2020年12月26日土曜日

キャリアのピボットの例1)キャリアから日本の縛りを無くす方法

 



先日、シンガポールにすでに住んで働いている日系企業で働く人から相談を受けました。今は、日系企業で特に英語を使う訳でもなくシンガポールで働いているものの、長期的に自分で自分の生きていく場所を選べるようになりたいという事で、現実的にどんな方法がありますかねって事で、プロセスを考えてみました。駐在員の人でたまに長期的に海外にいるのに言語も特にできるようにならないという人の話を聞いて、驚く事があったのですが、ロケーションだけ海外で社内のコミュニケーションも日本語ってなるとこういう事態が起こるのかもしれませんね。

以前のBlogで、キャリアは少しずつピボットしていくのが良いよねって話をしたのですが、その時の内容を踏まえた上で、書いています。すごく乱暴に軸を切っているのですが、付加価値をどう出しているのかという点と企業そのものが日系かどうかという点において分けています。


四象限あるのですが、相談してくれた人の目的は自分で選択できるようになる事という事だったので、選択肢の多さ等を考えると右下の日本以外の事で付加価値を日系以外の会社で出す事が良いだろうなと仮定を置いています。(もちろん日系企業を渡り歩く事だって比較的可能だとは思います。)


左の枠にある駐在員は、比較的自分でコントロールする事が難しく、日系企業の現地採用は比較的給与が控えめなところが多いです。また、右上の非日系企業は日本関連で付加価値を出すという事なので、そういうポジションがあるロケーションが限られてくると思います。金融だとシンガポール、香港、一部欧米の大都市くらいでしょうか。そして、長期的に日本経済の縮小の影響を受け、小さくなっていくパイを取り合う戦いしかする事ができない可能性が高いです。


そういった要素を考えた時に、まずは付加価値を日本関連以外で出してみる。もしくは、外資に一旦勤務してみて、文化に慣れ信頼を築き上げてから次のステップに移るという選択が一番合意的な選択肢になると思います。


という事で、ピボットの例一個挙げてみました。上記の例が必ずしも誰にでも良いという訳ではないですが要素に分けて、少しずつ自分の理想に向かっていくピボットは有効な方法だと思います。

2020年12月19日土曜日

30代中盤以降もファイティングポーズを維持し続けよう

 

働き始めてから概ね10年くらい合計で経っているのですが、周りを見ていると20代の頃はファイティングポーズを取って、一緒に頑張っていたのに気が付いたら、「あれ?同じようなパッションを持っている人じゃなくなったのかもしれないな」と思う事がたまにあるようになりました。


ファイティングポーズを取るって書いてあるのはすごく曖昧なので、言語化してみると目標を下方修正して現状から簡単に想像できる範囲に着地させようとする事と目標の達成のための研鑽をやめる事とここでは言語化しておきます。

例えば、スタートアップで事業を立ち上げて社会を変えると言っていた人が片手間でやっていたはずのコンサルの方がメインになってしまってフリーランス化したり、プロフェッショナルファームでパートナーまでのし上がると言っていた人が同じようなファーム間を同じようなポジションで回遊したりしている事とかはそういった例だと思います。

これはもちろん悪い事ではなくて、人生の価値観は変化するものだし、本人が幸せだったらそれについてどういう言うつもりは全くありません。

観察できる範囲で理由を考えてみると、
  • 環境の変化: 家族の介護、本人の病気等で維持する事が困難になった
  • 価値観の変化: 家族ができたりして、満たされたり優先順位が変わった
  • 自身の能力に対する認識の変化:自分の能力が高くない事に気が付いた
  • その他:そもそもファイティングポーズを取っていなかった
というような事があると思います。

と色々書いてきたのですが、本当に書きたかった事は、意識高いって言われても、無謀って言われても、自分の能力を疑いそうになっても、もし自分にとっての目標があるとしたら、諦めないで泥臭く継続して研鑽していく事で今後も差別化になっていく可能性が高いから諦めるのやめようよ。っていうところです。

変化のスピード時代が早くなって来ている世の中で、自分自身をそれ以上のスピードで変化させていく必要があり、多くの人が諦めがちだからこそ、一度振り返って2021年の目標を設定する良い機会だと思ったので、あんまり深く考えずにTweetした内容をBlogにしてみました。


2020年12月13日日曜日

常に学ぶ側の立場にいる事の大切さ


 

高校や大学の時にリーダーシップとかリーダーとかって聞くと、権力を握って全てを決めて率いていくみたいなイメージを持っていたのですが、少なくとも自分がマネジメントとして出している価値はここの記事で書いてあるように以下のものになります。

  • 意思決定をする
  • 優先順位を付ける
  • 仕組みを作る
  • キャリアにおいて適切な機会とコーチングを提供する
  • リソースを確保する
  • 適切な論点を投げかける
もう使い古された表現なのですが、イメージとしては下記のようなイメージが近く、いわゆるServant leadershipと呼ばれるものが自分の選んだリーダーシップスタイルです。


ただし、実際の構造上色々な権限を持つ事、自分の性格上うまく行っている時は調子に乗りやすい事などから、仕事以外において常に何かを誰かから教わる立場でいる事を大切にしています。意思決定において一番陥ってはいけないと思っているのは自分が正しいと思い過ぎてしまう事だと思っていて、多分概ね正しいと心の中で理解しつつ、チームメンバーに対しては自信を持ってコミュニケーションを取る事が大切だと思っています。

例えば、自分の場合は週二回シンガポール国立大に学生として通いCSの勉強をしていたり、毎日中国語の勉強、週六時間近くテニスの練習をしたりしています。テニスとCSは今年から本格的に始めたためもう本当初心者ですし、CSではたまに大学生未満の知識すら忘れていて、自分の無力感を味わう事も多いです。ただ、こういった「自分は学ぶ立場である」と無力感から感じる事は自分が調子に乗りすぎないために大切だと思っていて、今後も常に何かを学びつつ謙虚になるような習慣を重ねて行く予定です。

2020年12月5日土曜日

雇用契約における交渉 交渉編

という事で前回に引き続いて、交渉編を書いていきます。本当は、個別に色々色々あるのですが、とりあえずざっくりとした内容を書いておくとこんな感じです。

心構え
1. 事前の優先順位を常に忘れない
2. 橋を燃やさない
考え方
3. 金銭、有形、無形に分けてゼロサムでない部分を探し、トレードオフを取る
4. 交渉の要素にどうにかロジックを付ける
最後に
5. 口約束は可能な限り言語化して落とすようにする 

という事で一個ずつ
1. 事前の優先順位を常に忘れない。
こちらは、前回の準備編にも書いたのですが、仕事選びはあくまで手段でその結果何かを達成する、もしくは達成に近づくというものであるべきだと思っています。ただ、交渉を重ねたりオファーをもらえた高揚から本来の目的を見失ってしまう事が多くあると思います。なので、必ず見返して各ステップごとに確認をすると良いと思います。そのためにも言語化は必要ですね。

2. 橋を燃やさない
今後長く働いていく中で、目の前の交渉相手が将来の同僚、上司、もしくは間接的に様々なところで関わってくる事が必ずあります。そこを忘れずに、しっかりと人間関係を構築してそれを長期に維持できるくらいのスタンスを持つようにすると良いと思います。たまに忘れているような人がいて、本当に大切なので一応書いておきます。目の前の数百万円なんかよりよほど信頼や信用の方が大切です。

