「Strategyチーム(経営企画)って会社全体の事も見られるしジェネラルマネジメントに一番近いのかもなーと思ってたんだけど、中で働いてみてそれって結構違う気がするなって最近思ったんだよね」とFortune 500の会社で経営幹部育成プログラムのローテーションの中で働く友人がある日ワインを片手に話題を振ってきました。彼女曰く、Strategyを決める事は多くの場合、各部門長が行っており、実際は調整的な仕事が多かったり、何か特定のプロジェクトで具体的な提案をしても中々実行されないことが不満だったようです。また、Strategy ManagerからDirectorに上がっていっても彼女が手に入れたいGeneral Managementのポジションにうまくつながらなさそうだという意見を持っているようでした。
個人的に上記の内容を興味深いと思っていて少し前提条件と排除条件、またStrategyチームからGeneral Managementへのキャリアへ切り替えた例も示して総合的な意見を書いてみようかと思います。
そもそもStrategy teamの職務責任は?
日本語で経営企画とかって言ったりするとさらに複雑になるのですが、組織によって持つ責任が大きく違って、結構難しいです。CEOの課題を解決するインハウスコンサルタントのようなポジションな事もあれば、Strat planと呼ばれる資料を作るまとめ役や調整役に過ぎない事もあります。なので決まりきった事が言いにくいのですが、一旦全体的に当てはまりそうな事を書いていきます。
また、2020年のデロイトの調査によると39%の企業がCSO(Chief Strategy Officer)というポジションができてから五年以内という事から少なくともCSOというポジションに関してはもしかして比較的新しいポジションである可能性があります。
CEOになるキャリアとしてStrategy部門を経由する事はあまり典型的ではない
次に逆の視点でCEOってどういうキャリアパスを辿る事が多いのかという視点で見てみようと思います。こちらのForbesの少し古いですが、2015年の記事によると下記が一般的なようです。 - 会社の一番主要なビジネスのBusiness unit headを率いるOperational role
- CFOを経験(32%のCEOがCFOを以前経験している)
CSOまで行かないまでも、Strategyチームから、小さい部門のリーダーになる事も同様の事が言えるのではないかと観察している範囲でも思います。
General Managementに必要な要素を満たさないのでは?
また、General managementに必要な要素としては下記の要素があります。(ここは私見なので将来修正予定)
- P&Lの責任を持ち、自分でビジネスを成長させ実行する
- 多様な人材、機能のチームの多層のチームをマネジメントする
まず1.に関してですが、Strategyチームが実行まで関わる事は稀で、また売上に責任を持つ事もほぼありません。少なくとも営業等において、リソース配分や売上を達成する経験等をしていて小さいレベルで成功できるならチャンスをあげてみようと思えるような機会があまりない可能性があります。
次に2.に関してですが、多くの場合Strategy teamは少人数でマネジメントコンサルタント等の経験を持った人がチームに大きくいる可能性が高いです。また少人数であるからこそ、マネージャーをマネジメントするような多層でのマネジメント経験もなく、共通言語があまりないようなチームメンバーをマネジメントする、もしくはそういったポテンシャルを見せるという経験が足りない可能性があります。
ただし、うまくキャリアチェンジを図っている例もあります。
Strategy teamからPivotしていくつかGeneral Managementへのキャリアを経ている例もあるので共有してみようかと思います。
- 全社のトランスフォーメーションの旗振り役として仕事をする上で社内に詳しい人が誰もいない領域にチャレンジするため結局自分が一番詳しくビジネスリーダーになり、新しくできた部門を率いた例
- ポートフォリオ分析をした結果足りないポートフォリオを他社との提携で埋める事になり、その提携案件を率いた結果、締結後もそのビジネスを社内でリードする人になりビジネスリーダーになった例
- 特定の部門のプロジェクトを実施する上で、事業部長から人材としての質を買われて、その事業部への分析部門長へPivotして、それから事業部のマネジメントにキャリアを切り替えた例
色々例はあるのですが、そのまま順当に行ってGeneral Managementになるキャリアじゃないんじゃないのかなっていう事が大枠としての話でした。