2021年11月27日土曜日

より上役から意思決定の指示を受けることはGM失格

 

最近二年と少しマネジメントとして働いてみていくつか心に刻むように腹落ちした事があったので少しまとめて書いておこうかと思います。

1. 意思決定をする仕事、 2. 意思決定を助ける仕事、3. 実行する仕事の三つは違う
簡単にざっくりと仕事を分けるとその三つの仕事に分けられて、それぞれ大きく違う仕事で、全くその性質が違うなと感じています。2の人が1の気持ちになっている例を見かけたりすることはありますが、実際は全く違う性質の仕事です。また自分くらいのそれほど大きくない事業のGMだと全部兼ねることもあります。

P&Lの責任者は事業の進退を含めて事業価値の最大化を責務とする
書いてあることは当たり前のことなんですが、実際に目の前にチームを持ちつつ、事業の撤退の可能性を考えることは本当難しいです。自分にとってもチームメンバーを失ったり多くの痛みを伴う行為だからです。ただ、だからこそFP&AやN+1と定期的に事業を撤退することで企業価値は向上するのかという点を議論する時間を取って中立的な視点で意思決定をできるような環境を作る必要があります

事業価値の最大化の検討する期間は企業、投資家、状況により異なる
ここが難しいところなのですが、多くの場合数年単位での事業の最大化を目指すことが多いです。ただし、状況によってはこの四半期や半年での事業価値最大化が喫緊の主目的になることもあります。こちらは会社全体の方向性、投資家の要求を理解し推測していく必要があります。

自分の事業の意思決定をボスに迫られた時点で負け
状況のことを踏まえて、自分よりもシニアなマネジメントから意思決定を指示されることは1番防がなければいけないことです。なぜなら事業価値を最大化させるための意思決定が自分の仕事である中で、その責任を満たせていないからです。なので上記の視点と責任と知識を元に誰よりも早く事業価値を最大化させる意思決定をできるようになって行けたらと思っています。

2021年11月20日土曜日

評価を伝える時のDos and Don'ts

 


(今回の記事はFranklinCoveyのEvaluating direct reports: Dos and don’ts for documentation and deliveryという記事の中から抜粋しつつ自分の体験を加えて書いています。引用しているところは引用マークをつけています。)

2021年も終わりが見え始めチームメンバーたちのFeedbackを書く時期が来ている事かと思います。実は2019年に始めてGMとして働き始めて最初のFeedbackの時にチームメンバーの一人からその人のしてきた仕事内容がしっかり網羅されていなくて万が一今年会社辞めるってなった場合不満足な内容だというコメントをもらった事があります。ここは本当自分の認識不足が原因でそれ以来本当に考えてコメントも書くようになりました。

評価準備編

可能なら一人ずつワードや何かを用意して、実績だなと思った事をメモしておく癖をつけておくと良いと思います。とは言え、それはボスの自分からの視点なので、本人から今年の達成した事について考えてもらって送ってもらうようにしましょう。結果双方の視点を入れてレビューを書く準備に入れます。また、年の途中でポジションを引き継いだ時は、前任者からその時点での評価とレビューを時間を使って書いてもらうようにしましょう。また会社もその程度の事をしてくれるようには辞める人との関係性を維持できるようにした方が良いと思います。

評価記載編

メインメッセージから書き始めて、ボトムアップで書かない

レビューが永久に残る記録である事を考え、大げさにしたり甘く書いたりしない

数字、事例、具体的な行動を書き、自分の印象や考えとは完全に分ける

まずはレビューの重さを自分でしっかり認識をして、適当に書かない事。また意見と事実を分ける事をしっかりとしていきます。特に二つ目の甘く書きすぎないという事については、もしその人が今後パフォーマンスを上げられなかった場合、甘いレビューを書いてしまった人の評価基準の信頼性に関わってきます。また、自己評価との差もこの段階で明らかになると思うのでどうコミュニケーションを取るのかも考える日露があります。

コミュニケーション編

レビューを伝えるするだけでなく、相互的に認識の差を埋める

相手が感情的になる事を恐れず、想定し受容する

評価準備編で本人のレビューを書いてもらっているので相手の期待がある程度分かっていると思うので、それに従い感情的になった場合にしっかりと受け止め、望まない退職等がないようにしっかりマネジしていく必要があります。


さて、評価の季節をしっかり準備して乗り越えていきましょう。

2021年11月14日日曜日

キャリア上充分にフラグが立ったと判断されるのは約五年


 

先日、前職のリーダーシッププログラムを卒業して色々採用している友人たちと人事の仕事をしている人たちと話をしていたのですが、まぁこれくらい経験積んでいれば、ある程度経験積んだよねと判断して良いのはどれくらいかねという話になり、五年くらいじゃないのかということになりました。MBAの就職活動においては、業界、職種、地域の3つを軸として頻繁に議論される事が多いですが、今回は職位も加えていきたいと思います。チームメンバーのマネジメントをしないで働いている場合とチームメンバーのマネジメントをしている場合だと大きく違ってくると思うので。

