2024年4月15日月曜日

より良いブレインストーミング


   さて、前回の記事でブレインストーミングがあんまり意味がないんじゃないかという話をしたと思うのですが、それとは別に結構意味があったなと自分の経験から思うブレインストーミングの方法について紹介しようと思います。HBSの記事を参考にして書いたのですが、著者によるとブレインストーミングに関する広範な文献をレビューした結果であるらしく、特に最初の方の質問だけを抽出するプロセスに意味があるんじゃないかと思っています。

   実際にこのプロセスでした時には、実はそもそも課題だと思っていなかったものの、よく聞いてみたら大事な課題である事が見つかった事もあり、メンバーの問題意識を探る良いプロセスなんじゃないかなと経験から感じました。ただ、一点変えるとしたら時間制限を付ける時に、もう少し長めにして自分一人で考える時間を取り、内向的な人からの意見をより吸い上げやすい方法を取ったりしたら良いんじゃないかなと振り返って考察したりしました。


問題を選択:

重要な問題を選び、その問題について高いレベルで説明することから始めます。これにより、グループの思考を制限することなく、問題を広い視点で捉えることができます。

小グループの招待:

問題について考えるために、小さなグループを招待する。

質問のみを提出する:

参加者には質問のみを提出するように求め、前置きや正当化は許されません。これにより、グループ内のダイナミクスが個々の声を抑圧することを避けることが可能。

時間制限の設定:

4分間の制限時間を設け、その時間内にできるだけ多くの質問を生成します。少なくとも15個の質問を目指す。

質問の分析:

出された質問を分析し、あなたの仮定に挑戦し、問題に対する新しい視角を提供する質問を探す。

新しい解決策への道:

少なくとも一つの質問を積極的に追求することにコミットすることで、期待外れの解決策への新しい道が開ける可能性が高くなる。


   という内容なのですが、ざっくり言うとそもそも何について答えるのかを考えるっていうステップが入っている事が大事なのではないかと思います。これっていわゆる問題解決プロセスの論点を最初に考えましょうっていう話だと考えているのですが、もう少し文献を読んでみて比べて深く調べてみる予定です。

2024年3月25日月曜日

ブレインストーミングはただ実施するだけだと有効じゃないよねって話

   たまたまタイムラインで見かけたので記事にしておこうと思うのですが、ブレインストーミングの有効性について書いておこうと思います。多くの人たちが「ブレストしましょう」 言って話し合いをする経験をしてきているかと思うのですが、実際にその効果や価値があったのか疑問に思う人も多いのではないでしょうか。しかもルールで批判をしてはいけないとしたり、アイデアの量を大切にするべきといったような事もあったりしていて、それを信じた結果本当に意味があるのかという視点が欠けているように思います。とりあえず集まってみて、皆で話してみて、役に立たないアイデアが並んだポストイットでもなんとなく達成した気持ちを味わえる非常に便利なツールになっているんじゃないかなと思います。

   そんな中で論文を一つ引用して説明するとイェール大学での実験で、12人の学生から成る4つのグループがオズボーンのルールに従い複数のパズルを解決しようとしました。対照群として、同じパズルを個別に解決するよう求められた48人の学生がいて、結果は、個人がグループよりも多く、かつより良いアイデアを出すことを示しました。この発見は、他の多くの研究によっても確認されています。つまりは個人がしっかりと考えた方がより良い成績が出ているようです。来週はより良いブレインストーミングのためにどういう条件が必要なのかについて書く予定です。

2024年3月18日月曜日

ネットワーキングのためのネットワーキングの罠

    多くのプロフェッショナルスクールでネットワーキングの授業があると思うのですが、自分自身も何回かネットワーキングに関する授業を受けてきています。以前のブログにも書いたのですが、キャリアの中盤以降になってくると本人の賢さ、経歴、職歴よりも人選が大事になってくるという記事を書きました。まぁネットワーキングをどうするかは詳細までは書かないのですが、受けてきたいくつかのレクチャーの中で強烈に覚えている事があります。

   それは、ネットワーキングは大切だけれど、誰かがあなたがネットワーキングをしているなと思ったら、それはやり方が間違っているというものです。よくネットワーキングをしなければいけないと思っている人がネットワーキングイベントを開催したり、参加したりするのを聞きますが、それは多分あまり良い方法ではなくて何か自分の行きたい方向に向けて一緒に協力するような集団を作ったり、既存の集団に参加する方が有益だろうと思っています。

   ネットワーキングは大事ですけど、ネットワーキングをしているって思われたらダメですねって話でした。

2024年3月11日月曜日

意思決定の理由をメモしておく癖

 

