2022年1月29日土曜日

身の丈を知れなんて無視し、可能な限り早くポジションと給与を上げる事が大切



以前、Twitterで転職でより高いポジションで入れる事があったとしても、いかに長期的に成長できることが大切なので低いポジションから始めるべきみたいな主張を見かけた事があって、それについてちょっと思うところを書いておきます。(実はTwitterでさくっと検索してみたものの見つからなくて、藁人形を叩いている人の気分に少しなっています笑)

Twitterにも書いたのですが、ハイレベルとしてはこんな事を思ってます。
  1. 給与は%で上がる事が多いので、複利の効果が高い
  2. ポジションが人を育てるので、早く上がった方が良い
  3. 準備ができるタイミングなんて存在しない
  4. 誰かが上げると意思決定したらポテンシャル含めて評価は十分

1. 給与は%で上がる事が多いので、複利の効果が高い
同じ15%給与が上昇すると考えても複利の効果を考えると、長期的には大きな差になります。それに給与が決まる時は転職でも昇進でも本当一部の場合を除いて、現在もしくは過去もらっていた給与をベースにオファーが出る事が多いです。なので、現在もらっておく事は大きく価値があります。また若いうちに手に入れた100万円は自分や株式に投資したりする事で将来へのリターンも大きく異なってきます。

2. ポジションが人を育てるので、早く上がった方が良い
こちらは本当考え方なのですが、特にIndependent contributorからPeople managerだったりといったような質的に仕事の変化がある時は、実際にその仕事をして、失敗して、学んでって経験をして育って行く方が圧倒的に早いです。

3. 準備ができるタイミングなんて存在しない
じゃあ事前に準備をしておけばもっとスムーズにって思うかもしれないですが、その立場に立たずに自分ごととして捉えて準備をする事は相当難しく、いくら準備をしたところでどこで満足するかは自分の決めの問題です。むしろ、どういった状況でも大丈夫と信じられるほどの自分への信頼を獲得する事が大切だと思います。

4. 誰かが上げると意思決定したらポテンシャル含めて評価は十分
こちら少しコメントをもらったのですが、昇進なりポジションを上げての転職が選択肢としてあり得るっていう事は誰かが承認しているという事です。多くの場合、その承認者にとってあなたが成功する事はその承認者の成功であるわけで、彼ら、彼女らもリスクを取って提案をしています。つまりは承認されている時点で、ポテンシャルや成長速度の期待も含めてきっと大丈夫だろうと信じているという事です。自分自身への評価って難しいですよね?信頼できるボスの評価を信じて飛び込んでみるっていうのもありかもしれないですよね。

ではでは

2022年1月22日土曜日

チームメンバーとの1 on 1で何を話すのか

 

多くの企業で行っていると思う1 on 1なのですが、自分自身も新卒の時からマネージャーとの1 on 1が定期的にある仕事をしてきていました。数多くのマネージャーと働いてきた中で、1 on 1をする際に色々と気をつける事があって、それについて今思っている事をまとめておこうと思います。

大切な事は大きく4つ考えています

  1. WLBと仕事以外の状況はどうか確認する
  2. 困っている事を聞く
  3. 仕事の話を相手の力量と状況に合わせて議論する
  4. 大切にして欲しい価値観、ビジョン、チームメンバーに成功して欲しい事を伝える
と書くと大変簡単なのですが、1 on 1というと仕事の進捗を話してしまいがちになるところを一歩引いて、チームメンバーが心理的安全性を持ってもらって働く事を最終的な大きな目的としています。具体的な仕事の内容は必要があればトピックごとにミーティングを別途設定すれば良いと思っているからというのもあります。一つ一つ理由を説明していくと
1. WLBと仕事以外の状況はどうか確認する
仕事に取り組むためには仕事以外に問題がないことが理想です。ただし、仕事だけに集中できる期間というのはあまり多くないため、働いている時間は問題ないか、(本人が話す事に関して問題なければ)家族や健康状態はどうか等を聞いて確認をします。こういった問題は意外と切り出しにくいのでこちらから確認するようにしています。


2. 困っている事を聞く
次にこちらの話したい内容とは別に何か困っている事がないかをオープンな質問で確認していきます。それによって、相手に考えてもらい、言いたいけど言えなかったという状況を回避しやすいと思うからです。ただ、こういうのってただ聞くだけじゃなくてこの人に相談して意味があるとか聞いてくれるとか価値があるとか問題がないとか思ってもらえないと難しいので言うのは簡単ですが、実践は難しいと思います。