3. 考え方
金銭: 基本給、ボーナス割合、サインオンボーナスなど
有形: 車や社宅の支給、医療保険、家族への手当など
無形: タイトル、勤務体系、休暇の日数、競業避止義務競業避止義務の期間など
大きく3つに分けて考えられるのですが、それぞれゼロサムである場合とトレードオフの価値が違う場合があります。
例えば、金銭(基本給)はゼロサムで片方がプラスになるともう片方がマイナスになる事が多いです。なので、ここに関しては相当強いロジックを準備する必要があります。
次に有形・無形の部分ですが、会社によっては給与と違って柔軟に対応できる可能性があります。具体的には給与は人件費だけれども、福利厚生は別の予算で管理されていたりして扱いが違う可能性があります。結果的に、給与を上げる事は難しいけれども、手当を増やす事はそこまで大きな問題ではないという会社側の判断ができる事があります。そうすると、受け取る側からしたら、結局金銭的なメリットとしては同じなので片方が手に入れるものと片方が失うものの影響が異なります。こういったようなトレードオフのインパクトが違う要素を対話の中で探り、交渉していく事が近道だと思います。詳しくは、ハーバード流交渉術(名前怪しいですけど良い本ですよ。英語はGetting to yes。)を読むと詳しく書いてあると思います。

4. 交渉の要素にどうにかロジックを付ける
これもう本当当たり前なんですが、いかにうまくロジックを付けるかが大切だと思います。例えばなんですが、経済成長の高い国から低い国に社内異動がある場合に契約を見直すとします。そういった時にその期の多くの時間はもともとの国で過ごしていたので、少なくとも次に給与を見直す時はもともとの経済成長が高い国の給与の伸びをベースにして欲しいという主張はそれなりに理にかなった主張だと思います。ただ単にもっと給与を上げて欲しいというよりベンチマークを置いて説明できるのでより説得的です。

5. 口約束は可能な限り言語化
さて、もろもろ交渉が終わって最後の詰めです。交渉の中でいくつかの内容は口約束で伝えられる事があると思います。例えば、留学費用を将来的に負担するとか、パフォーマンス次第で給与を上げるとかが挙げられると思います。そういった事で伝えられた内容無かった場合に契約に合意をしないようなディールブレイカーだった時はそれを契約に言語化して盛り込んでもらいましょう。もちろん全てが盛り込めるとは思えないですが、ここで詰めを甘くした結果数年頑張ったのに欲しかったものが手に入らないといった事態を避けられると思います。また、準備編で話をしていたように弁護士や他社の人事の信頼できる人に確認してプロセスの仕上げです。

2020年11月29日日曜日

雇用契約における交渉 事前準備編


 最近色々な人から雇用契約における相談を受ける事が多くなったので、ちょこちょこ考えている事をまとめておこうかと思います。大学院ではSalary Negotiationっていう授業があってそれは本当有意義だったのでその内容もちょこっと入れていきます。残念ながら全ての内容を公開する事はないのですが、イメージとしては中級編くらいまでのところを書くつもりです。


という事で、今回は一回目の準備編。準備編とオファー受領後の2つに分けて書く予定です。準備編は面接を受け始める前から面接を受けている途中だと思ってください。会社によりますが、そもそも中途採用になると期待給与をフォームに書かされる会社もあると思います。

先にまとめて書いておくと

  1. 自分の中での優先順位を決める。金銭は第一優先順位とは限らない。
  2. 事前に希望ポジションの給与の目安を調べる。
  3. 意思決定者を見極め、その人と直接交渉する準備をする。
  4. 他のオプションを増やす。
  5. 契約書をレビューしてくれる人を探しておく。
順番に書いていきます。
1. 自分の中での優先順位を決める。金銭は第一優先順位とは限らない。
交渉が始まってヒートアップしてくるとついつい目先の金額が優先順位高く見えてしまう事があります。そして、あとから振り返ってみると実は大事じゃなかったなぁって事を防ぐために、何が大切なのかをリストアップすると良いと思います。例えば、P&Lの責任者になる、チームを持つ、という事に大きな価値を置いていて、そこを手に入れられるなら多少の給与カットも受け入れるという前提を置いていました。

2. 事前に希望ポジションの給与の目安を調べる。
Do your homework. と表現されてもおかしくないくらいの基本動作ですが、こちらを見てみましょう。Glassdoor, Mercer のレポート等を見ると概ねレンジが掲載されていると思います。業界の人事に友人がいたりしたら聞いてみたりとか、どういった方法でも良いので目安を知っておく必要があります。

3. 意思決定者を見極め、その人と直接交渉する準備をする。
当たり前の事なのですが、これって会社によって実は意思決定者が違うのでちゃんと見極めるようにしましょう。一般的には、Hiriing managerが決める事が多いですが、P&Lを管理する人が決めたり、Financeが関わってきたりする事があるので直接・間接的に誰が意思決定をするのかを理解しておくと良いでしょう。

4. 他のオプションを増やす。
交渉は選択肢がない方が弱いです。なので、現在の職業を含めて複数案件を走らせ同じくらいのタイミングでオファーが出揃うように調整しつつ進めるようにしましょう。多くの会社では、候補者をパイプライン的に管理していると思うので、自分もポジションをパイプライン管理しましょう。

5. 契約書をレビューしてくれる人を探しておく。
結構個人的に大切だと思うのですが、自分の雇用契約書は弁護士と人事の経験が豊富な友人に見てもらうようにしています。業界水準から著しく外れていたら指摘し修正、またその会社を辞める際に大きなトラブルにならないように事前にレビューをしてもらう事をおすすめします。

と、まぁ準備しなければいけない事はたくさんあるのですが、個人的に大切だなと思った事についてまとめておきました。次はオファーが出揃ってからのプロセスについて書きます。

2020年11月21日土曜日

型としてleadershipを学ぶ事の意味と落とし穴



最近、会社のトレーニングでSituational leadershipというトレーニングを受ける機会がありました。トレーニングの内容は、チームメンバーを本人のモチベーションの高さとその領域における能力で分類して、適切なアプローチを取っていきましょうというものでした。型としてある程度完成されたものを学んでとりあえずそれを実施していきましょうというコンセプトなのですが、大外れを防ぐ事ができるし、結構有用だなと感じています。ただ、こういった型を勉強していく中で、修正をしていく必要が二点あるなと感じたので、それについてちょっとまとめて書いておきます。


一点目は相手によって、コミュニケーションは変えるべきなので、型を毎回誰に対しても当てはめるべきではないというもの。Situational leadershipにおいては、

  • モチベーションの高さ
  • その領域における能力の高さ
を基準として分類して、アプローチを変えましょうという事でしたが、さらにそこから一歩踏み込んで、相手がどういった事にモチベーションを感じるタイプなのか、今回の仕事や状況をそれに合っているのかという点においても、もう1段踏み込んで見る必要があります。もちろん、これをトレーニングで教えようとするとパターンが大変多くなるので、トレーニングとしては現実的ではないですが、方向性は状況によって決めて、コミュニケーションは相手のタイプによって変えるというような使い分けをして、もっとカスタマイズしていく余地はあるでしょう。

2点目は、型を使いすぎる結果Authenticではなくなってしまう事に気をつけなければならない事だと思います。Alcの英辞郎によるとAuthenticとは以下のような意味なようです。
本物の、正真正銘の、真正の、真の、れっきとした~◆何かが偽物や複製されたものでないことを意味する。つまり、それまで誰も考え付かなかったようなものがoriginalで、その後似たような製品が競って作られる中で、本物の製品として君臨しているものをauthenticで表現する。
この単語はMBAでリーダーシップの授業を受ける中で頻繁に出てくる単語で、作ったものではなく心の底から出てくるものだと考えています。人によって、得意なleadershipのスタイルというものがあって、それを外すと信頼をおける人間だと思われなくなってしまい、leadershipを発揮する以前の問題になってしまいます。そういったleadershipの例としては、以下のようなものがあります。
  • オープンで言行一致している事
  • アイデアがユニークな事
  • 日々最前線を進む事
などなどこういった個人のleadershipは様々な環境や生まれ持ったもので決まっていてそれを発見していく。そのサブとして型を使っていくのが良さそうです。

