があります。そういったどのような要素が交渉の土台に乗るのか調べましょう。金銭的なメリットではなくて例えば授業を取るためのポイントや留学の枠など優遇措置があり得るかもしれないですよね。また過去の事例から問題のない範囲はどれくらいでどう言った人が奨学金を受け取っているのか考えると良いと思います。多くの場合より平均賃金の低い発展途上国出身の人に出やすいとは思うのですが、同じようなストーリーを作って説明したら日本で働いていた人でも通る可能性はあります。最後に誰がどう意思決定するのか、また彼らのKPIは何かを考えることが大切です。アドミッションオフィスの人だったらオファーを出した人の入学する割合等になってたりする可能性も高いのではないでしょうか。そうしたら、奨学金をもらえたら必ず入学しますと伝えている人の方が奨学金をもらえる可能性は高いと思います。最後に例えば学校に対してアンバサダーとして日本でのブランド向上に取り組みたい事などを伝えると良いと思います。

事前準備: 自分のゴールを決める
要素毎に理想的な最低限受け入れられる範囲と各要素毎の優先順位を決めます。こちら意外と自分を理解していない人が多いのですが、何を欲しいのか明確にしておく事が大切です。交渉中に迷っている時間はないです。

事前準備: 欲しい奨学金のロジック強化と感情面へのアプローチの準備
自分のゴールが決まったのであれば、なぜその金額が欲しいのか正当に聞こえるようなロジックを作ってみるようにしましょう。例えば
  • 他の学校でもオファーをもらっていて、そこの奨学金はより高い
  • 他の学校でもオファーをもらっていて、物価差により出費が多い
  • 自分で準備したお金があったものの最近の円安によって10%目減りしてしまった
などなど自己中心的でない仕方ないような理由を作って自分の欲しい奨学金のロジックを積み上げましょう。という事はより入学が簡単で奨学金をよりくれそうな学校も受けておいて事前に交渉しておくのも悪くない戦略だと思います。
また意志決定者もロジックだけで決めるわけではないので、感情面に訴えるような内容を伝えておくと良いと思います。具体的には相手に好かれて、学校に貢献してくれそうな人だと思わせることが大切です。以上を踏まえて伝えたいメッセージをきれいに整理して根拠も用意しておきましょう。例えば、友人の場合だと
  • あなたの学校が第一志望で、大好きです
  • でも、他の学校から奨学金ももらって迷っています
  • 私にはこんな困難があります
  • 奨学金を増額してくれたら即決してその日のうちにサインします
とシンプルにメッセージを絞っていたようでした。また、個人的には欲しい金額のちょっと上をリクエストすると良いと思います。30k USD欲しいなら35k USDくらいでリクエストした方が良いです。

交渉中に気をつけること
次に実際の交渉を始めるときに気を付けることを書いておきます。
  1. 可能ならZoom等、最低限でも電話で話すようにする
  2. メールは話した後の議事録としてまとめてフォローアップする程度で使う
  3. 交渉したい内容別での意志決定者の困難さを理解する
1、2は良いと思うので割愛すると、3についてちょっと詳しく説明します。各要素毎に意志決定者が一存で決められるかどうか、どの程度枠が狭いのか等難しさが変わってくると思います。それを対話の中の表情やリアクションから読んでいき自分の最終的なリクエストを決めていくというような意識を持つと良いと思います。例えば、奨学金の全額は多くの場合決まっていると思うので、他の学生とのゼロサムですが、もしかしたら寮の原資は違うポケットなのでより受け入れやすいみたいなこともあるかもしれません。

円安になってきている世の中だし、読んだ方の一人でもより良い交渉ができるように願っています。

2022年3月26日土曜日

違う地域のタレントとしてのフラグの立て方



前々回の文章でどの地域のタレントなのかというフラグという文章を描きましたが、あくまでフラグがあるよね!っていう内容ででも新しいフラグを立てるにはどうしたら良いんだろうという話を書いてみようかと思います。ただ、自分自身も模索中なので、コーチやアカデミアの人の意見、自分の仮説を色々混ぜて書きます。

