2021年10月30日土曜日

多様性に配慮した会議設計

 

今回はチームメンバーの多様性とそれに合わせた会議設定について書いてみます。多様性と言っても、LGBTや男女や国籍や民族等の多様性ではなくて、正確に基づいた多様性をどう理解してどう仕組みとして取り入れていくのか、という視点で今回は書いてみようと思います。

どこかで書いたような気がするのですが、私はMBTIとInsights(Communicating with colors)という2つのツールを頻繁に使っています。本当は人の性格なんてこんな簡単な分類でできるものではないのですが、仕事で簡易的に分類する意味では良いツールかなと思って使っています。

そのMBTIの中の最初の分類がExtrovertかIntrovertかという視点なのですが、日本語で言うと外交的、内向的という分類です。これは単純に言葉通りの意味だけではないので、簡単に説明しておくと

  • 外交的: 人と関わる事でエネルギーを得る事が多いタイプ。疲れた時に友達に会いたい人
  • 内向的: 人と関わる事でエネルギーを使う事が多いタイプ。疲れたら家で一人で本を読みたい人

というような理解でいてもらえると助かります。

会議とは議論して意思決定をする場なのですが、内向的な人にとってはその場でぱっと考えて意見を発表する事が難しかったりします。以前の自分であったら、会議で発言するところも含めてパフォーマンスでしょと思っていたのですが、最近はコミュニケーションの得手不得手と思考の深さは別であり色々な人たちの力を合わせてこそチームとしてより良い結果が出ると考えています。

では、具体的にどういう事をするかなのですが、ものすごくシンプルで2つの事をするようにしています。一個目は事前に準備する内容で、会議の目的、アジェンダ、論点を整理して事前に参加者に送っておく事です。特に論点のところが大切で、「来年開催される久しぶりの対面のイベントにおいてイベント後のセールスリードを最大化させるためにイベントの事前に何ができるか」というレベルで具体的に質問形式で準備をしておく事が大切です。また明確に参加者に対していくつかアイデアを持ってくるように案内を出しておく事である程度時間を使って持ってきてくれるでしょう。内向的な人にとっては一人で考える時間の方が効率的なので良いアイデアが出やすく、外交的な人は出たアイデアを発展させたりその場で良いアイデアを作ってくれたりするでしょう。

二個目はミーティング中なのですが、少し時間を取ってポストイット等に意見を書いてもらったりすると内向的な人でも時間を取れて良いアイデアが出たりします。特にアジアの文化では言いたいことをバンバン言う事が難しい文化も多いので、こういった方法は結構有効です。

と、本当単純な事を書いてみましたが、思考プロセスとしては、どういったタイプの人がいるか考えてみる、各個人が最大限価値を発揮するには何が良いか考えてみる、実際に仕組みとして導入してみるという事で上記のような事を実施してみました。

2021年10月24日日曜日

中途採用でもポテンシャル採用は多い



最近、様々なところで新卒はポテンシャル採用で中途採用は何ができるかの実力が大事だというような言説を見る事が多くて、いやいやそんな事ないでしょと経験上思う事が多いのでいくつか自分自身の経験等含めて書いてみようと思います。

大学院とか行ったりした場合はポテンシャル採用が結構あるよ

特にMBA等に顕著だと思いますが、キャリアチェンジのプラットフォームとして人材を集めるような学校や専攻だったりした場合採用する側もそういった期待を含めて採用するのでポテンシャル採用が多くなります。また加えてリーダーシッププログラムと呼ばれるような経営幹部育成プログラムの場合はそもそもポテンシャルを採用する前提のプログラムなので当然ポテンシャル採用です。少し新卒と違うとすると新卒から今までの実績をある程度加味して、今後のポテンシャルの延長線を描くという形になるので、実績が全く関係ないとは言わないですが、ポテンシャル採用と言って問題ないと思います。

一般の採用だったとしてもポテンシャルは十分加味する

上記はやや特殊な採用なので、一般的なポジションでの採用について自分が採用する側として考えている事も書いておきます。2つの基準を持って評価するようにしていて、一個はもちろん目の前の仕事で十分早く価値を出せるかどうかですが、もう1つは数年後にどういったポジションに就けるくらいのポテンシャルやパッションがあるかを大事にしています。私のスタンスとしてはスタッフは常に外部における機会と比較し続けていると考えており、その上でキャリアを伸ばせる機会等により比較の結果働き続けてくれていると思っています。そういった観点において少なくとも数年〜5年単位において次のポジションにつけるポテンシャルがあるかは大切にして面接をするようにしています。


ちなみに、ポテンシャル採用が多いよと書いたのですが、実際目の前の仕事ができない人の場合はポテンシャル自体も精査される少ないことも多いと思うので、実績も大事にポテンシャルも意識しつつキャリアを積んでいけると良いですね。

2021年10月16日土曜日

The power of "yet"


 

最近チームメンバーも少しずつ増えてきて、一度辞めた人も一年後に戻ってきたりしていてすごく人に助けられているなぁと思う毎日です。営業戦略を変えるため営業を増やしたりしていて、来年は本当勝負の一年になりそうです。

さてさて、そんな中で、以前書いたフィードバックについての記事に加えて一見テクニック的だけれど、実は本質的じゃないかと思う事について書いていきたいと思います。去年の9月にFeedbackをするときに気をつける事という記事を書いていますが、そのもっと具体的な話し方が今回のテーマです。また今回の記事はコーチから習った内容を元に自分で実施して書いています。

単純な話なのですが、チームメンバーに方向転換して欲しい時にYetをつける事で一気に受け取りやすく、また将来への期待も伝えられるのではないかという事です。


普通の例:Hi, from the meeting we just had on the data analysis, you may not be comfortable asking for feedback from the sales team. 

