2025年3月23日日曜日

海外就職インタビュー0029 PhDから米国へ、ポスドクを経て米国就職

さて、今回は、PhDからアメリカに留学した方のお話です。やはりPhDを取ってからのポスドクは海外在住への再現性がかなり高いように見えますね。特に興味を持った点は学振がうまくいかなかったあとに留学の準備を始め、会った事もなかった先輩が縁を作ってくれた事もあり留学できた点ですね。他の方を見ても多くの人がすでに海外にいる人から縁をもらってサポートを受けている印象です。そのためにも行動力が大切なのですが、この方も行動した結果そういった人と出会い縁を得られたのだと思います。加えて、完璧に準備をするのは難しいのでひとまず留学できるならしちゃうのが良いという意見もとても実践的で良いと思いました。

日本の大学院からアメリカのPhDへ

  • 高専→地方旧帝大の修士まで土木を学び、その後アメリカでPhD留学。
  • 留学先を選ぶ際は、大学の先生から「著名な研究所がアメリカに3つある」と教わり、タイミング的にギリギリだったが、同じ大学の先輩が繋いでくれた縁もあり無事合格。
  • 経済的に親にあまり負担をかけられないことや学振を逃したことから受験準備が遅れたが、TOEFLやGREを数か月の対策で突破し渡米。
  • アメリカの大学から給料をもらえる立場(TA・RAなど)となり、学費や生活費、年1回の帰省費用がほぼ相殺できる状態で留学をスタート。月300ドルほどの学生向けアパートに暮らした。


PhD時代の苦労とポスドク

  • 途中で指導教官を変更し、専門分野も細かく変えたため博士取得まで7年かかる。
  • ポスドクを経て、自身のPhD時代前半の専門領域へ戻る形で就職
  • 留学当初はリスニングが難しく苦労したが、専門用語は予習でカバーでき大きな問題はなかった。成績(GPA)要件も思ったほど大変ではなかった。
  • ポスドク中にアメリカ人と結婚しグリーンカードを取得。ビザサポートを提供する国立研究所のオファーもあり、いずれにせよアメリカに残ることが可能だった。


現在の仕事と生活

  • 今の仕事は10年ほど継続中。周囲を見ても長く勤める人が多い印象。
  • 以前は研究で「道具を作る」立場だったが、今は「作られた道具を使って価値を生み出す」業務で、発想の切り替えが必要だった。
  • プロジェクトにタイムチャージをするシステムにも多少の慣れが必要だったが、PhD取得の遠回りに比べれば大きな苦労はなかった。
  • 住んでいる地域は山が見える自然豊かな環境で、アメリカの生活を気に入っている。


アドバイス

  • 「完璧に準備してから留学する」ことは難しいので、最低限のテスト(TOEFLやGRE)の点数を取ったら思い切って行くのが良い。
  • 独学の限界を感じたら短期集中で予備校を利用するのもおすすめ。弱点のリスニングがスコア向上につながった体験あり。
  • 日本ではジェネラリスト志向の働き方が多い印象だが、アメリカでは専門を深めてプロとして活躍できるキャリアの可能性が高い。

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