2022年4月16日土曜日

SelflessnessとSelfishnessのバランス

最近Manager一歩手前くらいのチームメンバーに対して定期的にトレーニングをしているのですが、スキルとか経験とかとは別に結構大きなマインドセットの差があるよなぁと思ったので、それについて今の考えをまとめておこうと思います。

自分が責任を持っているのは、研究開発と生産以外なのですが、特に営業のポジションはManagerに上がる時に少しハードルが高くなる事が多いなと思っています。具体的には、リーダーになるためにはSelflessnessという自分を少し抑えてチーム全体の事を考える事があるのですが、営業として結果を出すためにSelfishness: 自分を前に押し出す必要があるためその移行を意図的に試みないと苦労する事が多いです。

少し、2つの言葉の自分の中の整理を加えておくと、Selflessnessとはチーム全体が成功するための態度の事を書いています。マネージャーになってくるとチームメンバーの一人一人が結果を出していく事が大切になってきます。マネージャーの成功とはマネージャーが称賛を浴びる事ではなくチームメンバーが称賛を浴びる事なのですが、そういったマインドセットを持つ事をSelflessnessだと思っています。ただ、先に書いたように営業として結果を出していくためには自分をどんどん押し出し、ある意味他の人を押しのけていく必要があります。そういった態度がちょっと響きが悪いですが、Selfishnessだとここでは書いておきます。

多くの場合、チームメンバーの段階から正式ではないポジションでリーダーとなるようなマネージャーへの移行期の期間があると思うのですが、そういった時に自分を押し出しすぎず、でも個人としての結果を出し続けるというちょっと難しい移行期間が必要でそういった移行期間に適切にボスがメンタリングする必要があるんだよなって事でこんな2つの態度の事を書いてみました。

2022年4月9日土曜日

未来のCVを作る

4月になり、日本では新しく働き始めた人もいるかと思いますし、新しいポジションで仕事が始まった人、転職した人などもいるかと思います。こういった転機の時だからこそちょっと先まで考えてみて未来へ向けて少し計画を練るのに良い時間かもしれません。なので簡単にどう言ったことを書くのか少し自分なりの考えをここに書いてみようかと思います。

はじめに行きたい方向を仮でも良いから決める

まずはざっくりでも方向性が分かっていないと困るので、今のキャリアの先にどういう人がいるのか、それを抜かしてもどういう人になりたいのかを決めることが大切です。これが決まらないから困ってるんだよっていう声はあるかと思うんですが、それでもどうにか決めることをお勧めします。どうしても決まらないような社会人二年目くらいまでの人はなるべく選択肢が広がる、もしくは維持できることを選ぶことは悪くはないと思いますが、それでも何かに決めてしまった方が実は選択肢が増えるっていうこともあると思うので、仮にでも選んだ方が良いです。

情報収集をする

行きたい方向が決まったらどういう道のりがあるのか調べます。LinkedInを見てみたり、尊敬できる人のキャリアをみて見たり、先輩に話を聞いたり、などなど色々と方法はあると思うので、2-3パターンくらいの道筋を作ってみることを勧めます。また、5年10年くらい先にいる先輩に壁打ちになってもらって現実的かどうかをチェックしてもらえるようにすると良いと思います。ちなみに、いきなりLinkedInで突撃しても丁寧なメッセージだったら結構多くの人が返事くれるんじゃないかなと思います。

CVを書く

今までのCVはあると思うので、それを前提に三年後に何をできていたら理想なのかをかなり具体的に書きます。例えば

  • Led the PMI of fortune 500 company as a project leader
  • Managed 50M USD revenue P&L and 48 team members
みたいな感じで整理して書くと良いと思います。これ結構冗談ではなく可能な限り具体的に書く事が大事です。この時あまりにも非現実的な事、つまり現在の仕事の延長線にない事を書くと意味がないのでその辺のリアリティチェックもしましょう。もし延長線上になければ、異動か転職を考える必要があります。

社内での仕事との調整

社内の目標があると思うので、可能な限り自分の持っていきたい方向と合わせて自分が目標を達成する事で会社にメリットがあるという状態を作るようにしましょう。おそらく多少のズレは出てくると思います。そういった場合は、他のチームとのコラボレーションとかって名前にして会社のOKは取っておき、追加のプロジェクトを自分で行う事で自分の未来のCVの現実化を図る事をお勧めします。

おまけ

ちなみに、ちょっと余談を書いておくと、未来のCVを書くと言いつつ、ちょっと遊びというか偶発的な要素を含めるような余裕を持っておくと良いと思います。イメージとしては80%くらいのキャパシティで目標に向かって進みつつ、20%くらい何か理由は分からないけれど面白そうなものに時間を使えるようにすると良いと思います。想像のつかないような未来に対して偶然な点を打っておくような感じでいると良いと思います。ロジックで決めた事だけしていると面白くない人物や人生になってしまうと思うので、そういうセレンディピティを入れられる余地を持つということを大事にしていきましょう。

