2022年11月27日日曜日

数字やデータは人間味の溢れる形で翻訳して伝える

   会社のミドルマネジメントで働くという特性上、売上、利益等の責任が非常に大きな優先順位の一つになってきます。数字は事業の結果であり、結果が出ていなければ責任者及びチームメンバー等の仕事すら危うくなってしまうので様々な意味で大切な指標の一つです。多くの場合、ミドルマネジメントの持っているたくさんの数字の責任をいくつかに分けてチームメンバーに共有する事が多いと思います。例えば、売上だったら営業に、コスト周りは一部バックオフィスにという形で分ける事が多いでしょう。それに加えて営業利益率は健全に維持する事は全員の利益になるという事も理解してもらう必要があります。

   さて、そんな数字をコミュニケーションする上で、心がけている事は色々な形で数字を分かりやすい形に表現する事です。自分の理解としては、P&Lの一行一行が何に対応しているのか見て対応していけば良いですが、全員がファイナンスの基礎知識がある訳ではないですし、また基礎知識があっても日々の行動に紐づけて全員が解釈出来るわけではないです。

   だからこそ、例えば営業だったら顧客の数と平均売上に分解してみて顧客も○○さんくらいの顧客をあと○○人増やすことで達成できるよねと伝えたり、バックオフィスだったら日々の行動に即して解釈してあげる事が大切です。そういった時に、チームメンバー一人一人の事を触れてイメージさせやすくしたり、顧客のレベル感を具体的な販売額、顧客の性格、ストーリー等にしたりする事で浸透率がぐぐっと上がってくると思います。

   という事で、自分の意思決定は頭を使って、話す時は心を使いましょうねっていう具体的な説明でした。

2022年11月19日土曜日

組織としての意思決定の早さと結果責任のトレードオフ



   最近同じ地域で仕事をする様々な企業のリーダーたちと話をする機会があります。そんな中で、企業の文化や特性による違いを少し言語化できるようになったと思うので、今回はそれについてまとめてみようと思います。
   一般的に米系多国籍企業は意思決定が早く、いわゆる一般的な日系企業は遅いと言われていたります。もちろん例外があると思いますし、良し悪しについては今回は議論するつもりはないですが、こういった差があるという前提で仮定を置いて今回は書いておきます。
   例えば自分の働く企業においては、意思決定の基準はかなり明確で例えば必要な投資があった場合にその投資額の大きさによって一人の責任者が意思決定をすることが可能です。もちろんその意思決定は色々な人と議論をしたりして総合的に判断はしますが個人が最終的に意思決定の権限を持っています。聞く限りでは多くの日系企業では会議等を開いて集団として意思決定をすることが多いと聞いています。つまりは今自分が働くような企業においてはある意味独断で事業に対する意思決定を行うことが可能で結果、意思決定のスピードも早くなるということがあります。
   当然そう言った企業体の中にはトレードオフがあって、個人が意思決定の権限を大きく持つ分、失敗した場合に責任を取るのも個人となります。企業によって失敗や結果が出ない時に対する責任を求める許容度合いは違いますが、半年から数年単位でうまくいかなかった場合、解雇や降格等の対応をされることが多いと思います。実際には降格はあまり多くなくて辞職や解雇が多いのかなという印象です。
   ということで、企業としての意思決定の早さの背景には個人の権限の強さがあり、それは結果的に個人の結果責任に繋がってくると言う話でした。

2022年11月14日月曜日

国ごとの一般化と個別化のバランス


   複数の国でマネジメントの仕事をしていると少しずつ●●人はこういう傾向があるかなぁと思うことが出てくることがあります。それは元々あるバイアスだったり、色々な経験から積み重なって意思決定を簡単にするために一般化をすることが原因だと思いますが、なかなか避けられないものだと思います。今日はそんな一般化と目の前の人に向き合う事のバランスについて書いてみようと思います。
   先日のBlogで書いたように色々な国の人と仕事をする時は、歴史や背景等の情報を収集していく必要があると思っていて、結果的に事前になんとなくこの国の人はこういう人という先入観が生まれてくると思います。それは上に記したように変えることは難しいので、あくまでそれは受け止めてしまってむしろある程度言語化して理解しておくのがよさそうです。
   次に、実際に誰かに会う時に先入観を持つ自分を認識して接することが大切かなと思っています。なぜならどう頑張っても先入観を取り除く事は不可能だと思っていて、むしろどの程度歪んで見ているのかを理解する方が効果的でしょう。そういった先入観を元に意識的にそれを外して、目の前の人を一人の人として捉えどういった人なのかという理解を進める事でバイアスを解消していきます。そのためのツールとして、MBTIだったりエニアグラムだったりInsightsの色の分析等を使って●●人としてではなく、一人の人としてどういう人なのかという理解をする事はそれなりに有効だと思います。そういった型から入りつつも、対話を重ねて相手を理解していく事を続けていく事で一般化による効率化と個別化によるメリットを両方得られ、バランスが取れるようになるのではと思います。今回は結構抽象的な話でしたが、こんなところで。

