さて、今回は10年程度日本の証券会社を経験し、国際協力の留学を経てアフリカで勤務、金融の知識を活かして国際協力の投資ファンドに勤務している方の紹介です。今までの国際協力関連の方もそうですが、基本的にポジションが数年単位で場合によっては国を越えて転職を重ねないといけない仕事のため常に市場価値を意識する視点が就くようです。
この方も差別化の大切さを言っていて、証券時代の経験や知識や日本式の詰めの甘さの少ないビジネスの進め方が差別化につながったと語っています。数年おきに転職をしないといけないという厳しい環境の中、冷静に自分の市場価値に向き合い、未来を見ながら研鑽を重ねる印象を受けました。
学生時代から新卒就職まで
• 高校まで: 関東の女子校で、海外は旅行経験のみ。
• 大学: 東京の私立大学で法学を専攻。国際協力への興味はあったが、具体的な方法が分からず、普通に4年で卒業した。
• 新卒: 証券会社に総合職として入社。当初は3年ほどでの退職を考えていたが、結果的に約10年勤務し、その間数年の海外駐在も経験。
海外大学院への転身とイギリス留学
• きっかけ: 駐在で海外生活を経験し、金融スキルも手に入れ自信がついたため、機は熟したと感じ国際協力への道を本格検討。
• 留学準備: 駐在中に約1年かけてTOEFLやEssayを準備。TOEFLは10回以上受験。エッセイは同僚の英語チェックを受けながら自力で執筆。
• イギリス留学: 開発学で名高い大学院に進学。コロナ禍で授業はオンラインが中心だったが、寮での共同キッチン生活を通じて多国籍の仲間と深く交流。
卒業後の就職活動とケニアでの開発業務
• 国際協力業界の就活: 数年契約が一般的。自分の市場価値が不明なため幅広く応募し、ケニア・東京・キルギスタンからオファー獲得。
• ケニア勤務: アフリカでの経験を優先し、ケニアへ。暮らしやすく人間関係も温かく、人生で一番充実していた時期。金融知識やビジネス経験を生かしつつ、政府との交渉などパブリックセクターの仕事を学ぶ。
転職と投資ファンド(アジア拠点)
• さらなるインパクト: 金融分野で具体的な開発インパクトを出したい思いから、国際機関の途上国向け投資ファンドへ転職。
• 現在: アジアに拠点を移し、アフリカのパブリックセクターへの投資業務に従事。同時にExecutive MBAに在籍してビジネスと金融を体系的に学び直している。
日本的ビジネス文化の強み
• 根回しや人を読む技術: 相手の意図を汲み取ったコミュニケーションは海外でも有効。
• 業務遂行力: デリバリーや納期管理のスキルも、外資や国際機関で重宝されていると実感。
長期的なキャリア展望
• 契約ベースの働き方: 数年おきにポジションを更新しながらキャリアを積むため、常に自分の市場価値を意識して仕事をしている。
• 生活拠点とのトレードオフ: 生活拠点が数年ごとに変わるため、今後はキャリアと家族・生活のバランスをどこかで調整していく可能性。
アドバイス
• パッションと差別化要素を持つ: 国際協力に直結しなくても、自分だけの強みがあれば大いに海外で活かせる。
• 金融知識の有用性: 本人の場合は証券会社時代の経験が、開発分野でも自分を際立たせる武器になった。