2021年7月31日土曜日

職場におけるピグマリオン効果

 

"I want you to be successful. How can I help? I know you will be successful." とお世話になっている元大ボスはいつも聞いてきます。それは一つの会社で大ボスだった頃、彼が転職して別会社の大ボスになって自分がついていった後、彼が色々な事情でその会社をやめて会った時もいつもこの質問を受けます。この会話をした後はやる気が出て頑張ろうと力が湧いてきます。

このボスとの会話を分けて考えてみると、2つの要素がある事が分かります。一つは「ピグマリオン効果」、「Servant leadership」です。後者については別途記事を書く予定ですが、今回は前者について焦点を当てて書いてみようと思います。

大変権威のあるソースであるWikipediaによると

ピグマリオン効果については、人間は期待された通りに成果を出す傾向があることの現れとされ、1964年にアメリカ合衆国の教育心理学者ロバート・ローゼンタール英語版によって実験された。 ピグマリオンという名称は、ギリシャ神話を収録した古代ローマのオウィディウス変身物語』("Metamorphosen"、訳に『転身物語』とも)第10巻に登場するピュグマリオン王の恋焦がれた女性の彫像が、その願いに応えたアプロディテ神の力で人間化したと言う伝説に由来する

という事になっています。ざっくり言うと、期待をするとパフォーマンスが良くなるっていう話なのですが、特に大人になってから思うのが、なかなか人に褒められたり、期待してるよって真正面に言われたりすることは少ないと思うんです。そんな中でちゃんとそういった事を伝えていく事って大事なのかなと思います。

このコンセプトを考える上で、Self-fulfilling propheciesについても少し書きます。日本語だと潜在意識や自己暗示と呼ばれる考えなのですが、ピグマリオン効果は期待をちゃんと伝える事によって本人の潜在意識に働きかけパフォーマンスを上げる方法です。実際にHBRの記事その他の論文で実例が紹介されています。

じゃあ、実践としてどう使うかという話なのですが、例えば、1 on 1のミーティングのクロージングとして、中長期的なゴールを確認すると同時に伝える方法なんか良いんじゃないかなと思います。大事な事は、表面的に伝えるだけではなくてちゃんと自分自身も信じて伝える事、何度も繰り返し伝える事だと思います。

2021年7月24日土曜日

Bamboo Ceilingについて【入門編】



突然ですが、Bamboo Ceilingという言葉を知っていますか?一般的なビジネスパーソンだったら、Glass ceiling/ ガラスの天井という言葉は知っている事が多いと思います。 ガラスの天井とは著名なウェブサイトであるWikipediaによると「資質・実績があっても女性やマイノリティを一定の職位以上には昇進させようとしない組織内の障壁を指す」そうです。こちらはもう長い間言われていて全世界的に問題になっている事なので、知っている事だと思います。こちらと似たコンセプトでアメリカにおいてアジア人は有意にSenior leadershipと呼ばれるポジションに少なく、より細かく見て東アジア人(中国人、日本人、アジア人)と南アジア人(バングラディシュ人、インド人、パキスタン人)を比べても有意に東アジア人のSenior leadershipに占める割合は少ないというものです。このコンセプトはただ感覚的に言われているだけでなくJackson G. LuのWhy East Asians but not South Asians are underrepresented in leadership positions in the United Statesでデータとして証明されていたり、Executive CoachであるJane Hyunの著書にも示されたりしています。

自分は今まで、米国に本社がある企業と英国に本社がある企業で働いてきましたが、アジアパシフィックのトップとしてグローバルの取締役にいる事はあっても、その他の昨日の取締役で東アジア人を見る事はあまりありませんでした。(今の会社はちょっと特例で本当色々なバックグラウンドの人がいて多様性に富んでいるなぁと内側から見ていても思います)

こちらの渡辺寧さんというボストンコンサルティンググループで働いていた方の記事を参考にしつつ読んでみると偏見、モチベーション、アサーティブネスという要素が違うという説明があります。これは結構納得感が高くて、東アジア人はアサーティブネスが低いのは体感としても分かると思います。

渡辺さんの記事に結構考察は書いてあるので、詳しくは読んで頂いて自身のボスとの議論からの最近の考えている事を少しまとめてみると

  • 東アジアでは調和を元に進めて行く事が評価されるが、実際に自分の所属する多国籍企業においてどういうリーダーシップスタイルが評価されるか考える必要がある
  • 東アジアだけでキャリアを進めていくと評価されるリーダーシップスタイルが固定化してしまい、本当に天井にぶつかる
  • そもそもどこに着地したいのかをビジョンとして考える。例えば東アジアのリーダーになるのであればそこで最適してしまうのもありだし、効率的そう