2022年11月5日土曜日

複数の国でビジネスを展開する上での歴史を知ることの大切さ

   毎年母校の大学一年生に話をする機会を頂いているのですが、どうやら「グローバルリーダー」という自分にはよく分かってない概念を推進するプログラムの人が多く、その中で「グローバルリーダー」として活躍するにはどうしたら良いですか?という質問がよくきたりします。自分には「グローバルリーダー」っていうのがよく分かっていないのですが、多国籍のチームを率いたり、複数の国でビジネスを展開していく上で結構大切だなと思う事は相手の国や民族に対して尊重の気持ちをちゃんと示すために歴史を学ぶ事が大切だと考えています。なので、今回は自分が注意しているポイントや聞くようにしている情報ソース等についても書いておきます。

   まず最初のポイントですが、日本語で書かれたその国の歴史の本を軽く読むようにしてます。別に英語でも構わないのですが、日本語で書かれたその国の歴史は日本との関わりについて書いてある事が多くそこは知識として外せないからです。具体的には例えば東南アジアだと日本人が侵略、植民地化等の事をした場合は冗談でもそういった表現にならないように気をつけたり等の基本的な姿勢を取れます。地雷を踏むというマイナスを防ぐための方法です。

   二つ目ですが、その国の大まかな歴史を通じて誇りとなっているような事件や事象についても理解します。そういった事を理解する事で相手の国の事を少し理解し、ちょっとした話の中から相手への尊重を示す事ができます。もちろん、それほど大きな事件(戦争だったりする事もある)だったりすると賛否両論な事も多いので気をつけないといけないこともあります。

   最後に、幅広く新しい情報を仕入れるという意味でThe Economistの最初にあるThe World this week (Business and Politics)を読んだり聞いたりしています。国で大きなニュースになって世界的に影響を及ぼすような時は大体この記事の中で取り上げられるので重宝しています。最後に個人的になのですが、コテンラジオというPodcastがあってそれが結構楽しいことが多く走ったりしながら聞いています。

   と、色々書きましたが、相手が何を大切にしているかちゃんと理解してコミュニケーションしましょうねって話で、歴史がその中で重要な要素を占めることが結構ありますよってところでした。では、また来週。

キャリアのフェーズごとに鍵となるポジションや経験がある


   最近、前職の大ボスに時間をもらって話をしていたのですが、将来したいと思う仕事をしようと思うと、どうしても必要な経験がいくつかあることが分かってきました。彼は同じ業界で働いて30年とかになろうとする人なのですが、今でも定期的にお世話になっており本当に忙しい人なのにありがたいなと感じます。四年前程にはPeople Managerであること、P&Lの意思決定をできる責任者であることが大切だったと思っていて無事それは手に入れることが出来たと思っています。最近はその先を考えると、次のステップが必要になってくるのかなと感じており、その切り口について書いてみます。
   さて、その切り口ですが、MBA卒業時での切り口と同様に考えていて、そちらは業界、職種、場所、職位の四つの切り口で考えたいと思います。MBAでの卒業時だと職位はあまり議論にならないことが多いのですが、欲張ればそう言った内容も含めて議論をしていくべきだと考えているので敢えて入れています。現実的にはMBA前にマネージャー経験があっても、その後マネージャーとして仕事を得られる人は他の要素を変えたりするとなかなかないでしょう。さて、一個ずつ説明して行きます。
・業界:こちらはまぁ当たり前の話なのですが、キャリアの中盤では絞って一貫性を持つことが大事だと思います。働いて5年−10年くらいは様々な自分探し等で色々行ったり来たりすることはあるかと思いますが、基本的にはここは絞っていく必要があります。
・職種:このBlogはジェネラルマネジメントになるというためのコンセプトで書いていますので、その前提でいくと、マーケティングや営業等、売上に貢献する仕事をする必要があります。StrategyやBusiness developmentのチームからジェネラルマネジメントに上がっていくルートもありますが、王道は営業として結果を出して上がっていくことでしょう。
・場所:どのマーケットで働くか、どのマーケットの経験があるかが大切な要素になってきます。最近思うのはキャリア序盤ではそこまで大事じゃない気がしていて、中盤以降どれだけ大きなビジネスを見られるかという事に関わってくるので大切になってくるようです。
・職位:いくつかプロセスがあって、キャリア序盤だとPeople managerになれるかどうか、中盤だとGMをマネジメントするGMになれるかどうか等が肝になってきます。
   上記をまとめて、各タイミングで何が大事か考えると最初に大切にすべき事はいかに早くPeople managerの経験を得る事だと思います。Managementは経験から学ぶことが多く、できるだけ早くこういったことができるようになるとその後の伸びが違います。次に大切なことはP&Lの責任者になる事です。売上、利益の責任を持ち投資をして結果に出していくという経験から学んで行きます。最後にこちらは最近再認識した事なのですが、さらに上のポジションに上がっていくにはその企業にとって鍵となる市場の責任を持ち結果を出していく必要があります。多くの場合、そういった市場は、アメリカであることが多く、たまに中国、日本、EUだったりします。ただポイントとしては、People manager、P&L Ownerの経験を得たら次は大きな市場を取りに行く事でその企業内でキャリアをさらに上げていく事ができるのではないかという事でした。