2021年6月12日土曜日

「自分のチーム」の区切り方

Aさんは複数ヶ国を見るマーケティングの仕事をしていましたが、最近昇進して、一つの部門のP&L責任を持つ事になりました。立場としては、今までの仕事のカウンターパートだったところに移った事になります。P&Lオーナーには初めてなったAさんですが、苦労しつつもしっかりと事業を立て直していきます。レポートライン上にいるチームメンバーに対しては特にしっかりとケアをしつつ、機会を与え、コーチングを行い、十分なリーダーシップを発揮していきました。そんな中ある日、普段の仕事の中で元々の自分の仕事であるカウンターパートのマーケティングチームの仕事に不満を持っている事に気が付きます。
「自分だったらこんな事はしないのになぁ」
「自分だったら事前にもっとここを考えてしっかり準備しておいているはず」
ただし、あくまでマーケティングチームはカウンターパートであってレポートライン上の自分のチームメンバーではありません。自分の事を顧客だと考えているAさんはマーケティングチームに対して、要求レベルを満たしていない事、改善する必要がある事を伝えていきます。
そうするとマーケティングチームはマーケティングチームでプライドがあるため、関係性が悪化してしまいギスギスしてしまいました。
Aさん「仕事の質が低いけど、自分のチームじゃないから価値を出してくれないと意味ないんだよなぁ」


と、上記の架空の事例についてAさんができる解決方法について今回は書いてみようと思います。もちろん、コミュニケーションを改善するとか、フィードバックの方法を改善するとか戦術的な事でも対症療法は可能なのですが、今回はもう少し根本的な方法を書いてみようと思います。今回の件の大きな問題は、「自分のチーム」の定義です。Aさんは自分のレポートライン上のメンバーを自分のチームと捉えて、それ以外を外部として捉えました。ここが大きな問題で、外部と捉えたら付加価値を受け取る事が目標になってしまいます。


古く項羽と劉邦の例にもありますが、項羽は自分の家臣に対して大変優しく、それ以外を的と捉え厳しく接していきます。それに比べて劉邦は自分以外の人に感謝し力を発揮してもらう事で項羽を破っていきます。(歴史の理解が違ったらぜひ教えて下さい!訂正したいです。)


もう少し別の言い方で言う「器の大きさ」になるかと思いますが、もしAさんが「自分のチーム」という定義を広く捉えてレポートラインのチームはもちろん「自分のチーム」、カウンターパートも「自分のチーム」、外部の企業やその他も含めて顧客に役に立つ人たち皆含めて「自分のチーム」と捉える事ができていたら、単純に価値を出していない事に関して批判をして、改善要求を伝えるという事もなかったでしょう。


新しくマネジメントのポジションになった人は自分のレポートラインのチームにばかり目が行きがちですが、視野を広く持って、自分の器を大きくしていく事も大事で、より大きい視野に立てた頃には次のより大きなポジションの仕事をしても実質変化がない状態になるため移行がスムーズになると思います。

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