採用時の少し具体的な話をしてみると、下記の要素の中でまずそのポジションに対するフィットを見て、それから良いパフォーマンスを上げてきたかどうか、再現可能かどうか、文化に合いそうかという点を分けて考えていきます。

  • 業界
  • 職種
  • 地域
  • 職位
この4つをなぜまず最初に見えるかと言うと、ここが当たっていればいるほど、成功の再現性が高く、本人の認識との間にギャップがないので突然辞められたりするリスクが少ないからだと考えています。"been there, seen that, done that" と言われるように実際に経験していない事は採用される側からしても結構な想定外の事が多いと思います。そういったリスクを防ぐためにある程度は重なりのある経験のある人から採る事が多いです。ちなみにこういったそもそもの検討の俎上に乗らない人は誰か知り合いを見つけてせめてCVを見てもらうプッシュをしてもらう必要があります。

その後、CVがある程度スクリーニングされてからですが、どの程度の経験を積んでいるのか、どういった成果を出してきているのかを着目して、面接等で聞いていきます。特に安心して成果を出して欲しいと思ったら、複数回ビジネスのサイクルを回している、つまり多くの企業では複数年度に渡って責任を持っている事が大事だと思います。少なくとも3回くらいはサイクルを回して典型的な失敗を事前につぶしておいたり、少し余裕を持って仕事を回せるという状況に達している事が必要でしょう。
なのでちゃんとキャリアが伸びていたり結果が出ている場合は少なくとも3年、そうでなければ5年程度経験を積んでいると、まぁ大丈夫なんじゃないかなとポジティブに思ってもらえる段階になると思います。

12月卒業のMBAの学生の方はキャリアのことを最終決定する時期かと思いますが、今のところの感覚としては、5年くらいは卒後のキャリアに一貫性を持たせておかないと充分経験があると判断されない可能性があるよという示唆もありますね。
個人的な感覚としては、そろそろMBAを卒業して丸六年になるのですが、日本人である事を売りにしないでマネジメントキャリアを作りたいと思っていてひとまず一旦それくらいの位置には到達できたかなと思って、その背景を共有する意味を含めて書いてみました。

2021年11月6日土曜日

リーダーシップの型



最近テニスに多くの時間を使っていて大体週に5−6時間くらいはテニスをしています。そんな中でシンガポールは今二人までのグループでしか活動が許されていないために週末は頻繁にシングルスの試合をしている事が多いです。去年から始めたテニスなので勝ったり負けたりなのですが、その中で感情をうまくコントロールできなくて、負けてしまう事を何度か経験しています。そういった時に、例えば「バックハンドは膝を落として腕を伸ばして構えて、左手を主に使って振り抜く」といったようにいわゆる基礎に立ち返って目の前の一球一球に集中すると良い傾向がある事もわかりました。

同様に仕事においてもコミュニケーションが一番大切な仕事の中で最近は型を使ってある程度の方向性を決める方が良いのではないかと思うようになりました。全てを型に嵌めるわけではないのですが、状況、相手、課題等をそれぞれ分析して自分の持っている型の中で良いものをまず選んで考えてみる。それから少し頭を切り替えて適切なのか自分の感覚で捉えてみるというステップを踏む事でうまくいくような気がしています。

具体的な型なのですが、自分と相手の性格の傾向においては、MBTIだったりInsightsと呼ばれる4つの色で分類するという方法を使い、状況や相手のケイパビリティにおいては、Situational leadershipを使うようにしています。正直どのツールが良いかは個人の趣味なのである程度受け入れられているものならなんでも良いと思います。

具体的な事例としては以下のような流れです。
状況: 自分は得意でチームメンバーが不得意な分野で新しい仕事を教えつつ育てている状態→Situational leadershipの基本方針を選択
自分: Insightsでは赤で、結論から言ったりより大きい仕事は報酬だと思うタイプ。この分野は得意。
相手: Insightsでは青で、秩序だって分析的に進める事が好き。またこの分野は苦手。

コミュニケーションの案
ミーティングをセットする時に、大きく話す内容を伝えておき準備して欲しい事についても事前に説明し、心も準備してもらう。
自分としては新しい仕事は報酬と思うタイプではあるものの、相手に取っては違うためこの仕事をするとどういった良い事があるのかを順序立てて明確に説明する。
苦手な内容をどうやって得意になっていくのか段階に分けて準備し、説明、各チェックインのポイントまで明確に説明する
自分自身で考える時間を与えてそこから質問を受ける

といったような形です。例えば、相手が楽しいことが好きな黄色だったらブレインストーミングから始めて一緒に作り上げていくようなプロセスを考えたりします。

上記のコミュニケーションの案ができたら、一度型を忘れて良いのか考えたり相談したりしてみる事で少しずつ精度が上がっていくのではないかと思っています。熟練の人は守破離の中で型を破って離れていっているのかもしれないですが、自分はまだ型を覚えその中で最良の結果を目指していく段階かなと思います。ちなみに、型が使えないなと思うようになったらどうするかっていうと新しい型を作っていけば良いんだと思いますが、そちらは本当次のステップですね。