   ポジションが上がってくるにつれ作業をすることから、意思決定をし人に対しリーダーシップを発揮する機会がどんどん増えてくると思います。そんな中で意思決定を自分がし始めるようになってからしておいた方が良かったなと思った癖を書いておきます。単純なのですが、EvernoteやNotionやOneNote等のアプリやノートを使っていつどのような意思決定をしたのかをメモしておく事の大切さです。

   理由の一つは単純なのですが、自分がなぜその意思決定をしたのか忘れてしまうのでメモしておいた方が良いという事です。自分の意思決定を振り返った時になぜそれをしたのかを自分自身で思い出せる事は大切で、時間とともに記憶は薄れてしまいます。そういった事がないようにメモをしておく事が大切だと思います。

   二つ目の理由は言語化できる事です。時に雰囲気や流れで意思決定をしてしまう事があるかもしれませんし、言語化する事で自分自身の意思決定を短期間で振り返る事ができるようになると思います。自分自身の気付かなかったバイアスについて気が付けるかもしれません。実際なかなか決める事が多いとは思うのですが、30秒だけメモを取ってあとで検索できるようにする事は大切だと思います。

   三つ目の理由は、結構現実的な問題なのですが将来自分の意思決定に問題があった時に内部監査や法的な観点から説明を求められる事が出てくるかもしれません。そんな時に記憶のない意思決定よりも簡単なメモでもあった方が自分自身が納得いく説明ができると思います。なので、メモを取る事はそういった点でも有効だと思っています。

2024年2月19日月曜日

議事録という単純な習慣

    以前の会社に勤めていた時にグローバルCEOが各国の重要拠点を回ってミーティングをする習慣がありました。三時間ミーティングをして重要な論点について合意事項とアクションアイテムについて決めるというものでした。(COVID-19以降はバーチャルに変わりました)CEOが車に乗って去って、プレッシャーの多いミーティングも終わって休憩していると、iPhoneに通知が届いてCEOからメールが来た事が分かります。CEOは空港への車の中で合意事項とアクションアイテムについて議事録を送ってきたのでした。もちろん、我々からささっとまとめて送ろうと思っていたのですが、先方から送ってきてくれた事によってCEOからのプレッシャーをメールから感じた事を覚えています。

   多くの企業でミーティングが毎日たくさん行われていると思うのですが、ミーティングの多くの目的は意思決定です。ただしその意思決定をしても実行に移る割合というのは実はそこまで高くないんじゃないかと思います。背景としては日々の重要ではないけれど緊急の業務に圧迫されて忘れてしまう、そもそもミーティングで議論した事を忘れてしまう、などがあると思います。

   そんな中で単純なツールとして使えるものが議事録を取るという事です。取締役会の議事録等と違って、何を合意して何を誰がいつまでにするのかをメモするのですが、それを次のミーティングで振り返る事から始める事によって抜け漏れが圧倒的に減ると思います。これは当たり前の事で驚きはないのですが、習慣として持っている人とそうじゃない人で10年とか経ったら変わってくると思うので若いうちからできたら良いんじゃないかなと思います。

2024年1月22日月曜日

ステレオタイピングを防ぎつつ類型化する方法

   今まで数十か国の人たちと一緒に(正確には国籍知らない人もいるけれど)働いてきた経験から〇〇の人は〇〇という傾向があるというイメージがあったり、INSEADの教授が書いたカルチャーマップにも傾向が書いてあったりします。ただ、実際は中国人でも途中アメリカで教育を受けたり、南アフリカで育ったイタリア人だったり、シンガポールで育ったドイツ人だったりと色々な影響があったりとステレオタイプを持ちすぎる事は大きなリスクがあります。とは言え、全くゼロベースで人に接するというものも難しいので自分はどうしているのかという点を書いてみようかと思います。

   人がどのような人か想像するときに、経歴、教育を受けた環境や想像できるバックグラウンドから想像をすると思うのですが、多くの場合無意識に印象を決めている事が多いと思います。コンサルティングファーム経験者はロジック優位、インド系の人は押しが強い、オランダ人は言い方がストレートなどがあると思います。そういった先入観を良くも悪くも持ってしまう事は避けられるなら避けた方が良いのですが、必ずしも避けられないと思うので少なくとも自分自身どういったバイアスを持っているのかという点を言語化しておくと良いと思います。

   また、全く印象がない場合は関わる相手や似た属性とビジネスの経験がある人などに色々聞いたり、先に挙げたカルチャーマップ等と読んで当たりを付けるのも良いと思います。経験を積めば積むほど先入観に頼りがちになってしまうのであくまでバランスを取っていけると良いですね。