2023年8月12日土曜日

外資系企業の支社は意思決定権がないというのは本当なのか vol.1


    たまに「日本にある外資系企業は支社だったり販社的な扱いなので意思決定権がなく、世界本社が多くを決めてしまい、その点日系企業は日本人である事を優位に使って本社で意思決定に近い仕事ができる」という事を聞いたりする事があります。これについて、日本企業の本社で働くという経験はないものの、外資系の支社やAPAC本社で働いた経験は多いために少し整理して何回かに分けて書いてみようかと思っています。こういった事を言っている人の多くは外資系企業で意思決定のできるような立場を経験してなかったり、あまり深く考えずに発言している事が多いように感じ、少し分解して考えてみます。また、前提としてここで書く外資系とは米系の上場している企業を指す事とします。多少乱暴な一般化もあるかもしれませんし、日系企業に関して理解が浅いため、色々と指摘してもらえると嬉しいのと、どちらが優れているという議論ではなくて、意思決定の差にすいてもう少し細かく理解するための議論だと思ってもらえれば助かります。

   いくつかの視点があるのですが、現時点での仮説をいくつか書いてみると

  • 文化面の差
    • 米系企業では個人の意思決定の幅が大きく、日系企業では個人の意思決定の幅が小さそう
    • 文化の差によって、意思決定のスピードに大きな差があり、米系企業ではボスと合意すればサクサク決めて進む事が多いのでむしろスピードの面では有利な可能性がありそう
  • 機能による差
    • 米系はバリューチェーンの上流については本社が決め、逆にP&Lの目標を達成していれば、製造、研究開発以外は現地で意思決定できる事もあり、バリューチェーンで分解する事でむしろ米系の方が意思決定権が強いという面もありそう
  • 個人の意思決定できるタイミングの差
    • 年功序列が強い日系企業の場合、意思決定のできる立場になるタイミングが遅い可能性がありそう
という事で今回は文化面の差について書きます。いくつか論文を読んでみたのですが、日本の企業における意思決定は稟議と呼ばれる仕組みを基準にしている事が多く、稟議においては関係者全員から承認を得る必要がある事が一般的なようです(出典:“Ringi System” The Decision Making Process in Japanese Management Systems: An Overview  International Journal of Management and Humanities (IJMH) ISSN: 2394-0913, Volume-1 Issue-7, April 2015 )また、稟議のまえに事前に話を通しておく事が多いようです。比較すると米系企業においては、権限移譲の幅が決まっておりその範囲内であれば責任者個人が意思決定可能で、取締役会での合意を取り付けるのは相当に大きな意思決定である事が多いです。ここで「大きな」と言ったあいまいな言葉を使っているのは、自分の調査不足です。結果責任者が納得すれば良いので、稟議書といったような正式な文章が必要でない場合も多く、スピードも早くなることが多いです。こういった背景として、米系企業においては責任の所在を明確にする事で失敗した場合にも本人に辞めてもらう等の意思決定ができるからだと思います。

ってなわけで今回は日系企業と米系企業の文化の差について書いてみました。

2023年8月6日日曜日

長時間労働って必要なの?っていう話

    さて、昨日くらいにちょこっとこんなPost(もうTweetではないです)流行っていて自分も意図的に少し巻き込まれたのですが、それについて自分の考えた事をまとめてみようかなと思います。ちょっと仕事関連ってわけじゃないですが、色々考える良いきっかけだったのでまとめておきます。

   いくつかあるのですが、まとめて書いていくと

  1. 時間を投下する事は質を上げるよりも簡単であり、結果的に質的な変化につながりやすく働き始めた初期等は検討する余地がある 
  2. 同じゲームの中で比較すると時間を長時間投下し続けた人と比べて勝つのは実際に難しそう
  3. 仕事以外の成長や幸せを失う事になるため、そのトレードオフが多くの人にとって価値があるのか疑問がある
  4. 長時間労働を長期的にし続けなければいけないという事はそもそも戦う場所の選択を誤っている可能性がある
  5. 長時間労働はマネジメントとしては再現可能性の観点から筋の悪い働き方であり、マネジメントとしての成長可能性に懸念がありそう
という感じになります。一個ずつ説明しておくと
   1については、働き始めた初期などはそもそもの効率の良い働き方などわからない事が多く、沢山の試行錯誤を繰り返す事で結果的に質的な変化につながる可能性があるのではないかと考えています。2は、まぁ元ポストの通りでまぁ同じゲームをしていたら「勝つ」のは難しいかもしれません。3についてはその同じゲームで「勝ち」を達成した時に結果、趣味、家族、仕事以外の楽しみや幸せを失っている可能性が高いため、それってそもそも良いんでしたっけ?っていう疑問が残ります。4については結構肝だと思っているのですが、長時間労働をずっと続けなければいけないという事は戦い方がそもそも間違っている可能性が高くて、戦わずに勝てたり、楽に勝てたりする賢さが本当は戦略というべきものだと思います。長期的な長時間労働って負け戦じゃないでしょうか。5については、プロフェッショナルファームにおいてはあまり関係ないのかもしれないですが、長時間労働を長期に続ける前提でいるとチームメンバーを育てたりコーチングする上で有効な打ち手がないかもしれません。チームメンバーが家族の介護が必要だったり、子育ての負荷が大きかったり、本人が病気をしたりなど必ずしもアクセル全開で踏める状態ではない中で、質的な方向での改善を指導する必要も出てくるでしょう。