Yet有りの例:Hi, from the meeting we just had on the data analysis, you may not be comfortable asking for feedback from the sales team yet.


ここで前者の例を使ってしまうと、単純にできていないという事を伝えるだけになってしまいますが、後者だと将来できるようになると信じていてその上でのFeedbackだという事が伝えられると思います。また、不十分であればまだできていないだけでどうやってできるようになるか考えようと話を持っていくだけで相当受け入れやすくなると思います。ピグマリオン効果の時にも話した本人への期待と受け入れやすいFeedbackになり、二重の良い効果がありそうです。

それ以降のステップは

  • 反論や意見を変える事を目的としてカットインせずに話を聞く
  • 大局観を見せて、この改善にどういう意味があるのか伝える
  • 話を聞いてくれた事にお礼を言う
  • 改善度合いを一定期間後確認し、改善があるようならその継続を続けるFeedbackをする
という一般的なプロセスになると思います。という事で今週はライトな、Yetという一つの言葉とその背景や意図について書いてみました。

2021年10月9日土曜日

自分より知識面において優れたチームメンバーをどうマネジメントするのか


ジェネラル・マネージャーはセールスディレクターとは違うので、物流、カスタマーサポート、マーケティング、営業、テクニカルサポート等の多くの部門を束ねる事が必要になってきます。全ての部門について知識をつける事は実質不可能ですし、求められてもいないので、そういったチームメンバーをどうマネジメントしていくのかという問題が多くの人にとって出てくると思います。

以前も似たような記事を書いたのですが、刷新版という事で書いておきます。

優先順位を決める
前回の記事にも書いたのですが、細かい事はわからないものの全体感を理解している事がジェネラル・マネージャーです。なので自分が強くない分野のマネージャーやディレクターに対して日々の仕事やプロジェクトに関して各タイミングにおいて全体とのズレがないかを確認し必要な質問を投げかけていきます。
  • チーム、会社のゴールを伝えてそこにつながっている事を確認する
  • チームメンバーの結果がゴールにどうつながっているのか投げかけ言語化する事で再考する機会を与える
  • プランニングが終わり、実行フェーズに移った時に全体感を保つ手助けをする

コミュニケーション、コーチング、分析等の彼らの得意分野以外に示唆を出す
専門知識以外にもビジネスパーソンとして彼らより優れているところがあって、その点においてコーチングを行い示唆を出していきましょう。例えば、物流自体は専門ではないものの分析に強みを持っている人などの場合は分析の視点で価値を出せると思います。

社内外のより優れたエキスパートとつなぐ事で手助けをする
知人友人や社内の同僚とつながっておき、チームメンバーが困った時に聞けるようにするという価値の出し方です。自分自身で価値を出す訳ではないものの、誰が何を知っているのか知っている事で価値を出す方法です。


2021年10月2日土曜日

Exit interviewの目的、質問内容


 

「じゃあ次の職場でも頑張ってね」
マネージャーであるAさんは転職を決めたBさんとの最後のミーティングで握手をして送り出します。Bさんが入社してから二年半、うまくいかないところはあるもののメンターとしてもマネージャーとしても精一杯尽くしてきました。代わりの人は雇わなきゃいけないとして、今後はどうしたら良いんだろうなぁと自分の個室からマリーナベイを見下ろしながら考えていました。


人を雇ったらその後あり得る事はいくつかしかありません。定年まで勤め上げる、本人から辞める、会社側から辞めてもらう。その中で今回は多くの場合を占めると思われる二つ目の本人から辞めるパターンについて、しかもExit interviewについて書いてみたいと思います。

目的
まずは、目的なのですが下記のように理解して挑んでいます。
今後も本人と良好な関係を維持する
多くの場合業界は大変狭く、同じチームになったり、上司部下が入れ替わったり、お客さんになったり、何年かして出戻ってきたりと色々なパターンがあり得ます。そんな時のために会社を辞めるとはいえ良好な関係を維持できるようにする事を心掛けています。とまぁそういう打算的なものは置いておいても、せっかく一緒に働いた仲間なので仲良くしていたいですよね。
組織を改善させるヒントを得る
こちらは結構現実的で、辞めてしまう人にとっては関係なくても自分自身に取っては忖度ない意見を聞きやすい良いチャンスです。しっかりと聞く質問を準備しておくと良いと思います。

質問内容
なぜ辞める事になったのか?
当たり前の話なのですが、良い機会が見つかったという背景には自社での良くない点が必ずあるはずです。キャリアやその他の側面において、劣っている点があったはずなので、人間関係、サポート、キャリアの展望等具体的に質問をしていって聞くようにしましょう。また質問に答えた内容によって不利にならない事をしっかり伝え心理的安全性を確保するようにします。

マネージャーとしてどう改善できる事があったか?
本当に組織を改善することにコミットしたいと思っていて、今だからこそどういった事を改善できるのか教えて欲しいと伝える。こちらは結構本人には言い難い事もあると思うので、HRにも同じような質問をしてもらって役割分担するのも良い可もしれないです

チームメンバーとの関係性はどうだったか?
上向きのコミュニケーションに関するフィードバックを聞いた後は横との関係性を確認します。マネージャーが良かったとしても毎日連絡を取らないといけない横のカウンターパートとの関係性が良好で無かった場合は、相当大きなストレスになるでしょう。

代わりに雇う人の職務要件をどう改善するべきか?どういう人を雇うべきか?
働いた本人だからこそ自分自身が適している部分、適していない部分等に理解があると思います。そこについて聞いて、次の採用にすぐ役立てるようにしましょう。

人が辞めていってしまう事は悲しい事ですが、100%避け続ける事は不可能です。少しでも良い方向に持っていけるようにしたいですよね。