方法1: 違う地域での学位を取る

1番分かりやすいのでMBAですが、日本でしか働いてこなかったのであれば例えばシンガポールでの学位を取る。とかっていう方法があります。仕事の経験ではないのでそのまま経験年数として評価する事は難しいですが、多少話のきっかけくらいには使えます。仕事ほど評価されないのは細かい理由まで書かないですが、仕事ではないからですね。

方法2: リモートで他の地域のプロジェクトに参加する

これは結構真っ当な方法で、人に知ってもらう事も含めてリモートで他の地域のプロジェクトに参加してみるのは相当まともな方法です。特に日本で働く人は結構こういうプロジェクトに入れられ上人材が不足していると思うので手を挙げたら結構できそうな印象があります。

方法3: 多くの地域を管理するボスと握る

これが一番大事な点だと思います。いくらフラグが立っていても忘れられては困ってしまうので、ボスや大ボスとどうやったら違う地域のタレントとして認識されると思うのか意見を聞き、必ずそれを実行して再度話をしてそれを繰り返していき握り続けるという事をする事も有効だと思います。

と一応方法三つ挙げてみましたが、実際三つの全てを実施してみて、どうにかチャンスを見つけるという方法になってしまうと思います。難しいですよね。一緒に頑張りましょう。

2022年3月19日土曜日

Public speakingの準備



COVID-19も地域によっては終わりを迎えつつあり、多くの国が少しずつ共に生きていく準備をし始めているように見えます。そんな中で今までオンラインでだったミーティングがオフラインで対面になり多くの人が集まる会も戻ってくるだろうと思います。
そんな中で、対象読者である方々はそれなりの大人数に向けてスピーチを行う機会も増えてくるだろうと思います。それまでスピーチと言ってもあくまでビジネスの内容を説得したり話したりする事が主な目的だったかと思いますが、これからは対面で多くの聴衆に対して話をする機会が沢山訪れるでしょう。
そのような機会の中、どういった準備をしているかを共有していきたいと思います。

初めに考える二つの質問はこちらです。
  • 何を覚えて帰ってもらいたいか
  • どのような気持ちになってもらって帰ってもらいたいか
聴く側だった方は分かるかもしれないですが、大体聞いた内容なんて10%も覚えてくれないと思った方が良いと思います。なかなか集中を維持するのは難しいですし、人の記憶力はそんなに良くありません。なので、もう準備はこの二つの内容に絞って考えるようにしています。
一つ目の覚えて帰ってもらいたい事も四つ以上になったら記憶に残りません。なので、できるだけ内容はシンプルに簡略化し過ぎるくらい簡略化して言い切る必要があります。と、同時に何度も同じメッセージを出し続けて、聞き飽きたから良いよって思ってもらえるくらいに伝える事が大切です。聞き飽きてくれたらもうそれはある意味目標達成です。
また次の気持ちですが、危機感を持ってもらいたいのか、新しい年に対してプラスの気持ちになってもらいたいのか、それを目標としましょう。その目標のもとに最初のアイスブレイク、スライド、投げかける質問、可能ならキックオフミーティング等だったらお土産に至るまで目的に合致しているのか考えることが必要です。
色々とスピーチの準備としては書くことはありますが、まずはどういう論点を持つのかということを整理してみました。

2022年3月12日土曜日

どの地域のタレントなのかというフラグ

MIT Sloan Management reviewにRethinking the East Asian Leadership Gapという記事があり、最近それを読み筆者と議論する機会がありました。その中で考えた事をちょっと書いてみます。以前N+2(大ボス)と何を議論するのかという事を書いたのですが、そこにも書いたように長期的なキャリアについて議論をある程度議論すると思います。その中で、どの地域のタレントとしてのフラグが立っているのか確認する事ができました。いくつか詳細はあとで書くとして、会社としてざっくりどういうレベルの人材として認識されているのかという事が結構大事だよねという事とそれをどうやって変えていくのかという話を書こうかと思います。