2022年4月2日土曜日

番外編<大学院留学の奨学金を3倍にした方法



先日友人夫婦が大学院の留学する事になり、奨学金が10k USDしか出てなかったところを少しアドバイスをした結果三倍近くまで増える事になったらしく、どう言ったことに気をつけて交渉をした方が良いと伝えたのかについて書いてみようと思います。普段のキャリアの話と違ってその一歩手前の大学院の留学の時の話になります。

はじめに: 心構え

最初に大切な事なのですが、全ての事は交渉可能であると理解して、それを堂々と主張することに何の問題もないと思うようにしましょう。特に今回のような奨学金の交渉の場合、あまりにひどい態度や非常識なリクエスト(全額無料にして欲しい)などでなければ、特に失敗してもリスクは限定的です。なのでダメもとでも言ったもの勝ちだと思ってください。

タイミング

次にタイミングについてですが、入学が確定する前に応募する形の奨学金でない場合はオファーが正式に出てからが良いと思います。逆にそのタイミングでないとあまり意味はないです。また大きな理由としては、オファーをもらったタイミングからは受験者が意思決定権利を持ち強くなるからです。

事前準備: 情報収集

さて交渉に入る前に、いくつか事前準備をするようにしましょう。過去の学生の実績から情報を集めて、以下の論点を理解することが大切だと思います。

  • どういう要素が交渉可能なのか
  • 交渉可能なレンジはどれくらいか
  • どういった理由や人が受け入れやすいのか
  • 意思決定者は誰でKPIは何か
  • 自分から何を提供できるのか
どういう要素というのは奨学金と言いつつ、現金をもらう事、学費を免除してもらう、他にも寮を割引してもらうなどなど実は様々な要素があります。そういったどのような要素が交渉の土台に乗るのか調べましょう。金銭的なメリットではなくて例えば授業を取るためのポイントや留学の枠など優遇措置があり得るかもしれないですよね。また過去の事例から問題のない範囲はどれくらいでどう言った人が奨学金を受け取っているのか考えると良いと思います。多くの場合より平均賃金の低い発展途上国出身の人に出やすいとは思うのですが、同じようなストーリーを作って説明したら日本で働いていた人でも通る可能性はあります。最後に誰がどう意思決定するのか、また彼らのKPIは何かを考えることが大切です。アドミッションオフィスの人だったらオファーを出した人の入学する割合等になってたりする可能性も高いのではないでしょうか。そうしたら、奨学金をもらえたら必ず入学しますと伝えている人の方が奨学金をもらえる可能性は高いと思います。最後に例えば学校に対してアンバサダーとして日本でのブランド向上に取り組みたい事などを伝えると良いと思います。

事前準備: 自分のゴールを決める
要素毎に理想的な最低限受け入れられる範囲と各要素毎の優先順位を決めます。こちら意外と自分を理解していない人が多いのですが、何を欲しいのか明確にしておく事が大切です。交渉中に迷っている時間はないです。

事前準備: 欲しい奨学金のロジック強化と感情面へのアプローチの準備
自分のゴールが決まったのであれば、なぜその金額が欲しいのか正当に聞こえるようなロジックを作ってみるようにしましょう。例えば
  • 他の学校でもオファーをもらっていて、そこの奨学金はより高い
  • 他の学校でもオファーをもらっていて、物価差により出費が多い
  • 自分で準備したお金があったものの最近の円安によって10%目減りしてしまった
などなど自己中心的でない仕方ないような理由を作って自分の欲しい奨学金のロジックを積み上げましょう。という事はより入学が簡単で奨学金をよりくれそうな学校も受けておいて事前に交渉しておくのも悪くない戦略だと思います。
また意志決定者もロジックだけで決めるわけではないので、感情面に訴えるような内容を伝えておくと良いと思います。具体的には相手に好かれて、学校に貢献してくれそうな人だと思わせることが大切です。以上を踏まえて伝えたいメッセージをきれいに整理して根拠も用意しておきましょう。例えば、友人の場合だと
  • あなたの学校が第一志望で、大好きです
  • でも、他の学校から奨学金ももらって迷っています
  • 私にはこんな困難があります
  • 奨学金を増額してくれたら即決してその日のうちにサインします
とシンプルにメッセージを絞っていたようでした。また、個人的には欲しい金額のちょっと上をリクエストすると良いと思います。30k USD欲しいなら35k USDくらいでリクエストした方が良いです。

