2021年1月31日日曜日

運の良さは立ち位置を選ぶ事で大きくコントロール可能


最近ポジションが上がるにつれて色々と運について考えることが多く、ちょっと整理のために「運が良い」という事はどういうことなのか、ちょっと考えてみたいと思います。

今日MBAの就職関連で、Clubhouseで色々と話をしていたのですが、振り返ってみると多くの人たちが色々な「特別な機会」を得ている事が分かりました。その特別な機会というのは

  • 本来給与交渉できないはずの会社で条件交渉した
  • MBAから、合格後にビジネスクラスで合格者イベントへの招待をもらった
  • MBAの学費を半額に免除してもらった
などなどの事がありました。それは再現性なくて特別だよなぁという意見もありつつ、追加して「運が良いよね」って事も思っていました。

なので、今日はその「運の良さ」について考えてみたいと思います。
私はイメージとしては
  • チャンスはどこに降ってくるか分からない
  • ただし、どの辺りに降ってくるかはある程度狭める事がで可能
  • 場所を狭める要素のうちいくつかはコントロール可能

 のようなものだと思っています。イメージすると、そのまま何も考えていない状態だと広い野原のどこにチャンスが降ってくるか分からないものの、下記の写真みたいに線をいくつか引いてある程度絞って待ち構えているとキャッチしやすいんじゃないかというようなイメージです。




さらに一歩進んで考えた時に、色々な要素を踏まえた立つ場所の方が意味があると考えていて、それが運の良さに大きな影響を与えていると思います。20代の自分は実力が大事と考えていましたが、働き始めてから12年くらい経って考えるのはむしろ自分をどこの立ち位置に置くかが大切だと思っています。

例えば、下記は日本の賃金指数の推移ですが、すごくざっくり言うと給与を上げたいと思ったら日本で働くのは筋があまり良くないです。こういったマクロの要素に逆らって働くよりもマクロの流れに乗って、働く方が本当は筋としては良くこういった大きな流れや要素を考えて、立ち位置を決めていく事で、運が良いという事になっていくのかなと思います。



2021年1月24日日曜日

転職してマネジメントに就くことになった背景 後半

 


さて、前回はSeed Hireとして、採用される事になって無事新しいビザが出る事も確認した後、退職し二ヶ月程休む事になりました。せっかく二ヶ月もあるので、何かしようかなと思い、一ヶ月の上海交通大学の夏休み中国語プログラムに参加して上海の夏を楽しんでいました。ある日いつものようにレンタル自転車を借りて新天地の辺りを移動していたら、転職先の人事の人から電話が入ります。

「今から三ヶ月後にシンガポール、フィリピン、マレーシア、ブルネイを統括するGMが退職する事になるので、そのポジションはややストレッチだけれど、社内社外から候補者を募る中で手を挙げてみないか?」

元々働いて一年くらいはどうにか結果を出して、それから認められてタイミングがあったらシンガポールから移住する事も考慮に入れつつGMポジションを取れたら良いなと思っていたのですが、思ったより早くチャンスが降ってきました。また、採用してくれた元ボス(Aさん)のボスである人が辞めて転職した事で、社内の人材を一段上の責任に引き上げなければいけない状況も後押ししてくれたと思います。


さて、採用してくれた元ボスはAPAC全体を統括している中、面識がほぼない東南アジアのGMである人(Bさん)がReport line上の上司になる事になります。Aさんは私を強く推薦してくれ、Bさんはよく知らない人なので中立に物事を判断しようとしている立場です。その後、入社して製品や市場の事を学びつつ、何回かBさんの面接を受けていく事になります。

