2025年2月9日日曜日

海外就職レポート0016 PhDをイギリスで取得しポスドクからのフルタイムへ

さて、今回は大学時代からの友人に協力してもらってインタビューをしてみました。大学時代に部活動で一緒に頑張って友人の発展のストーリーや今まで聞いた事がなかった苦労話等も聞けて良い機会になりました。さて、ストーリーそのものですが、博士号を取って現地で就職するのは比較的再現性の高いルートな可能性が高そうです。ビザを取る上で色々な国で優遇される事も多く専門性という意味でも証明はばっちりですしね。

私の専門分野では、日本の研究者の多くが国外で学位を取得していたため、私もPhDは国外で取得したいと考えていた。奨学金の機会にも恵まれ、イギリスでPhDを取得。その後、一度日本に帰るとキャリアの選択肢が狭まり、一方通行のように感じたため、イギリスで就職活動を開始した。


イギリスの人文・社会学系の分野では、PhD取得後はポスドクとして職を得るのが一般的である。そこで、フェローシップ型(自身の研究を進めるスタイル)とプロジェクト型(特定のプロジェクトのためのポスドクで、比較的採用されやすいもの)の両方に多数応募した。その後の就職活動も含めると、博士課程修了までに15件、博士修了後の4年間で52件の応募を行った。


プロジェクト型のポスドクとして2つの大学で約3年半勤務したが、その後の職がなかなか見つからず、一度日本に帰国することとなった。ただ、帰国直前に面接を受けていた助教授レベルの現職に採用され、ぎりぎりのところでイギリスに残る道が開けた。


しかし、ビザの関係で帰国後すぐにイギリスへ戻ることはできず、再渡英の前に、博士論文の審査員を務めてくださった方が所属するドイツの大学で半年間ポスドクとして勤務した。その後、日本でイギリスのビザ申請を経て、再びイギリスに渡った。


現在の職は任期の定めがなく、ポスドクよりはるかに安定している。しかし、イギリスの大学では、採算が取れない分野のプログラムを廃止し、教員をレイオフすることも珍しくない。そのため、今後も安定しているとは限らず、レイオフされても次の職を得られるよう、研究業績をはじめとする競争力を維持しておくことが重要だと考えている。


日本への本帰国も検討しているが、日本の大学では研究・教育以外の業務負担が大きく、帰国すれば研究業績の低下や競争力の減少は避けられないと予想されるため、まだ決断には至っていない。


【若手研究者へのアドバイス】

分野にもよるが、研究は国に左右されにくいため、研究職は国外勤務を目指しやすい職の一つだと思う。特に博士号を国外で取得すれば、その可能性は十分に広がる。海外での研究職を視野に入れるのも良いのではないだろうか。

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