今度Authenticなleadershipについてもう少し掘り下げて書きます。

2020年11月14日土曜日

キャリアの目標を決めるっていうのは発散と収束のサイクルなのかも




以前のBlogでキャリアの中期的な目標は仮にでも良いから決めてしまった方が良いという話を書いたのですが、最近色々な人の相談に乗ったりキャリアについて話す機会を頂くにつれて、もう1段ふと考える事があったのでここにまとめて書いてみようと思います。

キャリアについての相談内容は大きく二分される
先日、母校の大学一年生に対して仕事やキャリアについて話すための事前打ち合わせをしていて、先生の方から「大学一年生なので将来何をしたいか分かっていない生徒も多いのでそういったところにもアドバイスを頂けると助かります」という事を言われました。まぁ大学一年生なんてそんなもんだよなぁ。あれ、でも新卒の学生も同じようなことを言ってるし、なんならキャリアをそこそこ重ねているはずのMBAの学生も同じように何をしたいか分からないって言う内容で相談を受ける事が多いです。結果、多くの場合はキャリアの目標がそもそも決まってない。数少ない10%くらいの相談事が具体的な手段のアドバイスが欲しいっていうものだと体感的に思っています。なので、キャリア相談は以下の2つである事が多いです。
  • キャリアの目標は何に設定するのかヒントやアドバイスが欲しい
  • 目標は決まっているけれど、具体的な手段の相談に乗って欲しい
キャリアが進むと目標設定を再度行う必要が出てくる

上記のタイミングで、10年とか働いてもキャリアの目標も設定されてない人がいるもんなんだなぁと思っていたのですが、色々考えた時にそれってサイクルなのかなと思ってきました。キャリアを進めていくと、目線や視座が上がってより多くの選択肢や違う世界が見えてくる事があります。例えば、MBAやマネージャー、マネジメントのポジションに就く等はそういった切り替えのタイミングになるでしょう。新しい世界が見えてより選択肢が増えたからこそ、目標も再度発散して、そこからさらに収束していくというサイクルを繰り返していくのが自然なのかなと思っています。
自分の経験を振り返ってみても、MBA中に様々な国での機会に恵まれぐっと世界が広がり、小さいながらCountry managerの仕事に就いてからは、他社から来る転職案内の案件もマネジメントの案件が増えてきたためさらに世界が広がった気がしています。
話は結構変わるのですが、以前MBAの同級生がいち早くAPAC GMのポジションに就いていて、"General manager is a different league." って言っていたのを感じ悪いなーと思っていたのですが、今は十分理解できます笑

キャリアの目標設定は発散と収束を繰り返すという仮説
言葉にしてみると下記のようなサイクルなのかなと思っています。
  • 目標を設定する
  • 達成した結果、選択肢が広がる
  • 幅広い選択肢を検討し目標を設定する
という事で、結論としてはキャリアの目標は仮でも良いから早く決めた方が良いよねって部分は変わらないのですが、常に収束し続けるだけじゃなくて、キャリアは一個突き抜けるとさらに広がることもあるんだなって事を言葉にして書いてみました。

2020年11月8日日曜日

早く意思決定をする立場に立つ事の大切さ


 今月で今の会社で働き始めてから、一年三ヶ月になります。同時にGMとしては一年二ヶ月程度働いた事になります。もう、本当びっくりするくらい色々あった一年間と少しだったのですが、その中でもチームを率いて意思決定をする立場に就く事の重さを思い知れる期間でした。

前職ではシンガポールでRegional Marketingという本社と各国のチームをつなげて、各国の注力プロジェクトを推進していくという仕事をしていたのですが、そこでの経験と比べると自分が意思決定をするようになってからの経験の濃さは桁違いでした。

なぜ、意思決定者とそうでない人は違うのか

原因を色々考えてみたのですが、結局意思決定者の気持ちになってサポートやアドバイスをするという仕事はあくまで二次的で濃度が全く異なるという事だと思っています。もちろん、コンサルタントや社内で意思決定者の意思決定をサポートする仕事の人たちは精一杯当事者の気持ちになって仕事をしていると思うのですが、結局はどこまで行ってもどこかで他人事だったり、気迫のようなものが違うんじゃないかなと思っています。だからこそ、以前書いたブログの記事に書いたようにアドバイザーとして仕事をしてきた人が意思決定をするマネジメントに職種を急に変えるのはかなり大きなチャレンジになるんだと思っています。

具体的に意思決定者とそうでない人たちで何が違うかと言うと、下記の二点に集約されると思います。

  • P&Lの責任を持つ事(投資と目標の責任)
  • People managerである事(チームメンバーのキャリアや成長の責任
この2つの点が意思決定者の違いだと思っていて、ここの重さが一個一個の経験への真剣さや学びに影響してくると自分では考えています。P&L責任を負っている以上失敗をしたら解雇されるリスクは当然あり、People managerであるからこそチームメンバーへの影響は大変大きいです。

早く意思決定をできる立場に立った方が良い
昔、キャリアの先を行く友人からポジションが人を作る。と言われた事を覚えてますが、本当今は実感しています。意思決定の数を重ねた経験から来る学びの濃度は本当桁違いで、若ければ若いほどその時の変化の大きさは将来大きくなっていくと思います。だからこそ、なんとなく流れに任せてキャリアを選ぶのではなく適切にリスクを取って、より意思決定者に近付けるようなキャリアを選んでいく事に価値があると思います。ものすごい賢い人ではなく、自分のように持っているカードをうまく使ってキャリアを切り開いていく人こそ意識できたら多くの人に役に立てると信じてます。

どういう要素があると早く意思決定をできる立場に立てるのか

こちらは過去の記事からの抜粋ですが、今も同様の事を考えているのでここに再掲しておきます。数年後を考えて時に計算されたリスクを取ってマネジメントの道を開きたい人の助けになれたら幸いです。
会社からの評価が高い
  • 経営幹部育成プログラム等で採用(MBAや元コンサル等で見ます)
  • 幹部候補として採用(スタートアップにある怪しげな採用ではないやつです)
  • 強みやバックグラウンドが大きくフィットした場合
会社がリスクを取りやすい
  • 新しいビジネス/ 子会社等を立ち上げ(社内にエキスパートがいない)
  • ターンアラウンド等社内がやや混乱状態にある
  • 小さい国(東欧、東南アジア、等)

2020年10月31日土曜日

心理アナリストという選択肢

以前、プロフェッショナルコーチについてちょこっと書いたと思うのですが、メンターやプロフェッショナルコーチとは別に心理アナリストを雇って定期的に話しています。心理アナリストって何なんですか、っていうと難しいのですが、下記のような役割分担で考えています。

  1. プロフェッショナルコーチ: 社内での自分の動き方の戦略を議論し、アドバイスをもらう
  2. 心理アナリスト:私生活や人生における課題や考えている事を議論する
  3. メンター:公私共に色々な相談に乗ってもらう
1, 2はプロのサービスなので有料でお金を払って定期的に払っていて、3はまぁ課題がある時に相談するみたいな感じです。

元々母校であるIMDというビジネススクールにはPDE (Personal-Development Elective) という授業があり、そこでは1,000分間心理アナリスト(Psycoanalyst)とのセッションを一年間通して行うという内容で授業を行っていました。一年間で新しい勉強を行い、意図的にある程度ストレスがかかるようなカリキュラムで、新しい環境で、就職活動の不安も多くの人はあるという状態なので、そういった環境の中自分を見つめ直す事でleadershipを高めるという目的の授業です。その授業は人によって使い方は様々ですが、私の場合は自己理解が深まり、様々な状況に対して対応するレベルが格段に上がったと思います。

