2022年4月30日土曜日

東南アジアにおいて販売代理店と働くデメリット



いうことで今週は代理店と働くデメリットについて書いていきます。

正直この辺は前回の記事の裏返しの側面もあるのですが、まとめて書いていきます。


1. 現場の状況がつかみにくい

代理店から最終顧客への販売高や具体的な顧客名等がつかみにくいです。もちろんある程度シェアするように合意をして契約にサインをする事は可能だと思いますが、相当契約時に握っておく必要があり自社に力がないとなかなか情報を直接得る事は難しいでしょう。

2. 利益率が下がる可能性がある

もちろん構造によって異なってくるとは思うのですが、利益率が下がる可能性があります。もちろんその利益分にて代理店が営業やロジスティクスやカスタマーサポートまでしていると考えれば付加価値によって利益が移転しているだけなのですが、売上が大きくなるにつれそういった印象は増えてくるだろうと思います。売上が大きくなるとどっかのタイミングで自分で投資をして機能を自社で雇ってしまった方が早いタイミングが出てくると思うので。

3. 自社製品に集中してもらえない可能性がある

代理店によっては同じ製品カテゴリーに複数ブランドの製品を扱う事があります。そういった場合、リベートや様々なサポートによって自社内のインセンティブ設計をしており、結果的に自社製品に対して集中してもらえない可能性が結構あります。

4. コントロールが効きにくく、予想がしにくい

多くの企業においては四半期ごとに目標があると思います。ただ、その四半期ごとの目標は代理店にとって特に意味があるものではありません。そんな中で代理店に対する販売を管理して安定した目標を達成しようと思うとリベートで動機づけしたり色々と仕組みを設計して導入していく必要性が出てきます。


と、まぁ色々とメリットやデメリットはあるのですが、ちゃんとした信頼関係を構築できれば販売代理店と一緒に働くのも戦略の一つとして十分あり得る選択肢だと思います。

2022年4月23日土曜日

東南アジアにおいて販売代理店と働くメリット


 

今日はちょっとリーダーシップ系じゃなくて代理店か直販なのかという意思決定について書いてみようかと思います。

これは本当難しい意思決定でスパッと決められることは本当多くないのですが、それでもなぜ代理店と一緒に働く必要があるのかについていくつか書いていきます。


1. 営業的側面:迅速な営業ネットワーク構築や政府案件への参加

自社のスタッフを雇って育ててってゼロからしようとすると営業のスタッフ、顧客の信頼を勝ち取る、などなどかなりの時間がかかります。時には一年以上かかったりすることもあるでしょう。そこが代理店の既存のネットワークに乗っかることで迅速に商流に乗せることができます。また土地が広大だった場合などに市場は小さいものの面積は広いっていう場所をカバーしようと思うと自社製品だけだと経済性が成り立たず、カバーできないものの代理店で複数ブランドの製品を扱うことでどうにか成り立つっていうこともあるでしょう。最後に例えばマレーシアは政府案件に入札しようとすると多国籍企業が条件を満たすことが大変難しい条件があったりするのですが、代理店によってこういったことは解決できる可能性が高いです。

2. 財務的側面:代理店がキャッシュフローのクッションになってくれる

東南アジアのどういった国かによるのですが、中には支払いが半年とかになる国があります。直販で厳しいルールを課す多国籍企業だとすぐ販売停止、ブロック等の対応をしてしまいがちですが、そういった商習慣のギャップを代理店に埋めてもらうということも可能だと思います。

3. 投資的側面:法人を立ち上げずに市場に参入できる

法人を立ち上げようとすると本当さまざまなコストがかかってきます。長期的にはビジネスが伸びればリターンがあるとは思いますが、なかなか初めての国だと意思決定が難しいと思います。そんな状況の中で販売だけして後の機能は代理店に担ってもらえるビジネスの方法はパイロットとして本当最適だと思います。


と、とりあえず今週はメリットだけ。来週にデメリットも書きます。

2022年4月16日土曜日

SelflessnessとSelfishnessのバランス

最近Manager一歩手前くらいのチームメンバーに対して定期的にトレーニングをしているのですが、スキルとか経験とかとは別に結構大きなマインドセットの差があるよなぁと思ったので、それについて今の考えをまとめておこうと思います。

自分が責任を持っているのは、研究開発と生産以外なのですが、特に営業のポジションはManagerに上がる時に少しハードルが高くなる事が多いなと思っています。具体的には、リーダーになるためにはSelflessnessという自分を少し抑えてチーム全体の事を考える事があるのですが、営業として結果を出すためにSelfishness: 自分を前に押し出す必要があるためその移行を意図的に試みないと苦労する事が多いです。