2023年7月29日土曜日

多国籍な環境より、特定な文化の色が強い方が適応は難しい可能性

    今まで、日本でほぼ日本人、スイスで本当多国籍な環境ただし皆学生、アメリカの東海岸でほぼアメリカ人、シンガポールで多国籍、アメリカの西海岸でほぼアメリカ人という環境で勉強したり働いたりしてきたのですが、マネジメントとして働く上では特定な文化の色が濃い方が大変なんじゃないかという仮説についてちょっと書いてみようかと思います。

   まず多国籍な環境がなぜ楽なのではないかという事を書いてみると、多国籍という事はマジョリティとなる国籍があまりなく、多くの人はその職場のある国出身でないという事だと考えています。マジョリティな国籍がないからこそマイノリティの居心地の悪さもない可能性が高い事がまず言えるのではないかと思っており、加えて自分の国を出てきた人だからこそ一定程度の苦労を共有している可能性が高そうです。

   じゃあ一方特定の文化の色が強い場合ですが、例えばオーストラリアで働いていたインド人や韓国で働いていた中国人、自分のアメリカの経験を振り返ってみてもマジョリティはその土地の国籍の人がほとんどです。そうするとその職場のコードはその土地の文化が基準になってくるのが自然でしょう。そんな職場においては自分を変えて働く方が有効で、ただし難しい選択になるため適応がより困難になるでしょう。という事で、外国人として働くには多国籍な環境の方が楽じゃない?って話でした。

2023年7月23日日曜日

心の状態を保つために共感の度合いを調整する

   最近陰惨なニュースを見るたびに一部の人たちに対して精神的に影響を与える事をより頻繁に見るようになった気がします。おそらくソーシャルメディアの影響で様々な人たちの感情を吐露したものが流れてくるようになって見える化されただけなのかなと思っていますが、今回はこういった共感力を調整する事がビジネスリーダーにとって大切だという事を書いてみようと思います。

   共感度合いを下げる場合は以下のような場合があり得るかなと思います。

  • リストラクチャリングやレイオフ
  • 戦略的な方向性
  • 人事面
  • 倫理的な内容
上記はあくまで例なのですが、会社として正しい意思決定ではあるものの、個人としては難しい意思決定があると思います。人間なので会社の中にも友人やそれ以上の人間関係ができたりしている事がある中で上記の意思決定の結果、そういった人たちが職場を離れるような事になったりする事もあるでしょう。そんな時は共感をし過ぎない事も大切です。

   共感度合いを上げる場合については、基本的には常に高くても良いくらいだと思っています。共感性が低いからこそリーダーとしてうまくいっている人もいて、特にそのような人たちにとっては意識して上げていく方が良さそうです。
   ざっくり言いたい事をまとめると、自分を守ったり最大限にパフォーマンスを上げたり、色々な状況によって意思決定をしたり戦略実行の際に調整していくと良いのでは?という話でした。

2023年7月16日日曜日

無駄な勉強をやめる事と偶然性へ20%振り分ける事

   大学を卒業したのが2009年、その後少し働いてから大学院を卒業したのが2015年なのですが、特に大学院を卒業してからは継続的に色々と勉強してきています。そんな中でまぁ時間を無駄にしたなぁっていう反省からちょっと色々書いてみようと思います。COVID-19の時に特に色々と時間が余ったので、色々と片っ端から手を出して勉強してみたのですが、例えばCourseraの勉強をいくら重ねたところで別に知識は大して深まらないし、転職や就職する上でも評価されるわけではないので結構時間を無駄にしたなぁと思っています。ちなみに30個くらい色々と授業を受けた中で本当に役に立ったのは3つくらいかな。