なぜ心理アナリストが必要か
このBlogの文脈でいくと以下の2つになると思います。
  • 自己理解が深まりleadershipがより発展する
  • 私生活の面をより良くマネジできるようになり、仕事への影響が減る
前者はプラスの面なのですが、自己理解が深まると自分がどういった環境でストレスを感じやすいのか、ストレスを感じた時どんな弱みが出てくるのかという点が分かって来ると思います。そういった事を意識的に管理する事でより良い関係性を築けると思います。また、私生活の面でのストレスは仕事にも影響を与えます。そういった内容を第三者に相談する事で、影響を最小化できると考えています。

心理アナリストと信頼できる友人の違い
上記の事はもちろん信頼できる友人でもある程度代替できると思います。そういった人との違いは以下かなと思っています。
  • 相手はプロでかつ仕事なので心理的負担を気にしなくて良い
  • プロなので、どんな事を話しても外部に漏れる心配がない
  • 仕事として自分を理解してくれている
  • 適切な質問を投げかけてくれる
多くの場合、答えを求めるわけではなく自分の中での答えを探す手伝いをしてくれる人という認識なのですが、上記の条件を満たすような友人がいる人はそこまで多くないと思います。そういった状態を解決してくれる良いパターンかなと。

どうやって探すの?
こういった仕事はまだ市場としてちゃんと出来上がっているわけではないので、一つの手はIMDに進学してもらうという事ですが、冗談は置いておいて下記のような人が良いかもしれないですね。
  • 心理学を学んだプロフェッショナルコーチ
  • 臨床心理士等の資格のあるカウンセラーやコーチ
  • ビジネス等の経験がある心理カウンセラー

と、色々書いてみましたが自分の心を自分でモニターしてより良い生活を送るために適切に相談できる人がいる事は価値があって、それがプロフェッショナルサービスでも良いんじゃないかなというお話でした。

2020年10月24日土曜日

組織の中で成果をどう効果的に示していくのか

 

少し前に、システマティックな社内政治というポストを書いたのですが、それに関連して明確に成果が見えにくい職種やプロジェクトをどのように悪い印象を与えず伝えていくかについて書いてみようと思います。

P&L責任を持って数字を達成していくとか、営業で売上を持ってくるとかそういう仕事の人は明確に仕事が結果として出てくるので分かりやすいと思うのですが、そうじゃない職種やプロジェクトも非常に大事で、そういった仕事は多くあります。自分の場合も、東南アジア全体のカスタマーサポート、オペレーション、テクニカルサポートと言われるようなバックオフィス全体の責任も持っているためこういった仕事は結果が明確に分かりにくい事があり、十分理解できます。

そんな中で、じゃあどういう事をしたら良いんだろうっていう事をいくつかに分けて書いて行きます。概要としては
・キーパーソン(多くの場合はボス)と目標に対するギャップとどう埋めるかについて合意
・必要なプロジェクトを見つけ、KPIと共にカウンターパートと合意する
・複数のプロジェクトを作ってポートフォリオ管理する
・ひたすら実行
というような流れで考えています。一個ずつ書いていきます。

キーパーソン(多くの場合はボス)と目標に対するギャップとどう埋めるかについて合意
これ実は忙殺されててできてない人も多いんじゃないかなと思いますが、多分多くの会社が、年次の目標設定をしていると思います。その中で一歩踏み込んで、キャリアの次のステップにいくためには何が足りないか、どういった成果を出せば認められるのかについて合意しておくと良いと思います。残念ながら多くの場合は、成果を出したところで必ずプロモーションできるという訳ではないと思います。でも、少なくともボスが推薦してくれるか、もしくは、なぜ推薦してくれないのか議論を重ねる機会を作れると思います。その際、可能なら定量化しておくと良いと思います。

必要なプロジェクトを見つけ、KPIと共にカウンターパートと合意する
次にプロジェクトを見つけます。人によっては勝手にアサインされる場合があるかと思いますが、可能なら自分自身で社内の比較的影響力の強い人の役に立ち、ボスとの合意の条件を満たすようなプロジェクトを探します。また、その際どういったKPIを達成したらちゃんとサポートしてくれるのかについても合意する必要があります。定量化が難しいと言いつつ、オペレーションでもテクニカルサポートでも何でも定量化する事は可能です。満足度でも24時間以内のレスポンスの割合でも何でも良いのですが、必ず定量化できると思うので、少し考えてみて下さい。また良いリーダーは多くの場合KPIを設定している事が多いです。仮に設定してなかったとしても、むしろ設定してあげる事が付加価値になると思います。

複数のプロジェクトを作ってポートフォリオ管理する
次に上記のプロジェクトを複数持って、ポートフォリオのように管理する事を勧めます。例えば、
・うまくいったらホームランなハイリスクハイリターンなプロジェクト
・ちょっと驚かれるくらいのヒットなプロジェクト
・ここを満たしておけば最悪クビにはならないだろうというプロジェクト
というような形で整理しておくのは一つの方法で、またカウンターパートも分けておく事が良いと思います。プロジェクトを合意してたけど、辞めちゃった。みたいな事は十分起こりうる事だと思うので。

と、色々書いてみたのですが、これって結構な労力なのでできたらコーチだったり、細かいところまで相談できる仲間がいたら一番良いかもしれないですね。自分はこの一年ちょっとのGM生活は、ここまで厳密にステップに則ってやってきたというより、ひとまず生き抜くために必死だったというのが実情ですが、少し余裕が出てきた今はこのような考え方で進めています。

2020年10月18日日曜日

ハイスペックの落とし穴と目標を仮でも良いから決めてしまうという話


 


最近、人生をプロトタイプするというすゝめというnoteの記事を読んで、あー、良い事書いてあるなぁと思ったので、2つの話を書いてみようと思います。


ハイスペックの落とし穴

最近Twitterでちょこちょこ書いてる内容なんですが、以前Blogの記事でプロフェッショナルになるのかマネジメントになるのかという記事を書きました。ここで言いたかった事は、まぁどっちかに決めた方が良いよねっていう話です。色々な相談を受けたり観察したりした結果、キャリアの最初の5−10年くらいでいわゆる一流企業に勤めている結果、落とし穴に落ちて抜け出せなくなってるなぁと思ったので、ここに書いてみようかと思います。

自分の観察している落とし穴というのは、

  • そこまで明確に目標が決まっている訳ではなく
  • 優秀で新卒から給与が高いため、給与が高く
  • 大きなリスクは取らず転職先も給与が高く、世間的に良さそうな会社で
  • 10年とか経ってみると、プロフェッショナルとして領域も絞ってないから専門知識もなく、マネジメントとしての経験も浅いためマネジメントにもなれない

というものかなと思っています。事業会社等の経営企画や戦略部門など少し結果が分かりにくいポジションで、でも優秀だから重宝されて、そのうちにそこから抜け出せなくなっちゃうというイメージです。


目標を仮でも良いから決めてしまおうよって話

上記を踏まえた上で、最初に紹介したBlogの内容になるんですが、人生の目標とかって大上段に構えると決めにくいと思うので、とりあえず仮にでも良いから五年後にどうなってたいかみたいな目標を決めたら良いと思うんですね。ざっくり言うと

  • できるだけ具体的に五年後にどこでどういう事をしていたいか決めてみる
  • そのために必要な行動を始める
  • 目標を色々な人に伝えて味方を作る
  • 違う目標ができたなと思ったら、変える
っていうのが良いと思ってます。どれくらい具体的にするのが良いかというと
  • プロフェッショナルかマネジメントか
  • 業界で区切るのか?その場合どの業界か
  • どれくらいのチームを持ってどういう仕事をしていたいか
  • どこの都市に住みたいか
等をざっくり考えると良いのかなーと思ってます。ただ、今書いたこの4つは本当適当なので、目標の設定の仕方っていう別の記事を後で書くかもしれないです。可能なら誰かと比べない目標の方が良い気がしますね。

