2025年2月10日月曜日

海外就職レポート0017 PhDを日本で取得したあとポスドク以降アメリカへ

さて、今日は引き続き研究畑の方のご紹介です。特に印象的だったのは日本では主に評価されるのは時間的なハードワークであり、それが評価されると時間的なハードワークから抜け出しにくくなってしまうが、それを抜け出しアメリカに来て比較的満足度高く働いてらっしゃる方の話はとても印象的でした。


日本での学びと経歴獣医資格を取得したあと、日本で博士課程へ進学。民間財団からの資金援助を受けつつ博士号を取得し、博士取得後に1年ほど研究に携わる。

その後、指導教員(ボス)が獲得したプロジェクト型のグラントを利用し、アメリカ東海岸でポスドクとして約5年間勤務。


アメリカ就職への転機ポスドク途中で、「アメリカでやっていけそう」と感じて転職活動を始める。

約60のポジションに応募し、10大学のオンライン面接、3大学の現地面接を経て、2大学からオファーを得る。

現在は福利厚生が比較的充実した環境にいるが、かつての有期雇用時代は保険や年金、家賃などの負担が大きく、手取りが少なく苦労が多かった。

ポスドクの魅力と孤独ポスドク時代は好きな研究に打ち込める点が大きな魅力だったが、研究室内で気軽に雑談や相談ができる仲間がいなかったことが精神的につらかった。

英語でのやりとりに苦労し、話しかけられてもスムーズに返せず凹むこともあったが、半年ほどで徐々に慣れていった。

海外を選んだ理由と日本への思い「日本にいたくない」という気持ちが強かった。また、博士課程の頃は学振に落ち続け、奨学金(実質的には学資ローン)がどんどん積み重なっていった。

日本では長時間労働(8時~22時など)が当たり前で、それが推薦状に“ハードワーク”として書かれることが多い。そうした働き方を続けたくない思いが、海外でのポスドク生活を選ぶきっかけになった。

まとめ好きな研究をするため、ポスドクとしてアメリカへ渡ったが、その過程で孤独や言語の壁、経済的な苦労を経験した。

それでも、「日本にいたくない」「過酷な労働環境を変えたい」という強い動機が支えとなり、海外でのキャリアを切り開くに至った

今後海外を検討する方へのメッセージ

ぼくと違い日本で恵まれた環境にいる皆さんには海外に行く選択肢はメリットがなく、ただ無謀な選択だと結論するかもしれません。しかし海外に行った人で、海外での経験を後悔していると答えた人を見たことがありません。あなたのような才溢れる研究者こそ海外に行き、持つ能力をさらに引き出すことべきであり、その行動が日本の研究の未来に一石を投じる結果になるのではないでしょうか?

みなさんの挑戦を、遠きアメリカ中西部より心より応援しております。

0 件のコメント:

コメントを投稿