交渉中に気をつけること
次に実際の交渉を始めるときに気を付けることを書いておきます。
  1. 可能ならZoom等、最低限でも電話で話すようにする
  2. メールは話した後の議事録としてまとめてフォローアップする程度で使う
  3. 交渉したい内容別での意志決定者の困難さを理解する
1、2は良いと思うので割愛すると、3についてちょっと詳しく説明します。各要素毎に意志決定者が一存で決められるかどうか、どの程度枠が狭いのか等難しさが変わってくると思います。それを対話の中の表情やリアクションから読んでいき自分の最終的なリクエストを決めていくというような意識を持つと良いと思います。例えば、奨学金の全額は多くの場合決まっていると思うので、他の学生とのゼロサムですが、もしかしたら寮の原資は違うポケットなのでより受け入れやすいみたいなこともあるかもしれません。

円安になってきている世の中だし、読んだ方の一人でもより良い交渉ができるように願っています。

2022年3月26日土曜日

違う地域のタレントとしてのフラグの立て方



前々回の文章でどの地域のタレントなのかというフラグという文章を描きましたが、あくまでフラグがあるよね!っていう内容ででも新しいフラグを立てるにはどうしたら良いんだろうという話を書いてみようかと思います。ただ、自分自身も模索中なので、コーチやアカデミアの人の意見、自分の仮説を色々混ぜて書きます。

方法1: 違う地域での学位を取る

1番分かりやすいのでMBAですが、日本でしか働いてこなかったのであれば例えばシンガポールでの学位を取る。とかっていう方法があります。仕事の経験ではないのでそのまま経験年数として評価する事は難しいですが、多少話のきっかけくらいには使えます。仕事ほど評価されないのは細かい理由まで書かないですが、仕事ではないからですね。

方法2: リモートで他の地域のプロジェクトに参加する

これは結構真っ当な方法で、人に知ってもらう事も含めてリモートで他の地域のプロジェクトに参加してみるのは相当まともな方法です。特に日本で働く人は結構こういうプロジェクトに入れられ上人材が不足していると思うので手を挙げたら結構できそうな印象があります。

方法3: 多くの地域を管理するボスと握る

これが一番大事な点だと思います。いくらフラグが立っていても忘れられては困ってしまうので、ボスや大ボスとどうやったら違う地域のタレントとして認識されると思うのか意見を聞き、必ずそれを実行して再度話をしてそれを繰り返していき握り続けるという事をする事も有効だと思います。

と一応方法三つ挙げてみましたが、実際三つの全てを実施してみて、どうにかチャンスを見つけるという方法になってしまうと思います。難しいですよね。一緒に頑張りましょう。

2022年3月19日土曜日

Public speakingの準備



COVID-19も地域によっては終わりを迎えつつあり、多くの国が少しずつ共に生きていく準備をし始めているように見えます。そんな中で今までオンラインでだったミーティングがオフラインで対面になり多くの人が集まる会も戻ってくるだろうと思います。
そんな中で、対象読者である方々はそれなりの大人数に向けてスピーチを行う機会も増えてくるだろうと思います。それまでスピーチと言ってもあくまでビジネスの内容を説得したり話したりする事が主な目的だったかと思いますが、これからは対面で多くの聴衆に対して話をする機会が沢山訪れるでしょう。
そのような機会の中、どういった準備をしているかを共有していきたいと思います。

初めに考える二つの質問はこちらです。
  • 何を覚えて帰ってもらいたいか
  • どのような気持ちになってもらって帰ってもらいたいか
聴く側だった方は分かるかもしれないですが、大体聞いた内容なんて10%も覚えてくれないと思った方が良いと思います。なかなか集中を維持するのは難しいですし、人の記憶力はそんなに良くありません。なので、もう準備はこの二つの内容に絞って考えるようにしています。
一つ目の覚えて帰ってもらいたい事も四つ以上になったら記憶に残りません。なので、できるだけ内容はシンプルに簡略化し過ぎるくらい簡略化して言い切る必要があります。と、同時に何度も同じメッセージを出し続けて、聞き飽きたから良いよって思ってもらえるくらいに伝える事が大切です。聞き飽きてくれたらもうそれはある意味目標達成です。
また次の気持ちですが、危機感を持ってもらいたいのか、新しい年に対してプラスの気持ちになってもらいたいのか、それを目標としましょう。その目標のもとに最初のアイスブレイク、スライド、投げかける質問、可能ならキックオフミーティング等だったらお土産に至るまで目的に合致しているのか考えることが必要です。
色々とスピーチの準備としては書くことはありますが、まずはどういう論点を持つのかということを整理してみました。

