日本で五年程度働いた後、スイスIMDでMBAを取得、その後ボストン、シンガポール、シリコンバレーでSales & marketingの仕事をしてきた経験のまとめを書いています。最近は一部海外で就職した人のインタビューもまとめています。2025年6月よりStanford Medicineで修士の学生としても勉強予定です。
2023年11月27日月曜日
自信という概念の粒度を上げてみる
2023年11月20日月曜日
明確な役割を持つ人とそうでない人
クロスファンクショナルチームが成功を収めるためには、チーム全体の方向性の確立、効率的な作業分担、そしてメンバーのモチベーション向上が一般的には不可欠だと思います。はじめにその内容について説明しつつ、最後に実は明確な役割を持たない人が大事だということも書いておこうと思います。
1. 方向性の確立
まず、明確な目標があることでチーム全体に一貫した方向性が生まれます。例えば、製品開発チームが「1年以内にユーザーフレンドリーな新製品を市場に投入する」という明確な目標を持っている場合、デザイナー、エンジニア、マーケティング担当者など、異なる背景を持つメンバー全員が、共通の目標に向かって努力することができます。この共通の目標があるために、個々の作業が大きな絵の中でどのように機能するかが理解しやすくなります。
2. 効率的な作業分担
次に、各メンバーの役割が明確であると、作業分担が効率化されます。例を挙げると、あるチームプロジェクトでマーケティング担当者は市場調査を、エンジニアは製品開発を、そしてデザイナーは製品デザインを担当することになります。このように、各自が得意分野に集中することで、重複したり無駄な努力を避けたりすることができ、全体の作業効率が向上します。
3. モチベーションの向上
最後に、個々の役割が明確であると、メンバーは自分の責任範囲内での成果を明確に認識しやすくなります。たとえば、エンジニアが特定の技術的問題を解決した場合、その成果はチームの目標達成に直接貢献していることが明らかです。このように、自分の努力がチームの成功にどのように貢献しているかを知ることで、メンバーのモチベーションが大いに高まります。
と、教科書的なことを書きつつ、実は大事だなと思うのが明確な役割を持っていない人(プロジェクトマネージャーでも良いです)で手を動かせる人が必要だと思っています。変化の大きいプロジェクト等を行っているといくら責任を明確にしたところでこぼれてくるタスクが存在してきます。そういったときにそこを拾って前に動かせる明確な役割を持っていない人を敢えて設置することが大切だなと思っています。
2023年11月6日月曜日
手に入れられなかったメリットを実感する事は難しい
最近もオンラインオフラインに関わらず、様々な人から相談をもらう機会があり、色々と自分も考えさせられる事が多いのですが、その中で話してて伝わらないなぁって思った事があり、それについて少し書いてみようかと思います。
自分に相談に来る内容はキャリアだったり、留学だったりという相談内容が多いのですがその中で、説明をする時に「〇〇という選択肢には〇〇というメリットがあって、そうするとこんな良い事があると思うんだよね。」というような話をした時に、「あー、でもそれって今の状態でも困ってないんですよねー」という話をされたりした事がありました。その場は、もうちょっと細かく事例を挙げたりして説明したらもっと伝わるかなと議論したりしてみたのですが、なかなかうまく伝わらない事がありました。説明の方法が悪かったのかなと思って、まぁここは要反省かなと思っていたのですが、ここ最近匿名質問箱であるQuerieからアメリカに留学しなかった事を後悔したりしてますか?という質問が来ていて、あー、これ自分が逆の立場になったんじゃないかなと思わされました。ぱっと出てきた答えは今の自分の選択に満足しているし困っていない。でも、選ばなかった人生でのメリットって究極的にはわからないんだなぁと色々なプライドとか減ってきた今だから気が付く事ができました。
酸っぱい葡萄とかって言い方は結構本当正しくて、選ばなかった選択肢はその良さみたいなものを最終的には想像をしても実感をするのは難しいんだなって思います。だから、きっと酸っぱかったんだろうって思ってしまうんじゃないかなと思います。と、今回はもう本当雑感みたいな投稿で、また来週。
2023年10月30日月曜日
部門間の分断をどのように防ぐのか
企業が成長し、部門が専門化していく過程で、しばしば各部門は自身の責任範囲内のみに焦点を当てるようになります。これは一見、効率的で専門性の高い業務遂行に繋がるように思えますが、企業全体としては大きな課題を抱えることになります。その一つが、部門間の壁です。今回は、このような状況を打破するための効果的なアプローチ、クロスファンクショナルチームについて掘り下げていきます。