誰かの参考になるかもしれないので質問された内容を思い出せる限り思い出していくと下記のような質問でした。

  • マネージャーの経験もP&Lの経験もない中でどうやって結果を出すのか
  • 今の組織を変えるとしたら、どう変えるか
  • パフォーマンスが低いチームメンバーに大してどう接するのか
  • 最初の90日のプランは何か
  • 新しい人を雇う時に採用する基準は何か
一個質問があって答えたら具体的になったりとか、抽象的なまま議論が進んだりとかしましたが、三週間目のある日Bさんに呼ばれて、シンガポールとブルネイの責任を任せたいという事になりました。最初のリアクションは、「え、マレーシアとフィリピンももらえると思ってた」と冗談を言っていたのですが、相当嬉しかった事を覚えています。

専門性が相当ぴったり合っていた事、タイミング等が全て重なった結果ですが、マネージャーの経験も浅く、P&Lの経験もない中でするっと運がよくポジションが取れたなと思います。自分で採用する側からしてみても思いますが、多くの場合実際にそのポジションを経験した人の中から採用したがる事が多いです。そんな中、未経験で外国人である自分に対して信頼をしてリスクを取ってくれたボスたちには感謝しています。

2021年1月16日土曜日

転職してマネジメントに就くことになった背景 前半



このBlogについてでちょこっと書いたのですが、可能な範囲でどうやって今の仕事をする事になったか書いてみようと思います。他の記事にもちょっと書いているのですが、どのような背景、どういう意思決定で今のポジションになったかを書いておくことで誰かの参考になったら幸いです。

採用してくれたボスと出会った背景
そもそもなのですが、MBAを卒業してFortune500のリーダーシップ・プログラムと呼ばれる経営幹部育成プログラムの一人として採用されました。初めの一年はボストンにて一年研究開発とマーケティングの間のUpstream marketingと呼ばれる仕事を主に行い、その後本社の費用でシンガポールに来て買収した企業のPMIとその他の下流のマーケティングを行っていました。その時のボスのボスだった人(Aさん)がこの鍵となる人物で、結果的に彼が転職した先で雇われて、今のポジションに就く事になりました。

選択肢を意思決定の基準
当時は同じ社内に複数オプションがあり、どの選択肢が良いかなと思って色々と考えていました。前から転職して来ないかと数ヶ月に一回と誘われていたAさんに色々と選択肢を説明してアドバイスをもらっていました。その時に考えていたプロセスは、長期的に目標を決めてそのために何が必要なのか考えるというプロセスでした。

長期的目標:
多国籍企業でマネジメントに就く事を手段として
最終顧客の生活の改善に貢献する事

短期的に必要な事:
P&Lの責任者になり、実績を上げる
(できたら3階層以上の)チームのマネージャーとして経験を積む

という視点で考えていきました。選択肢の中には、アメリカ本社に戻ってGlobal marketingをする、日本オフィスでMarketingをする等の選択肢があったのですが、両方とも短期的な条件を満たせるとは思えず選択肢からは外れました。また先輩からのアドバイスでビジネスの大きさは質的には大して変わらないと言われ、複数の人から同じような事を言われているので多分そうなんだろうなと思っています。つまりは、責任は大きいもののビジネスサイズの小さい会社を選び、短期的に必要な経験を積みに行ったという思考プロセスでした。結果、給与面に関しての条件は交渉する事なく先方が提示してきたものを受け入れる事も違和感ありませんでした。

結果的には入社翌月にはシンガポールのGMになる事ができたのですが、オファーレターにサインした時は、Seed Hireに過ぎず、最初は、Business Developmentと大口顧客攻略のDirectorで正直どうなるかわからない状況でしたが、前職にいるよりはGeneral Managerのポジションが近いと信じて、転職に踏み切った形になります。

さて、続きは次回。

2021年1月9日土曜日

曜日ごとにテーマを決める

 

さて、2021年になってもう9日ですね。今まで勤めていた企業は大体会計年度が12月に終わる事が多く、1月はその取りまとめや新しい年の予算の決定など結構大事な時期です。去年自分で初めて丸一年間ビジネスの責任を持って結果を出してきたのでそれなりに感慨無量です。

