2021年12月25日土曜日

パフォーマンスレビューの受ける前の準備



 さて、本日はパフォーマンスレビューをする側ではなくて、受ける側としてどういったことを考えて、何をすべきかについて概要を書いてみたいと思います。これから書くことはこういうことをしてくれたら理想的だよなぁということで、実際に全部する必要はなく一個でも何か実際に行動に移せるものが良いなと思っています。

定期的なフィードバックにより想定外を減らす

ここは結構できていないことが多いと思うのですが、評価についてある程度コミュニケーションしておかないと年末に急にズレを解消して評価を良くしてもらおうというのは難しいです。できたら四半期の振り返りということで評価をもらって、どう言ったことを改善したら良い評価が来るのかを合意して握っておくと良いと思います。上司側は話した内容を忘れがちなので話した内容をアグレッシブになりすぎない程度にまとめてメールで送って記録を残しておくと良いと思います。こういった記録は急にボスがクビになった際なども有効です。

自己評価をしっかり準備して伝える

そして、受け身にならないようにマネージャーが評価を確定させる前に自分自身の達成した内容についてまとめて送っておきましょう。その際、論点として自分に問う内容は以下です。

  • 客観的な事実として何をどう達成したのか
    • 売上等のKPIをどの程度、どの期間に渡って達成したのか
    • 達成した事により事業やチームに対してどういう影響があったのか
    • 達成するためにどう言った課題があり、どう解決したのか
  • 定性的にどういった貢献があったのか
    • チームのパフォーマンス向上にどう貢献したのか
    • チーム内外と協力してどういう貢献があったのか
  • 本来の職務に加えてどういう貢献があったのか
  • 個人としてどういった成長をしたのか
    • 改善点をどう具体的なアクションと共に改善したのか
    • 改善の結果として何があったのか
上記のような点においてそのようなカテゴリを作っても良いと思うので、まとめてコミュニケーションをとっていく事がおすすめです。一個気を付けて欲しいのはゴリゴリ上記の事をし過ぎて、マイナスな印象にならないように丁寧に会社の文化、マネージャーの性格、自分の状況等を鑑みて実施してみるようにしてください。

2021年12月18日土曜日

プレッシャーに対応できるという強み


 

このBlogの対象としている方は自分を含めて経験の浅いGeneral Managerと呼ばれる人なのですが、そういう立場になるとどうしても、全ての責任が自分にかかってくる事で、大小に関わらず常に問題が発生していたり、意思決定にはトレードオフが必ず伴うので負の面が生じたりし、ストレスが多くかかってくる事が多いです。

今日は周りの人たちを聞いても、やっぱりある程度ストレスがかかっている人が多く、そのストレスにどの程度対応できるかという点も差別化の要素になってきます。具体的には、難しい意思決定が必要になった時にストレスに耐えられなさそうだなと思われる人は意思決定の場から外されて、結果だけその人に知らされるという事が多くあります。GMの仕事は、意思決定をすることが大切な中でストレスに耐えられなさそうと思われるとしたらGMとしては相当厳しいです。

ただし、実際にデータを見ていると責任の大きい仕事にある人たちは精神疾患になることが多く、ここのデータにおいても53%のC-suiteの人たちは最近メンタルヘルスの問題を抱えていると答えています。GMくらいだとプレッシャーは小さいかもしれないですが、プレッシャーの影響の強さは慣れもあると思うので初めのうちは大きく感じるかもしれません。

いくつか基本的な方針として自分が採っている方法を書いておこうかと思います。

1. 自分の状態を客観的にモニターする

睡眠時間、疲労度合い、人からのフィードバック等、定量的定性的に自分自身をモニターして少しでも精神状態への影響がないかどうかをモニターしていきます。自覚的に自分の状態を認識できているうちはマシで、何が何だかわからず急にメンタルがメルトダウンしたりすると相当影響が大きいと思います。そう言ったように自分の状態を客観的にモニターすることは大切なスキルのうちの一つです。

2. 常に準備をしておく

ショックな出来事があるのは自分自身が想像していなかった事だから起こるので、経験と共にこれは以前経験したことがあるから、まぁ大丈夫かなと処理できるようになっていきます。なので経験とともに良くなっていくかと思いますが、ここの対象は新米GMの方々。もうちょっと具体的な方法も書きます。

