さて、100人まではする予定のこの海外就職レポート。次は医師の方にインタビューをしました。医師として働いていた身から、国内の事業会社へ、留学を経て、延長線にあるような仕事でアメリカの事業会社で本社でしかできない仕事に就くという、うまくリスクを管理しつつキャリアステップを取っていた印象です。業界、職種、職位、場所を全て同時に変えるのはMBAを経てもやっぱり結構難しい事が多いんじゃないかと個人的には思っていてそこを段階的に踏んでより良い自分のキャリアの方向にうまく舵を切っていった例じゃないかと思います。インタビューしていてそれぞれのタイミングで苦労や苦悩もありつつ道を切り開いてきた方の話を聞けてとても楽しい時間でした。
背景: あなたのバックグラウンドや海外に移住した動機について教えてください。
医師をし、6年目に入り成長曲線が緩やかになってきた頃、典型的な臨床医のキャリア以外にも漠然と興味を持ち、幅広く転職活動をした。むやみに戦略コンサルなども受け落ちたものの、職場の上司に製薬会社で働くベテラン医師を紹介してもらい、そのアドバイスを元に業界理解を深めた上で、製薬会社の臨床開発部門に就職することにした。期待し入社し新たな環境を楽しんだものの、プロジェクトが無くなり余力を持て余していた。5歳から7歳までアメリカに住んでいた経験があり、子どもに同じような環境を与えたいという希望があったが、社内からの海外出向は難しそうだったため、キャリアの模索もできる海外MBA留学を検討した。
移行プロセス: 日本からアメリカ(または他国)に移住するためにどのような手順を踏んだか?
もともと子供の英語力をつけるためにひとまず2年ほどMBA留学をし、留学期間を終えたら帰国する予定だった。アメリカでインターンを経験した結果、海外の広大な本社キャンパスや日本では触れられない本社での仕事を見て、まずはアメリカ就活を頑張ってみよう、とマインドセットが変わった。インターン先からはオファーをもらえなかったが、一般的なルートで就活をして仕事を見つけた。50社応募して面接に進んだのは4社くらいだった。
課題: 最大の課題は何だったか?それをどのように克服したか?
インタビューに呼ばれないのが最大のボトルネック。アメリカでの職務経験がないからなのか、ビザの問題なのか、原因は判断できなかった。Rejectionを気にせず、ひたすら淡々とインタビューに呼ばれるまで知り合いを紹介してもらったりしてネットワーキングを続けた。
文化適応: 新しい文化や職場環境にどのように適応したか?
MBA学生生活やインターンの間にいろいろ慣れたり経験できたので、2年間の学生生活で順応できた。コロナ中だったのでオンサイト、フルリモート両方の経験があったのも助かった。リモートだと相手の顔を見なくて済むので物怖じすることもなく、相手の声の音量を調節できて言語のバリアが減った。職場も西海岸ベースのグローバル企業のため、USベースのメンバーですらノンネイティブが多く、孤独感が少なかった。
スキルと準備: 移住に役立ったスキルや準備は何か?
留学前に特別な準備はしていない。強いて言えば英語の勉強くらい。留学とインターンを経験して成長したことが大きい。MBAでネットワーキングを学んだ。
ネットワーキング: 移住プロセスでネットワーキングはどのように役立ったか?また、どのように人脈を構築したか?
就活の間、LinkedInでネットワーキングをして紹介してもらうようにしていた。たまたま話した人がCXOを紹介してくれ、そこからとんとん拍子で進んだ。仕事探しは各社のウェブサイトと基本的にはLinkedInを活用。
長期的な目標: 長期的な目標は何か?また、それが海外での経験とどう関連しているか?
子どもたちの日本人としてのアイデンティティ教育を除けばアメリカで働き続けたい。アメリカにしかない仕事・キャリアがあり、ここで働くことに意味を感じる。一見無計画なようだが、うまくいかなくても常に戻れる場所を確保して行動している
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