   そんな中で、しばらく色々手を出して勉強してから変化させて役に立ったなと思っているのは、解決する問題を先に決めて手段として勉強をする事です。例えば後輩や友人が困っている課題についてアウトプットをするために勉強をしたりするなどがおすすめです。あとは、将来自分が行きたいと思っている方向のキャリアについて手弁当で勉強した内容を使ってスタートアップをサポートするなんていうのも良さそうな気がします。いくら勉強を積み重ねたところでアウトプットをしなければ本当役に立つことはないため、こんな感じのスタンスで勉強する内容を決めていく事をオススメします。

   ただしかし20%くらいはあんまり役に立たなさそうだけれど、好きだなぁって思える内容に時間を振り分ける事です。セレンディピティとかって言ったりしますが、自分が好きなものっていうのはやっぱりものすごいパワーがあると思っていて、そういった内容は継続するし将来どこかでつながるかもしれません。100歳まで多くの人は生きるんじゃないかって言われている中でこういった積み重ねがどっかで交わるかもしれませんしね。

2023年7月9日日曜日

仕事を失った同僚に何ができるのか

    さて、最近色々なところでレイオフのニュースを聞くようになりましたが、そんな中で一緒に働いていた人がレイオフにあった場合どういった事ができるのかについてちょっとまとめておこうかと思います。と言ってもそんなにびっくりした内容はないです。

感情的サポート

   想像に難くないと思いますが、レイオフというのは感情的に大きなダメージを起こします。なので、まずは可能なら電話や対面などで話を聞く事が良いと思います。無理に共感する必要はないのですが、しっかりと話を聞きいつでも感情的なサポートをするという姿勢を見せる事が大切だと思います。また、以前のBlogでも書きましたが、相手が感情的にどこのステージにいるのかを考えるとより建設的に話を聞けると思います。でも、本当に大切な事は否定せずにただ聞くことです。

自己肯定感の醸成

   一つ目と分けるか迷ったのですが、自己肯定感を失っている可能性があるため、仮に本人が大丈夫だと言っていたとしても、しっかりと自己肯定感を回復させるような言葉をかけると良いと思います。具体的には過去の実績と今回のレイオフは関係なく、社会全体や会社の経済状況や戦略によるものであると思い出させてあげる事も大切だと思います。

職探しのサポート

   これはまぁ当たり前の話なのですが、自分の場合は他社の知っている人にCVを送ったり、人事を紹介したりする事をしていました。また、特に心強いと言われたのはReference Checkを多くの場合する事になると思うので、いつでも対応する旨を伝えると良いと思います。就職活動はただでさえ心に負担がかかる時期なので、頼み事をする上でのストレスを減らす事で相手の手助けになると思います。


と、レイオフされた友人や同僚に対してどうしたサポートできるかという内容でした。

2023年7月2日日曜日

傲慢さにどう気付くのか


   さて、先週は傲慢でいると良いことはないよねって話を書いたのですが、じゃあ、どうやって気がつくべきなのかという点を過去のコーチからのインプットをもとにいくつか考えたところをまとめていこうかと思います。
   そもそもの普段から傲慢さを持ちにくくする方法としては、複数のコミュニティに所属し自分が比較的優位にあるコミュニティだけを持ち続けないことです。具体的な方法の一つ目としては、スポーツや趣味など常に人から教えを受ける立場にいることでバランスを取る方法です。例えばゴルフだったりテニスだったり何でも良いのですが、可能なら競技をするとプロの人々やより優れた人を見ることがあり、自分との差を認識し傲慢さを減らせるだろうと
思います。二つ目は、新しいことを勉強するついでに何かのコミュニティに入ることでちゃんと学ぶ立場にあり続けることも大切です。たまに会社での尊大な態度を学ぶコミュニティでも維持している人がいたりしますが、おそらく摩擦や軋轢に直面しやすくなるので気付く良い気かっけになりやすいと思います。
   自分が正しいと思う割合が多い時も傲慢な可能性が高いです。が、、、この辺は本当難しくて、ポジションが上がってくると経験から実際に正しいことも多かったり、リーダーシップとは自信の表れだったりもするので、別の指標の方が良いと思っています。例えば、自分がリーダーシップの立場で話すよりも聞く方が多いかどうかを指標にするというのは一つだと思います。人の話を聞くことは結構労力が必要なことが多く、特に相手に対してどう反論すべきかを考えたりしないで聞くというのは本当難しいです。
   最後にあまり意味のないコメントになってしまうかもしれないのですが、上記のようなコツを実施できる時点で、「自分が傲慢になっているのではないか?」と本気で疑っていることが必要で、こういった人はそもそも傲慢になりにくいんじゃないかなと推察します。いやー、傲慢さって難しいですよね。自分は特に傲慢になりやすいタイプですし。