2020年10月3日土曜日

長期的にチームメンバーに働いてもらうために。


 

最近、チームを引っ張って大変な時期を乗り越えてきたメンバーが辞表を出すという事態がありました。ある程度の人数を抱えていたら、そういう事態は起こるのは仕方ないと言えば仕方ないのですが、それでも一緒に働く機会を得たメンバーに対して長く働き続けてもらう事は大切だと思うので、ここに少し考えた事を整理しておこうと思います。


前提と方向性

シンガポール、もちろん米系の企業において終身雇用という概念はありません。なので、前提として、誰でも常により良い機会があれば他社に転職し、雇用主はより良い待遇、機会、将来への希望を与える事が大切であるという前提を置きます。なので、常にお互いに緊張感が良い意味である状態であると考えています。実際に、他社からアプローチを受けて業界内での転職をする人は多く、転職した方が給与そのものを上げる事は簡単であるため、かなり転職をするインセンティブは大きいです。そんな中で、どう待遇、機会等を与えていくのかを整理していこうと思います。


相手のモチベーションの優先順位を理解して適切な打ち手を。

こう書くと当たり前なのですが、結構難しい事が相手の事を理解する事です。具体的な質問としては、

・現状の待遇に対してどう思っているのか?給与、ポジション、自己評価等

・働く上でのモチベーションは何か?何を大切にしているのか?

という点で分解して理解をする事が大切だと思っています。

色々な職種や性格がありますが、自分の場合は5個にモチベーションを分類して考えています。


0. 金銭

これはもうワイルドカードなので先に書いていますが、金銭的待遇はほぼ全ての人たちのモチベーションである可能性が高いです。そこで理解しなければいけない事は少し待遇上げた事でモチベーションが高まるのか、そもそも現状の給与は業界でベンチマークをした時にどの程度に位置するのかという視点を持っておくと良いと思います。人事にそういうデータベースがあると思うので、もし仮に業界基準より低い場合は人材流出リスクがある程度高いという事が分かると思います。


1. 権限、責任の大きさ

こちらはいわゆる上昇志向の高い人と表現される事が多いですが、例えばマネージするチームメンバーや責任が増える事で達成感を感じるタイプのモチベーションです。多くの場合、話していて表に出てくる事が多いですが、キャリアプランや将来の目標等を聞く事で理解できる事が多いです。


2. 感情的なつながり

このモチベーションを大事にする人たちは、例えば外部だったらお客さんに感謝されたり、内部なら役に立ったとちゃんと実感して仕事をできる事でモチベーションを高めていきます。職場のハーモニーを高める事でモチベーションを高められます。


3. 構造化された仕事のプロセス

このグループの人たちは、想定の範囲内で何かが起こる事を嫌がり、多くの事を事前に準備をしてしっかり進む事で安心するタイプです。社内のSOPをしっかりと整理、職務要件を定義、プロセスに則り進めていく事で安心して働き続けてくれます。マネジメントとしては、しっかりと社内の仕組み作りを行う事でこういった人たちを維持できる可能性が高いです。


4. 楽しくワクワクする機会の提供

このグループの人たちは、何か変化の大きく新しい事を実施していき、また発表の機会を与える事によって、モチベーションを高めてくれます。チームの文化やビジョン等に共感する事も多いタイプと言えます。


このように必ず避けられる訳ではないのですが、上記の事を意識して一人一人今後は丁寧にアプローチしていこうと思っています。ちなみに、1-4には元ネタがあって、Insights personality testというもので自分自身も受けているのですが、非常に有用なので、どこかで紹介するかもしれません。

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