先日母校のMBA留学説明会を手伝っていたら留学に興味がある方から、MBA留学しても帰国する人が多いのは、日本の方が条件の良い仕事が多いのか?という質問を受けて、「いや、別に日本は基本的に給料が安い国だから、条件が良いとかじゃないと思いますよ」って伝えたりしていたのですが、結構答えが雑になってしまったなと思ったので、いくつかまとめて書いてみようかと思います。ただ、条件が良いと言っても本当考え方は様々で、議論を大変簡略化して書いてみようかと思います。
まず、色々目線を合わせるために前提としては
- 家族等の理由の帰国は除く
- 社費留学で誠実な性格から職場に戻る場合は除く
- [条件の良い仕事]は金銭面のみを考慮する
- エンジニア等の技術職ではなく、マネジメント・プロフェッショナルを前提とする
- 物価差、税金等は一旦考慮しない
- 学部生ではなくある程度経験を積んだMBA留学等を前提とする
先進国で比較するとMBA卒業生の給与は日本は低い
INSEADの統計なのでコンサルティングファームに偏っている可能性はありますが、それは他国も当てはまると考えると日本の給与は振れ幅も平均も低くなっています。なので、まず言える事としてはMBA卒業後日本で働く人は条件が良いとは言えない可能性が高いです。
日本に帰国する事で英語をできる事が強みになり競争に勝ちやすい
以前のブログにも書きましたが、日本語ネイティブである事は日本の必須条件であり、加えて英語を話せる事で強みになります。ところが他国で働く上では、英語で仕事ができて当たり前でそこがスタートラインになるためむしろボトルネックになってしまいます。結果、仕事自体は抜群にできるわけでもない人が英語ができる事で競争に勝ちやすく、より良い待遇を得られやすいポジションであるでしょう。
ただし、長期的に競争に勝ち抜いて登って行っても日本では条件の良さは非常に限定的
ソース: 役員報酬サーベイ-MERCER EXECUTIVE REMUNERATION GUIDES 2016
ちょっと古いデータなのですが、日本で競争に勝ち抜いて行っても、もらえる給与の上振れは限定的で長期的に見てもそこまで「条件が良い」とは言えないと思います。
なので、結果としては他の国でも十分競争に勝っていけると思う人は他の先進国に打って出て上振れを狙いに行く方が条件が良く、日本という英語ができるだけで付加価値が大きくなるユニークな環境で勝つ方が自分の仕事の能力を鑑みても向いていると思う場合は日本で働く方が条件が良くなるのではないでしょうか。
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