少し、2つの言葉の自分の中の整理を加えておくと、Selflessnessとはチーム全体が成功するための態度の事を書いています。マネージャーになってくるとチームメンバーの一人一人が結果を出していく事が大切になってきます。マネージャーの成功とはマネージャーが称賛を浴びる事ではなくチームメンバーが称賛を浴びる事なのですが、そういったマインドセットを持つ事をSelflessnessだと思っています。ただ、先に書いたように営業として結果を出していくためには自分をどんどん押し出し、ある意味他の人を押しのけていく必要があります。そういった態度がちょっと響きが悪いですが、Selfishnessだとここでは書いておきます。

多くの場合、チームメンバーの段階から正式ではないポジションでリーダーとなるようなマネージャーへの移行期の期間があると思うのですが、そういった時に自分を押し出しすぎず、でも個人としての結果を出し続けるというちょっと難しい移行期間が必要でそういった移行期間に適切にボスがメンタリングする必要があるんだよなって事でこんな2つの態度の事を書いてみました。

2022年4月9日土曜日

未来のCVを作る

4月になり、日本では新しく働き始めた人もいるかと思いますし、新しいポジションで仕事が始まった人、転職した人などもいるかと思います。こういった転機の時だからこそちょっと先まで考えてみて未来へ向けて少し計画を練るのに良い時間かもしれません。なので簡単にどう言ったことを書くのか少し自分なりの考えをここに書いてみようかと思います。

はじめに行きたい方向を仮でも良いから決める

まずはざっくりでも方向性が分かっていないと困るので、今のキャリアの先にどういう人がいるのか、それを抜かしてもどういう人になりたいのかを決めることが大切です。これが決まらないから困ってるんだよっていう声はあるかと思うんですが、それでもどうにか決めることをお勧めします。どうしても決まらないような社会人二年目くらいまでの人はなるべく選択肢が広がる、もしくは維持できることを選ぶことは悪くはないと思いますが、それでも何かに決めてしまった方が実は選択肢が増えるっていうこともあると思うので、仮にでも選んだ方が良いです。

情報収集をする

行きたい方向が決まったらどういう道のりがあるのか調べます。LinkedInを見てみたり、尊敬できる人のキャリアをみて見たり、先輩に話を聞いたり、などなど色々と方法はあると思うので、2-3パターンくらいの道筋を作ってみることを勧めます。また、5年10年くらい先にいる先輩に壁打ちになってもらって現実的かどうかをチェックしてもらえるようにすると良いと思います。ちなみに、いきなりLinkedInで突撃しても丁寧なメッセージだったら結構多くの人が返事くれるんじゃないかなと思います。

CVを書く

今までのCVはあると思うので、それを前提に三年後に何をできていたら理想なのかをかなり具体的に書きます。例えば

  • Led the PMI of fortune 500 company as a project leader
  • Managed 50M USD revenue P&L and 48 team members
みたいな感じで整理して書くと良いと思います。これ結構冗談ではなく可能な限り具体的に書く事が大事です。この時あまりにも非現実的な事、つまり現在の仕事の延長線にない事を書くと意味がないのでその辺のリアリティチェックもしましょう。もし延長線上になければ、異動か転職を考える必要があります。

社内での仕事との調整

社内の目標があると思うので、可能な限り自分の持っていきたい方向と合わせて自分が目標を達成する事で会社にメリットがあるという状態を作るようにしましょう。おそらく多少のズレは出てくると思います。そういった場合は、他のチームとのコラボレーションとかって名前にして会社のOKは取っておき、追加のプロジェクトを自分で行う事で自分の未来のCVの現実化を図る事をお勧めします。

おまけ

ちなみに、ちょっと余談を書いておくと、未来のCVを書くと言いつつ、ちょっと遊びというか偶発的な要素を含めるような余裕を持っておくと良いと思います。イメージとしては80%くらいのキャパシティで目標に向かって進みつつ、20%くらい何か理由は分からないけれど面白そうなものに時間を使えるようにすると良いと思います。想像のつかないような未来に対して偶然な点を打っておくような感じでいると良いと思います。ロジックで決めた事だけしていると面白くない人物や人生になってしまうと思うので、そういうセレンディピティを入れられる余地を持つということを大事にしていきましょう。

2022年4月2日土曜日

番外編<大学院留学の奨学金を3倍にした方法



先日友人夫婦が大学院の留学する事になり、奨学金が10k USDしか出てなかったところを少しアドバイスをした結果三倍近くまで増える事になったらしく、どう言ったことに気をつけて交渉をした方が良いと伝えたのかについて書いてみようと思います。普段のキャリアの話と違ってその一歩手前の大学院の留学の時の話になります。