多くの企業では、各部門が特定の役割と責任を持ちます。この明確な分担は業務の効率化をもたらしますが、一方で、自部門外の事項に対する関心が薄れ、組織全体の連携や協力が失われがちです。この「分断」は、企業の成長を妨げる要因となり得ます。この組織の形を維持する以上は避けられない問題ですが、それ以上にこの組織体系にはメリットが多いと考える企業が多いのでしょう。
この問題に対処する有効な方法の一つが、クロスファンクショナルチームの形成です。異なる部門のメンバーが一つのチームを形成し、特定のプロジェクトや目標に取り組むことで、部門間の壁を打ち破ります。これにより、多様な視点とスキルを組み合わせ、企業全体としての目標達成を目指します。うまく機能するクロスファンクショナルチームには、以下のような特徴があります。
- 明確な目標と役割:チーム全体と各メンバーの役割が明確に定義されています。
- 効果的なコミュニケーション: 開かれたコミュニケーションが行われ、アイデアや情報が自由に交換されます。
- 多様性の尊重: 異なるバックグラウンドやスキルを持つメンバーの意見が尊重されます。
- 適応性と柔軟性: 新たな課題や変化に対応できる柔軟性を持ちます。
シリーズで深掘り このブログでは今後、クロスファンクショナルチームにおけるこれらの特徴について、一つずつ詳しく掘り下げていきます。次回は「明確な目標と役割」に焦点を当て、成功するチーム構築の秘訣を探ります。部門間の壁を乗り越え、組織全体のシナジーを生み出すための今まで考えた事を共有できればなと思います。
2023年10月23日月曜日
MBTIの課題と限界
2023年10月16日月曜日
MBTIを職場でのコミュニケーションにどう役立てるのか その7
プロジェクト管理における具体的な例を見てみましょう。Jタイプのプロジェクトマネージャーは、期限や目標を明確に設定し、計画通りに進行することに重点を置くでしょう。これに対して、Pタイプのマネージャーは新しい情報やアイデアに対して開かれており、計画の変更や新たな提案を容易に受け入れます。
これらのアプローチは相反するように見えますが、実際には互いに補完し合い、プロジェクトの成功に寄与します。Jタイプが計画と組織性を提供する一方で、Pタイプは予期せぬ変更や新たなチャンスに柔軟に対応する能力を持ち合わせています。
最大のシナジーを引き出すためには、異なるタイプのメンバーからの入力を尊重し、取り入れることが重要です。例えば、戦略会議でJタイプには計画の枠組みを提示してもらい、Pタイプにはその枠組みの中での新たなアイデアや見解を求めることで、バランスのとれた戦略を構築できます。
自分自身がとてもJな性格であるため異なるタイプの人に対するフラストレーションは理解できるのですが、JタイプとPタイプがお互いの強みとスタイルを理解し、尊重する環境を作ることもまた重要です。これを実現する一つの方法は、チームビルディングの活動やワークショップを通じて、メンバー間の理解を深め、互いの働き方を尊重する文化を築くことです。
2023年10月9日月曜日
MBTIを職場でのコミュニケーションにどう役立てるのか その6
思考を左右するMBTIの"T"(Thinking)と"F"(Feeling)は、組織内の意思決定やコミュニケーションスタイルに影響を与えます。"Thinking"タイプは論理と公平を基軸に行動するのに対し、"Feeling"タイプは調和と人間関係を重視します。両者は対立する傾向があるため、うまく設計をして補完し合うことで組織を強化できる可能性があります。例えば、新製品の開発プロジェクトにおいて、Tタイプのリーダーはデータや事実に基づいて最適な選択をする可能性が高く、一方、Fタイプのリーダーはチームメンバーの意見や感情を重視し、全員が納得し協力する選択をする可能性があります。
全体的な傾向としての向き不向きを説明しておくと、Tタイプのアプローチは、コスト削減や効率の追求に優れ、リスクを避けながら目標に向かって直進します。対照的にFタイプのアプローチは、チーム内の調和とモチベーションの向上に貢献し、クリエイティブなアイデアや協働を促進します。
これらをうまく組み合わせることで、チームはともに目標に向かいつつ、メンバーの満足度も保てる組織文化を築くことができます。具体的には、意思決定のプロセスにおいて、Tタイプが理論やデータに基づく選択肢を提供し、Fタイプがそれをメンバーの感情や価値観と照らし合わせ、バランスの取れた判断を下すことが理想的です。
また、メンバー間でMBTIの理解を深めるワークショップを定期的に実施し、お互いの違いを尊重し学び合う文化を確立しましょう。これにより、コミュニケーションの壁を低減し、スムーズなプロジェクト推進が可能となります。