もう2020年も気付いたら最終四半期になってきていて、節目に向けて目標をクリっと決めるのに良い時期なんじゃないかなという事でこういう記事を書いてみました。


2020年10月10日土曜日

Feedbackの受け取り方 その2 実際にやってみました

 



先日Feedbackの受け取り方という内容の記事を書いたのですが、そこの記事の中で書いたように新しく担当する事になったマレーシアのチームとOnboarding meetingを開いたので、それについて書いておこうと思います。


元々の背景

元々、東南アジア+韓国のバックオフィスは責任者だったのである程度の関わりはあり、なんとなくKeniという人がいて、どういう人かは認識してもらっている状態です。ただ、たまにミーティング等で出てくるだけなので、そこまでどういう人かは認識していない。そんなタイミングで自分がマレーシアのGMも兼任する事になり、自己紹介ミーティングをしたというような背景です。


Onboarding meeting

本来ならマレーシアなんてすごく近いのでぱぱっと出張してミーティングというのが理想なのですが、中々COVID-19後はそうもいかないので事前に伝えてカメラオンでミーティングをセットしました。初めに人事のDirectorになぜこういったオンボーディングが必要なのか、leadershipとは何かといったような、チームから質問を出やすくするための下準備をします。それから、一旦カメラをオフにして、匿名で書けるアンケートを送付し、30分程度で質問やコメントを送ってもらうという形式を取りました。


セッションの目的

今回の意図は、普通のプロセスを取っていたとしたら深く知る事に時間がかかるところを短くする、誤解されそうな行動の意図を事前に説明する、そもそも人となりを知ってもらえるという事を意図として設計して実施しました。また、同時に前回の記事でも書きましたが、匿名でコメントできるという事で、心理的安全性を担保しています。


もらったコメント

全て公開するわけじゃないですが、

How would you want him to approach differently/ change?

の質問のところに、Listening, understanding, be more considerate, caring 等のコメントが来ていたのでこれはまぁ本当気をつけないといけないなと思います。言い訳としては、Task focusな方向性があるので、そういったところを気をつけないといけないんだろうなと思っています。


まとめ

Onboardingと一言で言っても色々な内容がある中で今回はFeedbackに重きを置いた内容を書いてみました。このプロセス自体も結構要改善だと思ってるんですが、少しずつ変えていけたら良いなと思います。

2020年10月3日土曜日

長期的にチームメンバーに働いてもらうために。


 

最近、チームを引っ張って大変な時期を乗り越えてきたメンバーが辞表を出すという事態がありました。ある程度の人数を抱えていたら、そういう事態は起こるのは仕方ないと言えば仕方ないのですが、それでも一緒に働く機会を得たメンバーに対して長く働き続けてもらう事は大切だと思うので、ここに少し考えた事を整理しておこうと思います。


前提と方向性

シンガポール、もちろん米系の企業において終身雇用という概念はありません。なので、前提として、誰でも常により良い機会があれば他社に転職し、雇用主はより良い待遇、機会、将来への希望を与える事が大切であるという前提を置きます。なので、常にお互いに緊張感が良い意味である状態であると考えています。実際に、他社からアプローチを受けて業界内での転職をする人は多く、転職した方が給与そのものを上げる事は簡単であるため、かなり転職をするインセンティブは大きいです。そんな中で、どう待遇、機会等を与えていくのかを整理していこうと思います。


相手のモチベーションの優先順位を理解して適切な打ち手を。

こう書くと当たり前なのですが、結構難しい事が相手の事を理解する事です。具体的な質問としては、

・現状の待遇に対してどう思っているのか?給与、ポジション、自己評価等

・働く上でのモチベーションは何か?何を大切にしているのか?

という点で分解して理解をする事が大切だと思っています。

色々な職種や性格がありますが、自分の場合は5個にモチベーションを分類して考えています。


0. 金銭

これはもうワイルドカードなので先に書いていますが、金銭的待遇はほぼ全ての人たちのモチベーションである可能性が高いです。そこで理解しなければいけない事は少し待遇上げた事でモチベーションが高まるのか、そもそも現状の給与は業界でベンチマークをした時にどの程度に位置するのかという視点を持っておくと良いと思います。人事にそういうデータベースがあると思うので、もし仮に業界基準より低い場合は人材流出リスクがある程度高いという事が分かると思います。


1. 権限、責任の大きさ

こちらはいわゆる上昇志向の高い人と表現される事が多いですが、例えばマネージするチームメンバーや責任が増える事で達成感を感じるタイプのモチベーションです。多くの場合、話していて表に出てくる事が多いですが、キャリアプランや将来の目標等を聞く事で理解できる事が多いです。


2. 感情的なつながり

このモチベーションを大事にする人たちは、例えば外部だったらお客さんに感謝されたり、内部なら役に立ったとちゃんと実感して仕事をできる事でモチベーションを高めていきます。職場のハーモニーを高める事でモチベーションを高められます。


3. 構造化された仕事のプロセス

このグループの人たちは、想定の範囲内で何かが起こる事を嫌がり、多くの事を事前に準備をしてしっかり進む事で安心するタイプです。社内のSOPをしっかりと整理、職務要件を定義、プロセスに則り進めていく事で安心して働き続けてくれます。マネジメントとしては、しっかりと社内の仕組み作りを行う事でこういった人たちを維持できる可能性が高いです。


4. 楽しくワクワクする機会の提供

このグループの人たちは、何か変化の大きく新しい事を実施していき、また発表の機会を与える事によって、モチベーションを高めてくれます。チームの文化やビジョン等に共感する事も多いタイプと言えます。


このように必ず避けられる訳ではないのですが、上記の事を意識して一人一人今後は丁寧にアプローチしていこうと思っています。ちなみに、1-4には元ネタがあって、Insights personality testというもので自分自身も受けているのですが、非常に有用なので、どこかで紹介するかもしれません。

2020年9月26日土曜日

システマティックな社内政治


 

今日は社内政治についてちょっとまとめてみようと思います。社内政治とかって聞くとすごく嫌な印象があって、自分もそれは同様なのですが、捉え方を変えるだけで意味が違ってくるなと思うことがあったので、その変化の経験も含めて書いていきます。


社内営業って結局は、自分の目標達成のためのツール

上にも書きましたが、社内営業って聞くだけで、引いてしまったり面倒だと思ってしまう人がいるかと思うのですが、自分のキャリアや社内の仕事の目標を達成するために必要なツールだと考えてみるとちょっと見え方が変わるかもしれません。例えば、営業のプロセスにおいて顧客の組織構造、意思決定、キーパーソン等を理解して適切にコミュニケーションを行うことは営業の技術の一つですが、それが社内も含めて営業をするという考えもありだと思います。

実力があれば社内政治なんて要らないという声も理解はできますが、マネジメントになった以上独りよがりの実力がどうとか言って時間を無駄にするなら、自分のチームのために社内も営業して回っていくという方が健全なのではないでしょうか。

また、社内の面白いプロジェクトの機会を誰に任せるかということを決める意思決定者がその人の事を知らなかった場合、当然知っている人より優先順位が下がります。フェアに評価すべきという事はもちろんそうですし、フェアな評価の仕組みを導入する事は大切です。ただ、マネジメントになったのであれば、どう認識されるかまで考えて行動していくべきではないでしょうか。


社内政治もシステマティックに行うことが可能

・ステークホルダーマップを作り、各個人を理解する

まずですが、自分の目標に向けて、どういう人が意思決定に大切なのかを整理してみます。この際そもそも自分の目標が決まってない人は、仮でも良いので一旦決めて動く事を進めます。仮に決められない事は思考停止だと思うので、それくらいの気概で決めて、必要な人をリストアップしていきます。この時、組織図を使って整理してみるのも良いかもしれません。また、各個人がどういう人(ざっくりカテゴライズしておくと良いですが、そのカテゴライズは別途)で、何を大事にしているかを普段の会話から理解しておくと良いです。