なぜフラグが大切なのか

そもそもという事でなぜフラグが大切なのかという話なのですが、フラグによってタレントのポテンシャルが測られ、必要なトレーニングや仕事の機会が与えられ、社内加えて社外でのキャリアの伸びしろが決まって来るからです。

どうフラグが立つのか

多くの場合採用する時には将来を見越して採用しているのでどれくらいの人材か仮に決まっている事が多いです。そちらは職歴や学歴及び面接での本人の希望とともに大体決まってきます。中でも大切なのが具体的なその地域で仕事をした事があるかどうかです。たまに大学や大学院で勉強した事がプラスになるかと聞かれる事がありますが、職歴の30%くらいのイメージでいると良いと思います。

どういうフラグがあるのか

今回は地域について絞っておきますが、その国限定の人材、国を超えた地域(アジア、北米、南米、中東)の人材、グローバルな人材とざっくり分かれている事が多いです。

フラグを確認する方法

多くの場合自分自身のキャリアの変化や与えられるメッセージから理解できるかと思いますが、ボスや大ボスと話す機会を作って、自分の希望とともに確認してみましょう。

新しいフラグを立てる方法

こちらは自分自身も苦労しているのですが、次回ざっくりとしたまとめを書いてみようと思います。でも簡単じゃないです。結構難しい。

2022年3月6日日曜日

どのくらいの確度で意思決定をするのか



最近、一社目、大学院、シンガポール在住、東南アジア地域のマネジメントという共通点の多い先輩と久しぶりに話をしていて、どうやって意思決定の確度と早さをバランスするのかという話になりました。今日書くのは本当自分の頭の中の整理と感覚的な内容です。

そもそもの前提

前提としては、市場の変化が大きく、一つ一つの製品やサービスの意思決定にそれほど多くの時間を使えない等の状態であると前提を置きます。例えば、一つの製品だけで数百億円等の売上があり、非常に肝要な製品の場合だったり、一度実施したら中々変えられない場合等は前提が異なってくることが多いと思います。

どのくらいの確度か

100を全ての情報が分かっている状態だと仮定すると各レベル感は以下のような感じです。

  • 100: 間違いない意思決定。レベル感やベンチマークとして知っておく事が大切
  • 70: ほぼ間違いないと市場調査やインタビューやパイロットで分かる状態。大体遅すぎる。
  • 30: 不確かなもののスピードとしては十分。
本当概念的で分かりにくくて申し訳ないのですが、上記くらいのイメージでいます。70まで待つ事はほぼなくて、30でいかに早く先に意思決定をしてしまうかを大切にしています。100はどちらかというと何かを実施した後の検証をした結果到達することがあるかも?くらいな感じです。

30の確度で意思決定するために必要な事は

実際に顧客からのフィルターされる前の声と全体感としてのデータがある場合
顧客の声からのボトムアップを可能な限り直接聞いて仮説を立てて、間接的に証明もしくは十分整合性のあるマクロデータがあればOKとしています。後者の整合的なデータもやや感覚的なものなのですが、直接証明するデータを探す事は多くの場合困難なのでまぁ問題ないかなという検証程度で実施しています。
経験のあるチームメンバーを信頼できる場合
また、チームメンバーを信頼すると信じられる場合は、詳細まで分かっていなくても意思決定をしてしまう事があります。ここはいかに強いメンバーを手元に入れられるかが大切だと思います。

長期的な発展のために
意思決定の記録とレビュー
自分がどういった情報源やロジックをもとに意思決定をして何を検証の指標とするのかを箇条書きレベルで良いので残しておきレビューできるようにします。自分の場合はOutlookで自分にメールを送っておき何日後に検証するとリマインダーを入れておくようにしています。

確度のレベル感を知っておく
確度のレベル感が揃っていないと意思決定が難しいのでまず時間をかけて全てリサーチをして意思決定をした場合どのようになるのかを学んでおく事が大切です。ただこういったものは難しいので大学時代に研究をするとか、キャリアの最初の方で叩き込まれるとかが大切かなと思います。またそれをチームのリーダーシップクラスに共有する事も非常に大切です。