2022年3月12日土曜日

どの地域のタレントなのかというフラグ

MIT Sloan Management reviewにRethinking the East Asian Leadership Gapという記事があり、最近それを読み筆者と議論する機会がありました。その中で考えた事をちょっと書いてみます。以前N+2(大ボス)と何を議論するのかという事を書いたのですが、そこにも書いたように長期的なキャリアについて議論をある程度議論すると思います。その中で、どの地域のタレントとしてのフラグが立っているのか確認する事ができました。いくつか詳細はあとで書くとして、会社としてざっくりどういうレベルの人材として認識されているのかという事が結構大事だよねという事とそれをどうやって変えていくのかという話を書こうかと思います。

なぜフラグが大切なのか

そもそもという事でなぜフラグが大切なのかという話なのですが、フラグによってタレントのポテンシャルが測られ、必要なトレーニングや仕事の機会が与えられ、社内加えて社外でのキャリアの伸びしろが決まって来るからです。

どうフラグが立つのか

多くの場合採用する時には将来を見越して採用しているのでどれくらいの人材か仮に決まっている事が多いです。そちらは職歴や学歴及び面接での本人の希望とともに大体決まってきます。中でも大切なのが具体的なその地域で仕事をした事があるかどうかです。たまに大学や大学院で勉強した事がプラスになるかと聞かれる事がありますが、職歴の30%くらいのイメージでいると良いと思います。

どういうフラグがあるのか

今回は地域について絞っておきますが、その国限定の人材、国を超えた地域(アジア、北米、南米、中東)の人材、グローバルな人材とざっくり分かれている事が多いです。

フラグを確認する方法

多くの場合自分自身のキャリアの変化や与えられるメッセージから理解できるかと思いますが、ボスや大ボスと話す機会を作って、自分の希望とともに確認してみましょう。

新しいフラグを立てる方法

こちらは自分自身も苦労しているのですが、次回ざっくりとしたまとめを書いてみようと思います。でも簡単じゃないです。結構難しい。

2022年3月6日日曜日

どのくらいの確度で意思決定をするのか



最近、一社目、大学院、シンガポール在住、東南アジア地域のマネジメントという共通点の多い先輩と久しぶりに話をしていて、どうやって意思決定の確度と早さをバランスするのかという話になりました。今日書くのは本当自分の頭の中の整理と感覚的な内容です。

そもそもの前提

前提としては、市場の変化が大きく、一つ一つの製品やサービスの意思決定にそれほど多くの時間を使えない等の状態であると前提を置きます。例えば、一つの製品だけで数百億円等の売上があり、非常に肝要な製品の場合だったり、一度実施したら中々変えられない場合等は前提が異なってくることが多いと思います。

どのくらいの確度か

100を全ての情報が分かっている状態だと仮定すると各レベル感は以下のような感じです。

  • 100: 間違いない意思決定。レベル感やベンチマークとして知っておく事が大切
  • 70: ほぼ間違いないと市場調査やインタビューやパイロットで分かる状態。大体遅すぎる。
  • 30: 不確かなもののスピードとしては十分。
本当概念的で分かりにくくて申し訳ないのですが、上記くらいのイメージでいます。70まで待つ事はほぼなくて、30でいかに早く先に意思決定をしてしまうかを大切にしています。100はどちらかというと何かを実施した後の検証をした結果到達することがあるかも?くらいな感じです。

30の確度で意思決定するために必要な事は

実際に顧客からのフィルターされる前の声と全体感としてのデータがある場合
顧客の声からのボトムアップを可能な限り直接聞いて仮説を立てて、間接的に証明もしくは十分整合性のあるマクロデータがあればOKとしています。後者の整合的なデータもやや感覚的なものなのですが、直接証明するデータを探す事は多くの場合困難なのでまぁ問題ないかなという検証程度で実施しています。
経験のあるチームメンバーを信頼できる場合
また、チームメンバーを信頼すると信じられる場合は、詳細まで分かっていなくても意思決定をしてしまう事があります。ここはいかに強いメンバーを手元に入れられるかが大切だと思います。

長期的な発展のために
意思決定の記録とレビュー
自分がどういった情報源やロジックをもとに意思決定をして何を検証の指標とするのかを箇条書きレベルで良いので残しておきレビューできるようにします。自分の場合はOutlookで自分にメールを送っておき何日後に検証するとリマインダーを入れておくようにしています。

確度のレベル感を知っておく
確度のレベル感が揃っていないと意思決定が難しいのでまず時間をかけて全てリサーチをして意思決定をした場合どのようになるのかを学んでおく事が大切です。ただこういったものは難しいので大学時代に研究をするとか、キャリアの最初の方で叩き込まれるとかが大切かなと思います。またそれをチームのリーダーシップクラスに共有する事も非常に大切です。