2021年5月23日日曜日

PIP(Performance Improvement Plan) 実施編


さて、三回目になるPIPに関してなのですが、今回は最終回という事でPIP中に気をつけることについて書いていこうと思います。前二回の記事において、PIPを提示したらすぐ辞めてしまう。もしくは辞めてしまう可能性が高いのではないかという意見があったのですが、それについても少し触れようかと思います。


前回の記事でいくつかパターンがあると書きましたが、それぞれについて念頭に置きつつ、基本的にはPIPを乗り越えて求めるレベルまで成長してくれる事をメインシナリオに置いていきます。
  1. PIP期間を乗り越えて継続的に雇い続ける
  2. PIP期間終了後、目標未達で辞職
  3. PIP期間中、対象者から自主的に辞職
  4. PIP期間中、雇用者から辞職を勧めたり、契約解除したりする

PIP中に気をつける事1: 対象者のモチベーションを維持する
PIP対象者のモチベーションが落ちないようにする事をまず大切にします。PIPの対象になるという事は、本人にとってもショックである可能性が高く、立ち向かうのかそのまま逃げてしまうのかは本人によって選択肢が異なってくるでしょう。ただ、PIPは短期的にショック療法的な側面が多い分、心が折れて会社を辞める事を主な選択肢として選ぶ人も一定割合います。対象者のポテンシャルを信じて乗り越えてもらうために様々な方法でモチベーションを維持、増す事を心がける事が大切です。

PIP中に気をつける事2: コミュニケーションは記録を残す
PIPは本人の進退問題が関わってくるので、後々揉める事が通常より高いです。結果後々のトラブルを防ぐために、ミーティングで話した内容を簡単にまとめて送って同意を取っておく。節目となる月次のPIPの進捗状況のミーティングにおいては人事や法務等の同席をするようにしましょう。

PIP中に気を付ける事3: 定期的に改善状況をコミュニケーションする
具体的には週次でのミーティングでアクションアイテムの合意、必要なリソースの確保、仕事の調整等をしたり、月次のミーティングで改善の状況をコミュニケーションしていきます。このコミュニケーションは2つの意図を行うべきだと思っていて、一つは改善がうまくいっている時にちゃんと伝えて良いタレントが流出してしまう事を防ぐ事。もう一つは改善がうまくいっていない場合に本人にその理解をしてもらって期待のコントロールをしていく事です。自分の中ではうまくいっていると思っていたところ3ヶ月後に急に目標未達ですと言われた場合、感情的になり受け入れる事が難しくなってきます。以上のような二つの目的のためにも定期的にフィードバックを伝えていく事が大切です。

PIP中に気をつける事4: 周りへの悪影響がないかしっかりモニターする
PIPの対象になるという事は基本的にパフォーマンスが期待を満たしていないという事だと思います。人によってはPIPを出された事でストレスを自分だけで抱えられず、周りに組織に対する文句を言い始めたりして悪影響を与えたりする人も一定割合で出てきます。PIP対象者がPIPプロセス中にいる事はもちろん他の人に公開はできないですが、それとなく態度をモニターして、必要に応じて対応を取っていく必要があります。もし悪影響が多いと判断した場合は、PIPプロセス中でも早めに対処する事も検討しなければならないでしょう。

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