さて、前回と同様に結婚をきっかけに日本から海外へ引っ越し就職した方の紹介です。前回はアメリカでしたが、今回はシンガポールになります。日本で働いた金融の経験を活かしアジアの金融都市であるシンガポールで最初は日本人である事を強みに就職していくものの、少しずつ「日本語もできる事」が強みになっていくプロセスについて伺えました。特に日系企業のいわゆる現地採用には満足いく待遇でない事が多いと感じる事と日本語必須の仕事をしていてはキャリアの幅が狭まる事を聞けたのが印象的でした。
私見では日本経済は未だに大きく、海外に出ていく上では日本企業と仕事ができる事が未だに大きなメリットになると思います。相対的に日本経済の魅力が下がっていく中、早めにその強みを活かして海外に出ていく事は大事だなと感想を持ちました。
移住のきっかけ
- 日本で日系・外資系の金融機関に勤務し、リテール営業や審査部門など幅広く経験。
- 仕事のプロジェクトで出会ったシンガポール人男性と結婚し、彼がシンガポールへ戻るタイミングで一緒に移住を決意。2016年9月に渡星した。
シンガポールでの就職と転職
- 渡星当初は無職だったが、たまたま米系金融機関が日本人を募集しており、2週間ほどで内定を得る。
- その後、LinkedIn経由で別の金融機関から連絡があり、1週間ほどで転職が決まる。フロントからバックオフィスまで幅広い業務経験が、国を越えても採用されやすい理由だった。
職場文化の違い
- シンガポール特有の文化よりも、会社ごとの文化の差に驚きがあった。例として「もうご飯食べた?」と日常的に聞いてくることなどが新鮮だった。
- AIプロジェクトをはじめとする先進的な取り組みが進むアジアの一方で、日本は言語や商慣習の壁が原因でプロジェクトから外れがちである現実を知り、ショックを受けた。
日本語スキルとキャリアのジレンマ
- 日本語が武器になるおかげで採用されやすい面はあるが、同時に「日本語必須」のポジションしか選べないリスクもあり、キャリアの選択肢が狭まるジレンマを感じる。
- 日系企業のポジションは給与や労働環境の面で厳しいことが多く、日本語が「必須」ではなく「追加スキル」となるポジションを目指すようになった。
- 渡星して8年ほど経った現在の仕事は、日本語が絶対条件ではない役割を得ており、より幅広いキャリアを築けている。
今後の展望とメッセージ
- 結婚を機に予期せぬ形で海外へ飛び出すことになったが、シンガポールでの生活や仕事を通じて日本の置かれた国際的な状況を実感。
- 「日本語ができます!」だけでは通用しにくく、「日本語もできます」というポジションが重要になっていると感じる。
- 結婚によって当初の日本でのキャリアプランは変わったが、海外で幅広いチャンスを得られたことで視野が広がった。いまも「シンガポールに住んでいるのが不思議」と感じる瞬間があるが、結果的に多くの可能性と学びを得ている。
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