・目的を達成する上で、誰にどういう状態になる必要があるのか確認する

次に誰にどうなってもらいたいのかを整理してみます。気をつけておかないといけないのは、つい役員クラスばかりに目を向けがちですが、例えば隣の部門のやや上のポジションの人とかが強く反対した場合、自分に不利に働く事があります。それを考えると

a) 強く推薦してくれる必要がある人

b) 推薦しないまでも誰かが推薦した場合、サポートしてくれる人

c) 反対しなければ問題ない人/ 知ってくれれば良い人

くらいに分けて、それぞれ濃淡をつけておくのも良いと思います。


・自分の仕事が各ステークホルダーにどう役に立つのか考え、適切にアピールする

それから、自分の仕事の成果が各ステークホルダーにどう役に立つのか、また、どのようにコミュニケーションするのが最適かを考えます。この時、2つの事が大切だと思っていて

a) 社内政治をしていると思われないようにアピールをする

b) あくまで自身の成果を適切に伝える事が大事

ここのa) b) で不自然さや失敗をしていて、悪い印象を持たれてしまう人が多い気がするのですが、成果を拡大させて伝える必要はなくて事実とデータから、またちゃんと文脈に乗って説明すべきだと思います。ネットワーキングに関して、 

" If others think you are networking, you are doing it wrong." 

という言葉があるように社内政治も社内政治をしているなと思われては駄目です。


・もし直接関わりがない場合は追加のプロジェクトを職務範囲外でも引き受けて何か貢献をする

最後に、ステークホルダーを整理してみたものの、そこまで関わりがない場合があると思います。そういった場合には、例えば自分のスキルを活かしてその部門に何か役立つ事をしたり、追加でプロジェクトを引き受けてみて、何か関わりを持つ機会、可能なら役に立てる機会を増やしていくと良いでしょう。例えば、エクセルが得意な人だったら、色々な部門対象にエクセルトレーニングを引き受けてみて、その打ち合わせで話をするとかそういった方法でも良いと思います。


さて、色々整理してみましたが、マネジメントになってくると結果責任が大きくなっていき、そのために社内政治でも何でも必要ならやって価値を出していく人は価値があると思っているので、嫌だなと思わず時間を使ってみる事をおすすめします。

2020年9月18日金曜日

Feedbackの受け取り方について


 先週はFeedbackを与える側として、今自分が考えている事を書きましたが、今回はより難しいFeedbackの受け取り方について書こうかと思います。


今回の内容では、一旦いくつか方法をまとめて、それから別の回にでも、それぞれの方法をどう有効活用するかについて書こうかと思います。


なぜFeedbackを受け取る事が重要かという理由について先に書いておこうと思います。前回の記事で、自分の気付いていない部分について気付けて改善ができると書きましたが、マネジメントポジションになるとその重要性が増してきます。なぜなら、自分の権限が増えるためボスにFeedbackをもらう頻度はやや減り、権限が大きくなるのでチームメンバーから自分に対するFeedbackが難しくなることが理由です。そんな中で、自分はどうやってFeedbackをもらっているのか、他にどういう方法があるのかについて書いておこうかと思います。


そもそもの話として

なぜFeedbackをもらう必要があるのか、またその人からもらう必要があるのかという事を自分で深く理解する必要があると思います。Authenticity と表現されるものですが、翻訳すると真摯な態度を持つとかっていうところでしょうか。薄っぺらくなんとなく皆Feedbackが大事って言ってるからやってみるかという態度だと相手に対して絶対に伝わるため、そこを自分自身でしっかりと理解する必要があると思います。Authentic であることはleadershipの要素の中でも大変大切な要素です。


誰からFeedbackをもらうのか

結論から言うと皆からもらいましょうって話だと思うのですが、その中でもいくつか分けてみようと思います。

  • N+1(ボス)
  • 外部
  • チームメンバー


N+1は定期的(自分の場合は、三ヶ月に一度)時間をセットしておく事が大切だと思います。性格にもよりますが、特に言う事に関して懸念はないので、簡単に言ってくれると思います。ここは簡単なところ。

次は自分がそれなりに能動的に動かないといけない外部です。自分の場合は、外部メンターにお世話になる事とleadership coachを時間単位で雇って話しています。外部メンターについては、吉澤さんのこのNoteが非常に良いと思ったので、読んで見る事をおすすめします。自分も今まで一緒に働いた人たちにメンターになってもらったりしています。
とは別に、非常にパワフルだと思うのが、leadership coachです。自分の場合は大学院で実際に知っている人を雇っているのですが、現状の課題から具体的なアクションまで一緒に議論して決められる事は非常に価値があります。自分の場合は、匿名でチームメンバー一人一人の事を共有し、自分の考える課題、どういう行動を取るのか、どういったコミュニケーション方法を心がけるのか等について話したりしています。

さて、最後に一番重要なのに難しく自分も苦戦しているのですが、普段のFeedbackとワークショップ等を実施するFeedbackに分けて書きます。
前者の普段のFeedbackについてなのですが、最近知人が良い本を書いたので、下記の本を参考にすると良いと思います。先に書いたようにチームメンバーからFeedbackをもらうためには、メンバーから言っても問題ない。言っても安全であると思ってもらえる事が大切です。そのための大きな要素として、最適な本だと思います。心理的安全性のつくりかたを自分で読んでみましたが、様々な取り組みが書いてあり、自分でもできる範囲で少しずつ試していける長期的に付き合っていける本だと思いました。
次にワークショップなのですが、こちらはFeedbackのためだけの時間を作るため心理的安全が仕組みとして担保できます。以前、行ったワークショップは結構有効で、下記のようなものでした。
  • leadershipや影響力についてのレクチャーを外部人材や社内の人事等のスタッフから1時間程度全員で受ける
  • その後、ボス(自分)は部屋から出ていき、皆で予め用意された質問に関してそれぞれ言っていく。例えば、下記のようなもの
    • What do you like about your GM?
    • What do you not like about GM?
    • What do you want your GM to continue?
    • What do you want your GM to stop?
    • Please write any questions that you want to ask your GM.
  • ボスが返ってきて、その質問を全員に見せながら一個一個コメントや質問に対して答えていく。
こちらは結構有効な方法で、特に新任のタイミングで行うとより有効だと思います。

最近、シンガポール、フィリピンに加えて、マレーシアの責任を持つ事になりましたが、上記の方法を少し変えて
  • 付き合いがそれなりに長いシンガポールのチームからFeedbackをもらう
  • そのFeedbackをそのまま新しいチームに対して共有する
  • 同様に新しいチームから質問を集めて一つ一つ答えていく
という方法で実施予定です。常にFeedbackを受け、行動を改善し、変化していく事が自分の価値だと思っているので、このFeedbackをどう受け取るのかは今後も考えていきたいと思っています。


2020年9月12日土曜日

Feedbackをする時に気をつける事

 


以前プロフェッショナルとマネジメントのキャリアがあると書きましたが、マネジメントとしてのキャリアを進めていく上で、とても重要になってくるFeedbackについて自分の現時点での考えをまとめておこうかと思います。多分数年後には違う事を言っていると思うので、あくまで現時点版。



さて、ちょっと自分の事を振り返ってみると、Feedbackについて人生で一番考えたのは、IMDでMBAに通っていた時だと思います。IMDはleadershipに重きを置くカリキュラムであり、そのleadershipの発展は、自分を理解することから始まります。その自己を理解する上でよく使われるのが上のフレームワークです。この中で、他人は知っているものの、自分は知らないという点について知る事ができる方法は唯一他者からのインプット、特にFeedbackが大切になってきます。


