2021年5月16日日曜日

PIP(Performance Improvement Plan) 準備編


 前回は導入編という事で、そもそもPIPってなんでしたっけっていう記事を書いてみました。本当は人事の人から専門的な内容を書いてもらった方が良いのですが、マネジメントとして少し表層的なものを分かるだけでも良いんじゃないかなという目的で書いています。
さて、今回から、準備編、途中編、事後編に分けて記事を書いていく予定で第二回目の準備編について書いていきます。

準備編という事なので、誰に対してPIPを行うのか大まかに決まったあとどういう風に進めていくのか、その際に考えていく論点は何かという事についてまとめておきます。

PIPの書類の準備
  • 既存のテンプレート及び法的根拠をHR, Legalと共に確認
複数の国を抱えている方は多いと思いますが、既存のテンプレートを使った場合にPIP対象者が十分カバーされて必要な機能を果たせるか確認します。特に国によって雇用者、被雇用者の権利は異なるため、後ほど問題になるリスクを最小化しましょう。
  • 現状の未達成及び期限内での目標の明確化、定量化
PIPになるためには根拠が必要です。具体的にどういった点が現在の職務に対して不足しているのか、また期間内に何を達成したらPerformenceが改善したと認識するのかについて、可能な限り明確化、定量化しておく事が大切です。初めの頃は仕方ないと受け入れていた対象者も少し時間が経つと様々な事を考えたり、問題が複雑になった時に解釈の余地を残せば残すほど問題が起こる可能性があります。
  • マイルストーンとなるミーティングのセット
二週間に一回かそれ以上にPerformance改善がうまくいっている場合はちゃんとRetentionを高め
、うまくいっていない場合は辞めるための心の準備がお互い整っていきます。また透明性のためにも合意した改善目標において今どれくらいなのか明確に説明して、議論のまとめをメールで送って記録を残しておくようにしましょう。

結果による下準備

PIPを提示するという事は対象者にとって非常に大きなストレスであり様々な事を考えさせるきっかけになります。結果どうなるかは何パターンしかないので事前にどういう状況が起こっても良いよう備えておく必要があります。
起こる可能性としては
  1. PIP期間を乗り越えて継続的に雇い続ける
  2. PIP期間終了後、目標未達で辞職
  3. PIP期間中、対象者から自主的に辞職
  4. PIP期間中、雇用者から辞職を勧めたり、契約解除したりする
という4つのパターンがありえます。急にいなくなった場合、誰がどう仕事の代わりをするのか、レピュテーションのリスクをどう管理していくのか等を考えておく必要があります。パターン3が実は結構多く、パターン4は一番避けたい事態だと個人的には思います。パターン4はPIP期間であるものの態度やパフォーマンスがさらに悪化し、周りのチームメンバーに対して悪影響が出始めたケースなどは、雇用者側からアクションを取る必要が出てくるでしょう。

という事で、事前準備編を書いてみました。次はPIP中に気をつける事を書きたいと思います。

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