3. 仕事の話を相手の力量と状況に合わせて議論する
次に実際に仕事の話をしていくのですが、以前の記事で書いたようにSituational leadership等であるようなフレームワークを使って仕事の状況や相手の力量によってどの程度まで具体的に踏み込むかを決めて踏み込んでいきます。

4. 大切にして欲しい価値観、ビジョン、チームメンバーに成功して欲しい事を伝える
会社の文化を浸透させる事は本当簡単な事ではないのですが、ビジョンや価値観を何度も会話の中に出したり、意思決定の基準として使ったりしていきます。また、最後にチームメンバーに成功して欲しい事を伝えて心理的安全性を最後に高めていきます。

とこうやって書いてみると簡単な話なのですが、心から信じてもらえるためにはもっと多くの準備や普段からの言動が大切になってくるのでその要素についても後々触れられたらなと思います。

2022年1月15日土曜日

大きくなり続けるプレッシャーにどう対応していくのか

 

ちょこっと質問箱にも質問をもらっていたのですが、仕事で結果を出せば出すほどプレッシャーや解決しなければいけない問題は大きく、数も増えていきます。例えば自分の場合、現在25の代理店と11カ国に渡って仕事をしていて、直接自分にレポートするスタッフは八人になります。スタッフの所在地も複数の国に渡っていて常にどこかで何かの問題が起こっています。初めの頃はこういった環境に慣れるのも大変だったのですが、色々と自分なりのバランスの取り方を考えてみたので、そんな構造化せずに書いてみようかと思います。

Anticipation(想像する)

問題は常に起こるものだと思っておくようにしています。他の人たちから少し話を聞いた範囲だと、期待をしてその期待を裏切られることから落胆したりストレスが溜まったりします。なので、そこは一個考え方を変えて、そもそも問題は起こるはずだと思っておくことが良いと思います。また、もう一歩先に進んで、実際に打ち手を考えてみたら競合や顧客の立場に立ってみて実際に失敗しそうなことを想定していくと良いと思います。そうすると打ち手の質も向上していくと思います。

Recognition(認知する)

まぁとは言ってもストレスやプレッシャーというのは想像を超えて重なったり大きくなったりするものです。そういった時に色々な方法で自分の状態を認識することが大切だと思っています。7つの習慣とかをちゃんと読んで実践している人とかは自分の社会の中での役割について分解して整理していると思うのですが、そういった、親、子ども、夫、シンガポールのGM、マレーシアのGM等といった感じでそれぞれごとにどの程度の大きさの問題がいくつあるのか週に一回くらい見える化してみるのも一つの方法だと思います。または、普段ならできていること、例えば日記を書くとか、走るとか、テニスをするとか、色々なことがどのくらいできているのか認識してみることで時間的、精神的余裕が出てくると思います。

Solution(解決する)

ってな訳で自分に対してストレスがかかったことを認識したあとですが、当然解決しにいきます。解決すると言ってもいくつか方法があります。

  1. そもそも解決しない/ できない事を決める
  2. 普段からレジリエンスを高くしていく
  3. 可能な限り人に頼って解決する
1は結構大事なのですが、そもそも解決する価値があるのかどうかを判断する事が必要だと思います。悩まされているものが実は人生にとって大事じゃないとか、自分の力では解決できないって事もあると思うんです。もしそれに当てはまると判断をしたら、もう放っておく事に注力してみましょう。
2については、いくつか方法があると思っていて
  • 会社、家以外のコミュニティを持っておき居場所をいくつも持つ
  • 色々なことを忘れられる趣味を持つ(テニスとかゲームとか!)
  • 仕事以外で誰かに役に立てる場を持つ
  • 分かりやすい成果を見えるような事をしてみる
どれでも良いのですが、普段からある程度自分の中でのセーフティーネットを作っておくと良いと思います。特にCOVIDにより分断が進みつつある世の中においてはより大切だと思います。
3は私がこの五年間で特に思っている事なのですが、世の中には色々な事に関してプロがいます。そういったプロに対して対価を払って相談をする事で驚くほど問題は早く解決したりします。新卒の時に、自分が困っている事は過去誰かが困ってきているから答えは多くの場合あると言われた事はまさにそうだなと最近改めて感じています。

仕事が順調になればなるほど、大きくなっていくプレッシャーそういった事に対応していくなかでコンセプトとして自分はどう考えているのかをまとめてみました。

2022年1月9日日曜日

「賢い人としか働けない」という人は売上を伸ばせない



最近何かの流れで見かけた「賢い人としか働きたくない」や「賢い人としか働けない」というコメントを見つけてこういう人はマネジメントに向いてないよなぁと思う機会があったのでちょっと考えをまとめておこうと思います。