マネジメントの仕事においては、チーム全体のパフォーマンスを高めて行く事が自身のパフォーマンスであり、Feedbackによりコミットメントを高め、行動に影響を与える事ができます。特に、VisionとFeedbackは密接に関係していて、双方一貫性をもってコメントをしていく上で、Visionを浸透させ、文化を作っていくための大事な行動の一つだと理解しています。


良いFeedbackというものは、何を始めて、止めて、続けていく事が明確になり、同時に関係性が悪くならない事が大切だと思っていて、そのために以下の事を気をつけてFeedbackをするようにしています。

  • PIN: Positive Interesting Negative の順番に話す
  • 感情的にならず個人攻撃や人格を否定せず、特定の行動や仕組みのついて指摘する
  • Visionやコーポレートカルチャー等を引き合いに出して、指摘の理由付けにする
  • ジェスチャーに気をつける。

PINの順番に話す
誰でも開口一番改善点を指摘されたら、嫌な気持ちになって聞く耳を持たなくなります。また、特に自分が選んだチームメンバーであれば、だめなところだけしかない人なんていないでしょう。なので、必ず良い点を指摘して、これは続けて欲しいと伝えます。そこから、順番に話して受け入れられるように話の持っていき方を考えていく必要があると思います。

感情的にならず個人攻撃や人格を否定せず、特定の行動や仕組みのついて指摘する
Feedbackはちゃんと思慮深く行う必要があるので、ちゃんと問題を切り分けて特定の行動やそれを起こしてしまった仕組みについて説明をするようにしています。
例えば、
You didn't provide sufficient information. 
という風にYouと人を主語にしてしまうとどうしても人格否定になってしまう印象があるので
Your email didn't contain sufficient information. 
といったように行動の結果についてコメントする事でやや受け入れやすくなるでしょう。
また、もしかしたら原因はシステム、プロセス、仕組みに原因がある事も多いと思います。その場合、マネージャーである自分の責任なので、そこは自省する良いきっかけでもあると思います。

Visionやコーポレートカルチャー等を引き合いに出して、指摘の理由付けにする
こちらは、大阪でスタートアップをしている信頼している友人から教わったのですが、例えば良くないなと思う行動があった時に、明文化したカルチャーのどれかに反する事を伝えると、背景、会社としてどういうあるべき像を持っているのか等説明し、より説得力を持って説明できると思います。これは聞いた時個人的には一番刺さっていた事で、これを大切にしていく予定です。

ジェスチャーに気をつける
これは中々自分自身を見る機会がないかと思いますが、座る位置、話し方、表情等で言う事は同じでも影響力は違ってくると思います。例えば、オープンな気持ちで話していると言うのであれば、ジェスチャーもオープンに手を広げる等意識する事も大切だと思います。可能なら同意を取って一回録画してみたりするのも良いかもしれませんね。


1 on 1 をチームメンバーとする事はもう多くの会社でしているかと思いますが、その中でチームメンバーのパフォーマンスを最大化するために、Feedbackを有効にしていきたいですね。

今回の記事を書く上でIMDのleadershipの授業の資料を大変参考にしました。この場を借りて資料をくれた現役IMDの方にはお礼を申し上げます。

2020年9月5日土曜日

N+2 (ボスのボス)と話す時ってどういう話をするの?



最近色々と組織変更があり、ボスのボスがアメリカと欧州以外の全ての責任者をしている人になりました。そんな中で毎四半期一回キャッチアップをする事になったのですが、今までの五年間は大ボスも物理的に近くにいるか、ある程度信頼関係をすでにできている状態で、大ボスができたため感覚的にコミュニケーションしていたのですが、最近できた大ボスは違う大陸にいます。当分物理的に会う機会も無さそうなので、改めてどうやってコミュニケーションをしていこうかなと考えたので、半分自分のために整理して共有してみたいと思います。


そもそもN+2とはどういう人なのか

  • 部門間や研究開発等に影響力を持つ
  • ただし、現場に出る機会がないためそれなりに現場の事を知りたいと思っている
  • 数千人単位でチームを持っているため、将来のタレントパイプラインの責任者である

読んでいる人のポジションにもよるのですが、まぁ、多くの部門に対して影響力があって、社内のスタッフのキャリアに関して大きな影響を与えるくらいの人であるという前提で話をしていきます。もし日系企業等で多重な階層のある人は対象外なので、適当に翻訳して読んで下さい。


どういった事を話すべきか、また話したあと何をするか

  • N+1に対し、十分情報共有をする
  • 現場の状況について手触り感のある情報を共有する
  • 大きな経営課題について現場の視点で伝える
  • 自分のチームの成果について少し話す
  • 長期的なキャリアを共有しアドバイスをもらう

と、書くとまぁ普通の事なのですが、少しずつ気をつけている事を付け加えていきたいと思います。

  • N+1に対し、十分情報共有をする
自分のボスに対して、事前にどういうことを話す予定で、終わったあと数行のサマリーをぱぱっと送るようにしています。N+1からするとボスなので、どういう事を話したか気になると思いますし、N+1とN+2は自分とのミーティングについて多少は触れる機会があると思うので、そこで一貫性を持っている事はチームとしてちゃんと機能している事を示す事でもあると思うので、これを必ず実施するようにしています。また、N+2と話す中でN+1への信頼や良い点をさりげなく話の端々に入れますが、これはN+1に対しては共有しないようにしています。

  • 現場の状況について手触り感のある情報を共有する
N+2くらいにポジションが上がると現場での状況等が手触り感を持って分からない事があると思います。N+1は実際のオペレーションのチームを見ていない事が多いので、事業を毎日回しているGMのポジションの自分がささっと最近の大きなトレンド等を伝えるようにしています。

  • 組織の構造上の問題や大きな経営課題について現場の視点で伝える
現場で実際に困っている事で、それが自社の構造的な課題(N+2くらいのポジションの人が考えるに値するくらいの課題)がある場合は、伝えます。

  • 自分のチームの成果について少し話す
そこまで前のめりにアピールする必要はそこまでないですが、「チームとして」何を達成したのか淡々と事実を述べる事は大切だと思います。また、その時に自分の成果として話す事は未熟な事の証だと思うので、チームとして話すようにしています。実際マネジメントポジションになったらチームの成果も失敗も全て自分の成果です。わざわざ、"I managed to....." みたいな話方で何かを伝える必要は本当無いと思っています。

  • 長期的なキャリアを共有しアドバイスをもらう
それなりのポジションについている人なので、組織全体のタレントパイプラインや後継者育成をについての責任者でもあると思います。また、同時に自分よりキャリアの先を行く先駆者でもあるので、様々なアドバイスをもらうようにしています。最近、キャリアについて伝えたり質問したりした内容は下記の通りです。
  1. 長期的なキャリアについて説明(忘れられないように毎回言う)
  2. リーダーシップコーチを雇っているものの、何について議論して発展させるべきか
  3. 数年後を考えた時に、自分が積むべき経験
特に3については、アドバイスをもらった後、抽象化しておくと、将来社内で良さそうなポジションを見つけた時にN+2のアドバイスを一貫しているためN+2のサポートが得やすくなります。

と、まぁ書いてみるとそんなに突飛な事を書いているわけでもないですが、半分は自分の普段の行動の言語化、さらにそこからの発展なので、こういうのはどうだろうとかメッセージ、Feedbackをもらえると助かります。

2020年8月30日日曜日

MBA Leadership Development Programあれこれ

最近、Twitterを見ていたら、MBA Leadership Development Programについて、こんなTweetが流れてきました。


自分自身は、前職でMBA Leadership Development Programとして採用されていて、伝聞で、n=1で話しているような印象を受けたため、色々な意見があった方が良いなと思って、ちょっと記事を書いてみる事にしました。


そもそもMBA Leadership Development Programって?