というところでしょうか。この問題は自分自身も考え始めたところなので、もう少し書籍や論文を読んで考えてみようと思います。今回はとりあえず紹介まで。

2021年7月17日土曜日

キャリアのピボットの例2)コンサルタントからジェネラル・マネージャーになった例

 

以前の記事でキャリアから日本の縛りを無くす方法という記事を書いたのですが、今回はコンサルタントという実はP&Lオーナーから遠いアドバイザーの仕事からどうやってピボットしていくのかというキャリアのピボットについて書いてみようと思います。今回の例は複数人の例を組み合わせて書いています。今回の書いているコンサルタントとは文字数の都合からコンサルタント(戦略)と書いていますが、マネジメントコンサルタントを前提に考えてくれると良いと思います。色々な業界のマネジメントの課題を解決するアドバイスをする立場からどうやってピボットをしていくのかという例です。

今回のピボットですが、業界の軸と職種の軸で切ってみました。本当は地域の軸もあるのですが、それは自分自身で考える場合に加えてみると良いと思います。その中で今回は四段階のプロセスを経てジェネラルマネジメントになる道を示しています。

おすすめの考え方としては、一番右上を理想とした時にどのような条件を満たす必要があるのかというゴールから考える事です。挙げればきりがないですが、簡単なところから挙げてみると

  • 業界知識や顧客との関係(少なくとも関係構築の経験)
  • 社内における信頼
  • 営業チームを率いる事ができるリーダーシップ
  • P&Lを管理する知識、経験
といったものが挙げられます。その中で、少しずつチェックボックスを満たすようにジリジリピボットして満たす方法を考えます。

  1. コンサルティングなので多くの業界に触れるところ、社内で特定の業界のプロジェクトやPractice Areaの勉強会を開催
  2. 行きたい業界の戦略寄りのポジション(分析等もあり)に転職し、社内における信頼を構築し始める
  3. 戦略寄りのポジションからマーケティングのポジションに移り営業を動かす経験を積んだり、もしくはそのまま営業マネージャー等のポジションについて営業としても実績と経験を積む
  4. そこからジェネラルマネジメントにピボット
と、こうやって見ると長いプロセスですが、採用する側からすると一つ一つのステップは無理が少なくリスクは少なく感じます。事前に多大な信頼を受けていて、大きなリスクを取ってでも未経験者を責任ある立場につけようという人がいない限りは上記のステップは結構現実的だと思います。例えば、最初の転職の際にトップマネジメントと将来についても合意して少しずつ動いていくような方向性を合意しておくと良いかもしれません。

ただ、現実的には多くの場合そういったスポンサーと呼ばれるマネジメントの人は上記のキャリアを進んでいる間にいなくなってしまう事が多いので、ここに書いたように不確実性を管理してうまくリスク管理をしていけると良いですね。

2021年7月11日日曜日

コンプライアンスの失敗は取り返しがつかない事が多い



最近Twitterを見ていたら、米国西海岸のMBAを出た人が仕事に役立つエクセルのテンプレートをDMにて配りますと言っていた内容が実は他の人が作ったもので、本人から指摘をされ、謝罪をするということがありました。今回はこういった事を含む倫理法律コンプライアンスを守ることの大切さについて書いてみたいと思います。コンプライアンスとはここの文脈においては、業界のガイドラインやプロモーションコードも含みます。


人物評価=【能力】×【コンプライアンス】でコンプライアンスは0か1で評価される
これはちょっと言い過ぎだと自分でも思っているのですが、仕事の能力は0から100までのグラデーションで正規分布しているイメージです。また仕事の能力は仕事の性質、環境、人間関係等によって結構変わってくるのでとある場合では90だった人が他の場合では40になることも十分ありえると思います。ところが掛け算のもう一つの項であるコンプライアンスは違反するかしないかそれだけです。違反してない人は1のまま維持をしていて違反した人は0になります。

コンプライアンス違反をした人は今後もする可能性が高いと思われる
コンプライアンスは基本的に適切な競争をするためにあると思っていて、そういう違反をするような人はそんな状況から逃げて不適切なショートカットを見つけてしまい、かつ実施してしまうのではないかなと仮説を持っています。そういったマインドセットを持っている人は二回目以降も同様のことをする一線を超える可能性があると思われてしまうでしょう。

