最近何かの流れで見かけた「賢い人としか働きたくない」や「賢い人としか働けない」というコメントを見つけてこういう人はマネジメントに向いてないよなぁと思う機会があったのでちょっと考えをまとめておこうと思います。
営業やロジスティックスは売上を大きくしようと思うと人数を増やす必要がある
まず大きな前提として多くのビジネスをしていく上で、売上を大きくしていこうと思うと営業やロジスティックスの人数は増えていきます。売上を分解する要素はいくつもありますが、売上=営業一人当たり顧客人数 X 顧客単価 X 営業の人数とざっくり計算する事ができて、営業の人数は比較的コントロールして数倍に増やせますが、他の数字は30%改善できたら相当良い方だと思います。この前提は一部ソフトウェア等良い製品で良い値付けなら勝手に売れる製品は対象外です。
人数を多くしようとすると全員が賢く仕事が得意という事は難しい
実際に採用をしてみようとすると、驚くほどブランド力があるか利益率が高い企業を除いては全員が仕事が得意という人を採用する事は不可能です。多くの場合、仕事がやや苦手な人たちともうまく働き、彼らのモチベーションを高めていく必要があります。ロジスティックスにおいては比較的クリエィティブな仕事が少なく仕組みを導入しやすいため賢さだけでも成果が出せる可能性が高いのですが、営業部門においては、チームメンバー一人一人がモチベーションを高め、顧客に対して個別対応をして伸ばしていくという事が必要になってきます。
「賢い人しか働けない」という人は営業部門のマネジメントが難しい
ここでお題の賢い人しか働けないと堂々を言ってしまうような人を考えてみると、営業部門を率いて成果を出していく事が難しく、ジェネラルマネージャーはもちろん経営者としては相当厳しい事がわかると思います。自分自身を賢いと思っている人が多くの人数がいる営業部門を率いて結果を出す、つまり、売上を伸ばしていく事が相当難しいからです。
最後に)仕事ができない=賢くないではない
今回は論理を簡単にするため仕事ができない=賢くないという大変乱暴な前提を置いたのですが、筆者は必ずしもそうは思っていません。なぜなら人は本当それぞれ人ごとに得意な事があって、それが必ずしも仕事に連結している訳ではないと思っているからです。ただし現代社会において得意でない事をしてでも幸せな人生を過ごすためには働く事が必要で、そういった状況も含めて「賢くない人」とざっくり乱暴に置いています。感情的な知性、言語的な知性、人を率いる知性、などなど色々な知性の方向性があって、それぞれ人ごとに得意なものがあると思っています。