はじめに: 心構え

最初に大切な事なのですが、全ての事は交渉可能であると理解して、それを堂々と主張することに何の問題もないと思うようにしましょう。特に今回のような奨学金の交渉の場合、あまりにひどい態度や非常識なリクエスト(全額無料にして欲しい)などでなければ、特に失敗してもリスクは限定的です。なのでダメもとでも言ったもの勝ちだと思ってください。

タイミング

次にタイミングについてですが、入学が確定する前に応募する形の奨学金でない場合はオファーが正式に出てからが良いと思います。逆にそのタイミングでないとあまり意味はないです。また大きな理由としては、オファーをもらったタイミングからは受験者が意思決定権利を持ち強くなるからです。

事前準備: 情報収集

さて交渉に入る前に、いくつか事前準備をするようにしましょう。過去の学生の実績から情報を集めて、以下の論点を理解することが大切だと思います。

  • どういう要素が交渉可能なのか
  • 交渉可能なレンジはどれくらいか
  • どういった理由や人が受け入れやすいのか
  • 意思決定者は誰でKPIは何か
  • 自分から何を提供できるのか
どういう要素というのは奨学金と言いつつ、現金をもらう事、学費を免除してもらう、他にも寮を割引してもらうなどなど実は様々な要素があります。そういったどのような要素が交渉の土台に乗るのか調べましょう。金銭的なメリットではなくて例えば授業を取るためのポイントや留学の枠など優遇措置があり得るかもしれないですよね。また過去の事例から問題のない範囲はどれくらいでどう言った人が奨学金を受け取っているのか考えると良いと思います。多くの場合より平均賃金の低い発展途上国出身の人に出やすいとは思うのですが、同じようなストーリーを作って説明したら日本で働いていた人でも通る可能性はあります。最後に誰がどう意思決定するのか、また彼らのKPIは何かを考えることが大切です。アドミッションオフィスの人だったらオファーを出した人の入学する割合等になってたりする可能性も高いのではないでしょうか。そうしたら、奨学金をもらえたら必ず入学しますと伝えている人の方が奨学金をもらえる可能性は高いと思います。最後に例えば学校に対してアンバサダーとして日本でのブランド向上に取り組みたい事などを伝えると良いと思います。

事前準備: 自分のゴールを決める
要素毎に理想的な最低限受け入れられる範囲と各要素毎の優先順位を決めます。こちら意外と自分を理解していない人が多いのですが、何を欲しいのか明確にしておく事が大切です。交渉中に迷っている時間はないです。

事前準備: 欲しい奨学金のロジック強化と感情面へのアプローチの準備
自分のゴールが決まったのであれば、なぜその金額が欲しいのか正当に聞こえるようなロジックを作ってみるようにしましょう。例えば
  • 他の学校でもオファーをもらっていて、そこの奨学金はより高い
  • 他の学校でもオファーをもらっていて、物価差により出費が多い
  • 自分で準備したお金があったものの最近の円安によって10%目減りしてしまった
などなど自己中心的でない仕方ないような理由を作って自分の欲しい奨学金のロジックを積み上げましょう。という事はより入学が簡単で奨学金をよりくれそうな学校も受けておいて事前に交渉しておくのも悪くない戦略だと思います。
また意志決定者もロジックだけで決めるわけではないので、感情面に訴えるような内容を伝えておくと良いと思います。具体的には相手に好かれて、学校に貢献してくれそうな人だと思わせることが大切です。以上を踏まえて伝えたいメッセージをきれいに整理して根拠も用意しておきましょう。例えば、友人の場合だと
  • あなたの学校が第一志望で、大好きです
  • でも、他の学校から奨学金ももらって迷っています
  • 私にはこんな困難があります
  • 奨学金を増額してくれたら即決してその日のうちにサインします
とシンプルにメッセージを絞っていたようでした。また、個人的には欲しい金額のちょっと上をリクエストすると良いと思います。30k USD欲しいなら35k USDくらいでリクエストした方が良いです。

交渉中に気をつけること
次に実際の交渉を始めるときに気を付けることを書いておきます。
  1. 可能ならZoom等、最低限でも電話で話すようにする
  2. メールは話した後の議事録としてまとめてフォローアップする程度で使う
  3. 交渉したい内容別での意志決定者の困難さを理解する
1、2は良いと思うので割愛すると、3についてちょっと詳しく説明します。各要素毎に意志決定者が一存で決められるかどうか、どの程度枠が狭いのか等難しさが変わってくると思います。それを対話の中の表情やリアクションから読んでいき自分の最終的なリクエストを決めていくというような意識を持つと良いと思います。例えば、奨学金の全額は多くの場合決まっていると思うので、他の学生とのゼロサムですが、もしかしたら寮の原資は違うポケットなのでより受け入れやすいみたいなこともあるかもしれません。

円安になってきている世の中だし、読んだ方の一人でもより良い交渉ができるように願っています。