コンプライアンス違反自体が会社全体への悪影響が大きく会社から避けられる事が多い
ニュースを等を見ていたらわかることだと思うのですが、コンプライアンス系の違反は会社へのペナルティが起こったり、大きくブランド価値を棄損したりする可能性があります。マネジメントとしては、そう言った人を雇う訳にはいきませんし、高いポジションになればなるほどより強いコンプライアンス意識が必要になってくるでしょう。

流されやすいタイプ(特に大学生)はコンプライアンスに厳しい環境を選ぶべき
新卒の企業で全ての考え方が決まるとは思っていないですが、コンプライアンスに厳しい企業とそうでない企業というのがあって、厳しい環境にいることで自分を守ることにもつながると思います。こう言った質問は会社や本人に聞いてもわからないと思うので、信頼できる社会人の先輩とかに質問して深く相談できるようになると良いですね。

別途どこかで書いたかと思うのですが、多くの業界において仕事はスモールサークルで回っている事が多いです。仕事のパフォーマンスによる信頼は積み重ねによって築いていく事ができると思いますが、コンプライアンス系の失敗をするような人は今後のリカバリーが本当難しいのでちょっとしたミスが将来へのキャリアのリスクになることを十分意識していきましょう。

追加で思った事1
コンプライアンスの失敗をするような人は1か0で全く信頼できないという事を書いたのですが、社会全体としては大きな失敗をした人に対しても再度機会を与える事が望ましいと思っています。もしかしたら公器と呼ばれるくらいの大きさの企業を運営するようになったとしたら、こういった考えは変わるかもしれないです。

追加で思った事2
MBAってEthicsって授業結構あると思うし、人のコンテンツを盗作するPlagiarismについては、退学の恐れもあるのでしっかりと説明をされてきていると思うのですが、それでも一線を超えてしまう人というのはいるので、後付けで勉強する授業みたいなものは効果が限定的なのかもしれないですね。



2021年7月3日土曜日

トップマネジメントにも営業って必要?

 

「Keni、今の会社でのポジションも非常に魅力的なのは分かる。ただ、それ以上の責任を早く持つ機会を提供できるからもう少し考えて欲しい。」とBugisの和食屋さんにて会社を辞めて転職していった上司の上司だった人が熱心に新しい会社に来るように説得してきました。「知っていると思うけれど、自分は営業出身だし諦めは悪いからまた話そう」と言われて数カ月後、自分はオファーレターにサインをして転職を決意する事になります。

と今回の話では採用に関する事を当時のアジアパシフィックの代表が営業的な態度を持っていたという話ですが、最近読んだWhen CEOs Make Sales CallsというHBRの記事があり、記事によるとCEOが営業に対する姿勢で営業も利益率も差が出てくるというものでした。簡単に記事をまとめてそこから考えた事について説明しようかと思います。


【記事のまとめ】

  • CEOを営業に対する姿勢で全く関わらない人を一分類として、ビジネスサイズにより関わるかどうか、関係性を築き上げるかどうか、という2つの軸で5つの分類
  • 5年のCAGRを見ると、売上、利益率双方において2つの軸で共にアクティブだったグループ(Growth Champion)が約9%ほど伸びているのに対し、営業に関わらないグループでは成長がほぼ無い
  • 分析の結果、全てのCEOが営業に対してもっと積極的になるべきか?必ずしもそうではなくて、顧客に対する営業としてふさわしい場合は役割を社内で担わせるべきであり、状況を踏まえた上で手法を選ぶべきである
  • Growth Championとは?
    • Compatibility: 顧客との密接な関係性を築ける
    • Availability: 顧客から連絡に対する早い反応
    • Initiative: 当たり前の線を超えて自らリードできる
    • Knowledge: 知識が十分ある
    • Communication Skills: 顧客の言葉を話す事ができる
    • People Skills: チームをリードできる。それにコミットしている。
    • Results orientation: 結果重視主義

【CEOではないものの、マネジメントポジションの人に言える事】
上記を踏まえた上でですが、自分はもちろんこの記事を読んでいる多くの人はCEOのポジションについていないと思います。そういった中での自分なりの理解としてはGeneral Managementくらいであれば営業活動に関してリードしていく必要があるという事が言えるんじゃないかなと思っています。上記のCEOの話はトップマネジメントです。つまりはCEOの代わりに必要な機能である営業を戦略的に置くことができます。ただ、そこまで大きなチームでなかったりした場合は自分自身の営業活動もリソースとして考えて適切に時間を分配して使っていくべきだと考えています。つまりは営業活動に関してある程度経験や結果がある。もしくは少なくとも嫌だと思っていない事が大切な要素でしょう。