特に昨年は、1月に大口案件を取りホームランを打ち、COVID-19で打撃を受け、様々な理由による事業の撤退や様々な荒波を乗り越えた中、チームメンバーが大活躍してくれたので、社内の様々な賞への推薦文を書いており、こういう時間ってすごくうれしく充実した時間を仕事で使えてるなと思っています。


去年一年を振り返って、新しく始めた習慣の中では良い習慣だと思える習慣があり、その習慣を紹介してみようと思います。


Essentialismという本があるのですが、その中でTwitterのCo-founderであるJack Dorseyがどのように企業を経営しているかを説明しています。

Jack Dorsey, the co-founder of Twitter and founder of Square, has an interesting approach to his weekly routine. He has divided up his week into themes. Monday is for management meetings and “running the company” work. Tuesday is for product development. Wednesday is for marketing, communications, and growth. Thursday is for developers and partnerships. Friday is for the company and its culture.9 This routine helps to provide calmness amid the chaos of a high-growth start-up.
ざっくり言うと、曜日ごとに行う事を決めておきましょうというもの。
月曜日:会社の運営
火曜日:製品開発
水曜日:マーケティング、コミュニケーション、成長
木曜日:外部のデベロッパーやパートナーシップ
金曜日:会社の文化

もちろん自分の今の仕事は、バリューチェーンの中で下流で数字をdeliverする仕事なので完全に当てはまる訳ではないですが、曜日ごとに何を中心に考えていくかという事を決めておくことで数多くの領域を掌握する上で物事の緊急性から一歩引いて重要性の観点で考えやすくなって気がします。

また、チームに対してもこの流れを説明しておく事で、週次ごとに進捗をしている必要がある事等を共有できリズムができて良かったのではないかなと思っています。

新年2本目はこんな感じで軽めに。

2021年1月2日土曜日

海外で働く付加価値は6つに分類可能



 











さて、新年あけましておめでとうございます。


と言いつつシンガポールは、常夏で、2日以降は普通の週末、新年明けてから珍しく梅雨のようにずっと雨という事で正直新年という気分はあんまり無いです。どっちかって言うと本番は春節ですかね。


という訳で、ちょっと焼き直しになってしまうのですが、何回か話している海外就職について書いています。前回の記事で書いた海外で働く事は働くけれど、結局付加価値は日本関連というのはこの下から二番目にカテゴライズされると思います。


以前の記事でも、前回の記事でも書いたようにキャリアは少しずつピボットしていけば良いと考えているので、日本以外の国で日本以外の企業においてマネジメントをするためには、そもそもロケーションを移してしまうというのは悪くない一手だと思います。そのために6つのカテゴリを整理してみたので、ちょこちょこ書いてみたいと思います。


1) 賢さ突破

こちらは、なんというか身も蓋もないのですが、世界を探してみても圧倒的に賢くて国籍とか関係なく需要がある人を指します。こちらってあんまり頑張ってもどうにかならないので詳細は割愛します。

2) ニッチ人材

個人的にはおすすめで、自分自身もここにいるのですが、いくつかの持っている能力の掛け算によって非常にニッチなポジションで戦うため国籍を超えて戦う事ができる人たちです。多くの場合、3−4くらいの要素が多いのですが、例えば、下記の様な要素を一人で持つ事で狭い領域で戦う事ができます。

例)ヘルスケア業界のBusiness development

  • 投資銀行等での経験によりファイナンスの深い知識がある
  • 弁護士の経験により契約に関する知識が豊富である
  • ヘルスケア業界の知見に長けており、技術の評価ができる
というような要素を持つ人は世界中では少なく常に需要があるでしょう。

3) 言語非依存スキル

こちらは、Finance、エンジニア、分析 の仕事等、そこまで言語に依存せず多くの国での仕事が同様な仕事です。楔を打って新しいポジションを取るためには悪くないでしょう。特にFinanceを経てからマネジメントに行く例は結構見る事が多いです。


4以降は省略しますが、自分ならどれが良いのか、どれならできるのか新年のお休みにゆったり考えてみるのも良いかもしれないですね。議論のたたき台くらいになれたら幸いです。