営業やロジスティックスは売上を大きくしようと思うと人数を増やす必要がある

まず大きな前提として多くのビジネスをしていく上で、売上を大きくしていこうと思うと営業やロジスティックスの人数は増えていきます。売上を分解する要素はいくつもありますが、売上=営業一人当たり顧客人数 X 顧客単価 X 営業の人数とざっくり計算する事ができて、営業の人数は比較的コントロールして数倍に増やせますが、他の数字は30%改善できたら相当良い方だと思います。この前提は一部ソフトウェア等良い製品で良い値付けなら勝手に売れる製品は対象外です。

人数を多くしようとすると全員が賢く仕事が得意という事は難しい

実際に採用をしてみようとすると、驚くほどブランド力があるか利益率が高い企業を除いては全員が仕事が得意という人を採用する事は不可能です。多くの場合、仕事がやや苦手な人たちともうまく働き、彼らのモチベーションを高めていく必要があります。ロジスティックスにおいては比較的クリエィティブな仕事が少なく仕組みを導入しやすいため賢さだけでも成果が出せる可能性が高いのですが、営業部門においては、チームメンバー一人一人がモチベーションを高め、顧客に対して個別対応をして伸ばしていくという事が必要になってきます。

「賢い人しか働けない」という人は営業部門のマネジメントが難しい

ここでお題の賢い人しか働けないと堂々を言ってしまうような人を考えてみると、営業部門を率いて成果を出していく事が難しく、ジェネラルマネージャーはもちろん経営者としては相当厳しい事がわかると思います。自分自身を賢いと思っている人が多くの人数がいる営業部門を率いて結果を出す、つまり、売上を伸ばしていく事が相当難しいからです。

最後に)仕事ができない=賢くないではない

今回は論理を簡単にするため仕事ができない=賢くないという大変乱暴な前提を置いたのですが、筆者は必ずしもそうは思っていません。なぜなら人は本当それぞれ人ごとに得意な事があって、それが必ずしも仕事に連結している訳ではないと思っているからです。ただし現代社会において得意でない事をしてでも幸せな人生を過ごすためには働く事が必要で、そういった状況も含めて「賢くない人」とざっくり乱暴に置いています。感情的な知性、言語的な知性、人を率いる知性、などなど色々な知性の方向性があって、それぞれ人ごとに得意なものがあると思っています。

2022年1月1日土曜日

アスピレーションを持つ事の大切さ

新年明けましておめでとうございます。改めて考えると2009年に働き始めてから、もう10年以上経ちますし、2015年にMBAを卒業してから丸六年以上経った事になります。前職のリーダーシッププログラムで同じプログラムにいた友人たちと忘年会をしていたのですが、何かになりたいと継続して三年以上持ち続ける乗って難しいよねぇという話になりました。三年以上経つと皆マネージャーになったり、結婚したり、子どもができたり、自分の親に変化があったりして、MBA卒業時に持っていたアスピレーションが相対的に小さくなってきてしまう傾向にあるよねって色々な例を見て強く感じています。前にBlogで書いたようにファイティングポーズを取る人が減ってきてしまうんですよね。

さて、それとは別に最近、入山章栄という人の世界標準の経営理論という本を読んでおり、フレームワークをただ学んでもらうのはチームメンバーに教える上であんまり意味ないようなぁと思っている中で本当に刺さった本でした。(英語で似たような本がないかはちょっと探してはいます。)その中で下記のような図が紹介されており、組織の意思決定の循環プロセスについて説明をしています。



簡単にまとめると以下のようになります。(世界標準の経営理論11章よりKeniまとめ)

  • 現場に対する満足度が低いほど新たに選択肢を探すサーチを行う
  • アスピレーションとは自社を評価する基準・目標の高さ
  • サーチはコストも時間も認知的な負担もかかるため、企業は現状に満足するとサーチを行わない事は合理的と判断してしまいがちになる
  • よってうまくいっている時に目線を高く保てるかが大切
この企業における企業行動理論なのですが、個人のキャリアにも当てはまる事があるんじゃないかと思います。企業と個人のキャリアで違う事としては、個人のキャリアはあくまで個人のものなので上場企業と違って、株主からの外的プレッシャーもないため目線を下げて現状に満足する事が大変簡単です。また、目線を上げ続けたら現状で幸せを実感できないという副作用も出てくると思います。元々の欲望の器と言ったらそれまでかもしれないですが、自分がどこで満足するのか今持っているものは発展途上の副産物に過ぎないのではないかと自問自答することが大切なんじゃないかなと思っています。新年のちょうど良いタイミングに自分のアスピレーションについて考えてみても良いかもしれませんね。