2025年4月19日土曜日

海外就職インタビュー0043 医療系専門職から国内でピボット転職からのシンガポール移住

カリフォルニアに住んでいても、アイスはやっぱりあずきバー派の Keni です。
今日は、医療系の専門職から国内でビジネス寄りの仕事にピボットし、そのまま同じ職種でシンガポールへ転職、そしてサクッと PR(永住権)を取得した方のご紹介です。就職活動は人との縁がきっかけとなり、勤務中に英語力や海外志向をアピールできたことでシンガポールへの転職もスムーズに進んだなど、学べる点がたくさんあります。

ご存じのとおり近年シンガポールの永住権取得は特に難しくなっていますが、半年で取得できたのは、とても珍しいと思います。さらに「英語だけでなくローカル言語も学ぶべきだ」とおっしゃっており、私も強く同意します。私自身、中国語をある程度習得しているのですが、これはシンガポールはもちろん、カリフォルニアでも大いに役立っています。

最後に、お子さんが三人いらっしゃるとの事で、子ども三人は本当無条件で尊敬するので、すごいことだなと思います。

海外移住・就職のきっかけ

  • 都内の国立大学院修士課程を修了後、医療系国家資格を活かして循環器専門病院に就職。
  • 大学院で治験業務に関わり、英語を使う仕事に憧れを抱きつつも、当時は「海外で働く」という意識は薄かった。
  • 病院での臨床と煩雑な事務手続き、低い給与(手取り19万円以下)に不満を覚えはじめる。
  • 病院が治験受託会社を設立する計画を進め、内資系製薬会社へ派遣CRAとして出向し、英語を使う業務を楽しみながらも社内政治やパワハラに直面。
  • プロジェクト終了を機に退職し、外資系CRO(Contract Research Organization)へ転職してCRA業務を続行。この外資系での経験がキャリアの礎となり、上司からチームマネジメントや女性のライフイベントとの両立など多くを学んだ。
  • 20代後半になり「人生このままで良いのか」と悩み始めた頃、女性だけの飲み会で別の外資系CRO人事担当者と出会い、英語ができるPMポジションのカジュアル面談が急遽設定。カジュアルな服装のまま臨んだ英語面接に合格し、現職PMとして働き始める。そこで夫と出会い、社内恋愛を経て結婚。

事前準備や苦労した点

  • 結婚後はしばらく東京で生活し、第一子・第二子を出産。コロナ禍に出産を経験したことで、日本政府や社会の非科学的な動きを痛感し、子供たちの将来や語学教育の面でシンガポール移住を決意。
  • ペット(犬2匹)の輸出入手続き、持ち家の賃貸化、区役所手続き、コロナ関連の入国制限対応、小児義務ワクチン等、引っ越し準備が多岐にわたる。
  • 第三子妊娠が判明し、社内移籍を断念していったん退職。夫のスポンサーでシンガポールのPRビザを6か月で取得できたが、出産直後の新生児育児と新生活が重なり大変だった。

実際の仕事探し・キャリア形成

  • シンガポール移住後、第三子が4か月のタイミングで、以前の会社の人事・上司に連絡を取り、シンガポールオフィスのマネージャーを紹介してもらう。
  • 東京勤務時代に積極的に英語力・海外志向を周囲に示していたことや、リファレンスを書いてもらえたことでスムーズにシンガポール勤務を決定。
  • PRビザ取得時期と雇用オファーが重なり、ビザ面で問題なく同じPMポジションで復帰。夫も同じ会社勤務だったが、現在はそれぞれ転職済み。

現地の職場文化や習慣

  • 「時間遵守」の感覚が日本と大きく違う。シンガポールでは5分の遅れは遅れとみなされないなど、時間に対する緩さがある。
  • オフィスカジュアルやタトゥーへの抵抗感が日本より少なく、服装や見た目の自由度が高いことに初めは驚いた。

生活面でのギャップや驚き

  • 中華系シンガポール人が多い環境では、食べ残しをすぐ捨てる文化が根付いており、日本人として「食べ物を粗末にしない」教育とのギャップを感じる。
  • 高温多湿の国なので衛生面で仕方ない面もあるが、慣れるには時間がかかる。

英語(または現地言語)の習得方法

  • 日本で働いていた頃から海外ニュースの視聴やラジオ、子供向け英語絵本の読み聞かせを習慣化。
  • シンガポール移住後も同様に継続。業務で日常的に英語を使うため、特別な新しい取り組みはせず、仕事を通じて自然にブラッシュアップ。

今後のキャリア・目標

  • 現在3人の子供を育てており、「これ以上ポジションを上げたい」意欲が湧かない状態。上司からコンフォートゾーンを出て挑戦を勧められるも、育児のウエイトが大きい。
  • 数年は育児を優先し、長期的視点で拠点や教育環境を考え直す予定。将来、子供たちの教育拠点をどこに置くかを模索中。

海外就職を目指す人へのアドバイス

  • 海外移住は華やかに見えるが、文化も言語も異なる場所でゼロから築き上げる大変さがある。
  • ビザのステイタス次第では「外国人として生きる」厳しさも。
  • 明確な目標・目的を持って行動すべし。辛い場面や軌道修正が必要な時、「初心に立ち返る」助けになる。
  • 英語+現地ローカル言語の習得が望ましい。生活面でも仕事面でも圧倒的に生きやすくなる。

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