一応議論のために定義をいくつか条件を挙げて書いておきます。もちろん当てはまるプログラムもあったり、そうじゃないところもあります。

  • Executive exposure(幹部に対して接する機会)がある
  • 継続的な特別なメンタリングやトレーニングがある
  • 多様な機能や地域や特別なプロジェクトのアサインを含むローテーションがある
  • 3-5年の期間限定
という定義を使います。出典はこちら
元TweetにあるようにAmazon、Siemens、ジョンソンアンドジョンソン、AT&T等本当幅広くの業界、会社で実施されている採用体系になります。多くの場合、三年〜五年程度でその間に様々なポジションに就きつつ、その後要職に就くというパターンが多い印象です。MBA ExchangeというWebsiteによると600社以上が導入しているそうです。なので、そんなにすごく珍しいっていう訳ではないですが、各社の採用人数は10人未満というところが多いのではないかと思います。また、対となる概念としては、直接採用となる実際に特定のポジションで採用される事を指し、今後比較対象として使っていく予定です。


MBA Leadership Development Programの良いところって?
自分の体験や周りにいる友人たちの声を聞いた範囲での良い点をぱぱっとまとめておこうかと思います。
  1. Executive exposure(うまい訳が思いつなかい。経営幹部とのつながり?)
  2. 早く組織のはしごを登れる
  3. 幹部候補として、大きな投資や機会をもらえる
  4. 自分に足りない経験を収入を下げる事なく埋める事ができる
  5. 直接採用より報酬が高い
それなりにたくさんあると思うのですが、特に聞いた中で良さそうだなぁとお思ったのは1と4かなと思います。
1に関しては、仕事は実力と言いつつ誰かに知ってもらわないと意味がありません。そのためにも定期的にExecutiveとコミュニケーションがある事は、大変意味があると思っています。自分の友人たちを見ても、そのプログラムを辞めても前の上司に引っ張られて別の会社で要職に就いていたり、リーダーシップ・パイプラインに載る事で様々なチャンスを得ている人が多いです。
また、4については、面白いなと思っていて、経営者を目指す上では、自分の得意領域以外においても十分価値を発揮する必要があります。その中で、例えば営業経験が足りなければ営業経験を積む、People managerの経験が足りなければリスクを取りやすいポジションでその経験を積むという事を会社の合意とのもとにできます。これは、自分自身で直接採用で行おうとすると多くのトレードオフとまたより大きなリスクを抱える可能性が高いでしょう。

え、じゃあMBA Leadership Development Programの悪いところは?

さて、もちろん元Tweetにもあるように良くない面もあります。例えば

  1. 任期付きのポジションと始めから分かっているため、結果を出す事が色々な意味で難しい
  2. 経営幹部候補として採用されるため、期待は高く様々なプレッシャーがある
  3. ビジネスニーズによって、どういうプロジェクトでどこに行くかコントロールが難しい
  4. 現場がうまく対応しておらずプログラムを終えても、そこまで良いポジションがない
  5. 文化的にFast trackで上がった人を受け入れる文化がなく、結局行き詰まる
などという点があるかと思います。ちなみに、LDPは多くの場合General Managementを目指していくという前提になっているので、元Tweetにあるモラトリアムの延長という点はそこまで同意しません。モラトリアムを延長する人は直接採用だろうと転職したりして勝手に延長すると思います。

1は本当難しい明確な悪い点で、周りも自分も一年や二年で異動すると分かっている中、そんな中で、腰を据えた結果を出す事は結構難易度が高いです。これは、直接採用に勝つ事は難しいでしょう。

4、5も特に気をつけないといけなくて、偉い人の声で作ったは良いものの運営がうまくいっておらず入ってみてから、苦労するっていう事があります。そういう人へのおすすめは、LinkedInで先に入った人たちを辞めた人も含めてどういうキャリアを登っていくのか確認する事です。特に辞めた人が多い場合は、up or outになったのか良いポジションがなかったのか等確認すると色々なリスクヘッジとなるでしょう。

まとめるとこんな人には向いてそうです

まぁ長文書いてみましたが、ざっくりまとめるとこういう人には向いています。

  • 経営幹部に向けて、大きなプレッシャーやチャレンジに立ち向かう心構えができている
  • 少なくともその業界において、キャリアを積んでいく事に納得している
  • 早くキャリアのはしごを登りたい
  • その会社が本当好き
と、色々書いてみましたが、そこまで大量採用している訳でもないのでそもそも採用されてみてから、上記の点を振り返ってみるのも良いかもしれませんね。

2020年8月22日土曜日

意識高いってそりゃ理想がある人にとっては当然なんじゃないのって話

 


いつの頃だったかは正確ではないのですが、”意識高い”という状態が揶揄される風潮があって、それについてちょっと考えた事を書いておこうと思います。GMとしての学びとか関係ないじゃないかとかツッコミはあるかと思うのですが、まぁ心構えというタグを作ったので、そこに入れてお茶を濁しておきます。

世の中で絶大な信頼を置かれているソースであるWikipediaから引用すると

常見陽平は、「意識高い系」は本来「口先だけで成果の無い人」を揶揄する言葉であり、「勉強や部活動を真面目に頑張っている人」や「頑張る前向きな人」を蔑む意味合いで使われるのは本意ではないと表明している[12]日本経済新聞は2015年の記事で「様々な活動に積極的に参加し、自分を成長させる努力をする人」を冷やかす意味合いとして「意識高い系(笑)」が使われる風潮があると報じているほか[5]、朝日新聞社も2016年の記事で「真面目に就職活動をしているだけで『意識高い系』と言われることがある」[13]、「課題が多く出る難しい授業を取るだけで『意識高い』と言われる」[10]などの意見を紹介しており、単に「真面目」という意味で使われる傾向も多いと報じている

となっています。ここでは学生の話が多いのですが、読んでくれている方はある程度のキャリアがあると思うので、キャリア10年くらいの人を対象にスライドを書いてみました。下記のTweetにもあったようにMBA出たくらいの人たちも当てはまるかも。


大きく言いたい事としては、

  • 未来への理想や自分に対する自信があるなら、過去からの実績より自信が大きくなるなんて当たり前だよね
  • でも、いくつか落とし穴があるから気をつけた方が良いよね
という事になります。

左の棒グラフは敢えて縦軸の定義を入れてないのですが、現在の自信っていうのは、過去からの実績と未来の自分に対する理想の足し算で出来てると思っています。過去の実績に加えて、未来の理想をある程度現在価値に割り引いて併せて持って自信になるのかなぁと思います。だから、未来へのやりたい事とかある人は常に"意識高い人"であるのはまぁ仕方がない事なのかなと。

とは別に右にいくつか落とし穴を書いたのですが、1の過去の自分の実績に対する評価が社会的な評価と比べて大きすぎてしまったり、もしくは何も実績がないのに未来への理想像だけ高い事も問題だと思います。(とここで大学生や社会人数年目くらいの若手の人は実績がなくても仕方ないので、あんまり気にしなくて良いと思います

また2の正しい行動を起こしていない事も問題でなぜならそれは未来への理想に近付いていないからです。最近特に難しいなぁと思うのが、コミュニティ活動や勉強会の参加によって、特に発展はしていないのに達成感だけ得られるような行動は自分でも注意していかないといけないなと感じます。


最後の未来の理想像の器が小さいという事についてなのですが、ミスターミニットの迫俊介の本にも書いてありましたが、自分自身への成長を考えるより、社会や組織をどう成長させるもしくは目的を達成するにはどうしたら良いのかと行動し始めたら成長スピードが一弾と増したという書いてある内容がありました。自分もGMになってから、同様の事を感じていて、未来への理想が自分自身に閉じている人は見直して見ても良いかもしれないですね。


という事で、まとめとしては、まぁ自信過剰とか意識高いとか言われても気にせず毎日できる事をしっかりやっていきましょうよっていう心構えのはなしでs