一つ目は、可能な限り前提を外して考えておくこと。これって本当難しいんですけど、色々な人たちに話をして、今の自分のシナリオに当てはめて考えておくと良いと思います。Hard Thingsの本を読むとかも良いかもしれません。

二つ目は、感情を自分自身とは切り離して捉える練習をすることです。自分の感情を認識できるようになると負の影響を減らせるようになります。またこれはトレーニングで十分できるようになります。

3. 解決方法をいくつも持っておく

自分の場合は、過去色々なことにより気分が落ち込んだ時にどういったことをして、元気を出してきたか、もしくは気分転換ができたかを記録しておいて、実施することをおすすめします。それは例えば料理だったり、テニスだったり、散歩だったり、本当なんでも良いし、色々あると思うんですが、常に解決方法をいくつも持っておくことをおすすめします。

2021年12月11日土曜日

マイクロマネジメントをしないで、忙しさを測る方法



最近結構たくさん採用していて、中にはダイレクトレポートであるチームメンバーも増えてきています。そんな中で、二つの相反する気持ちに直面してすることがありました。

  • チームメンバーがどれだけキャパシティがあるのか知りたい
  • マイクロマネジメントはしたくない
チームを持っている方なら分かると思いますが、特にWFHも増えている中で、チームメンバーがどれくらいのキャパシティで仕事をしているのかを理解することは結構難しいです。会社によっては、PCをモニターしたり動いている時間を測ったりしているところがあるようですが、そう言った方法はチームメンバーを信じないことになるので難しいなと思っています。そんな中で最近ボスのアドバイスのもと試してみて有効だった方法を共有してみたいと思います。

それは単純なことなのですが、小さい仕事を減らしたり増やしたりしてみる事です。以下二つは引用部分です。(参照: FranklinCovey Assess how your team spends its time- without micromanaging)

小さな仕事を一つ減らしてみる
定例のミーティングを一個キャンセルしてみたりして相手にふと空白の時間を与えてみます。また、その後、その空いた時間に何をしたのか、全体的な仕事は問題なく進んだのか等を聞くことでどれくらいキャパシティがあるか確認できます。もし、少し休んだって言われり、特にパッと答えが帰ってこなかったりする場合はきっともう少し仕事を増やしても大丈夫な可能性が高いです。

小さな仕事を一つ増やしてみる
マネージャーとして自分自身のタスクも抱えていると思いますが、長く見積もっても二時間くらいで終わるタスクを一つ加えて、他の仕事に影響が出たのか、もしかしたら残業してしまったのか等を確認することで、キャパシティを確認できると思います。

実際に上記のアプローチを実施してみて気付いたこととしては、数値目標でゴールを設定して、週ごとにアクションアイテムを合意してましたが、まだ結構余裕があるメンバーが多そうな事、余裕があるんじゃないかと思っていたチームメンバーが結構実はギリギリだったことが分かって、適切なケアが事前に取れたと思っています。一番怖いなと思うのは、いきなりバーンアウトしたり、どこかで勝手に意思決定して仕事を辞めてしまわれる事なので色々な方法で意図を持ってチームメンバーの健全な仕事量を保っていきたいと思います。

2021年12月4日土曜日

賢いはずの人の賢くないキャリア選択



最近、色々と勉強も重ねたり自分自身に投資をし続けているはずなのにキャリアがうまくいってない例について結構議論する機会があり、その原因についてちょっと話したことをまとめてみたいと思います。経歴とかは素晴らしくて本当賢いんだろうけど、実際そこまで花開いてない例って本当勿体無いと思うので、そういう人たちがどういうところを変えたら良いのになぁって他人ながら思っていることだと思ってもらえれば幸いです。


スキルの組み合わせと戦場の選び方の悪さ
多くの人たちが、複数のスキルを組み合わせて自分なりの価値を出している場合が多いと思います。まれにずば抜けて賢くて一つのスキルだけで、世界のトップ0.01%とかに位置できる人はいるのですが、多くの人の場合は、会計xプログラミングとか小売りxコンサルティングのように組み合わせて自分のニッチを探していく場合がほとんどです。そのような状況下で、●●x●●の組み合わせが圧倒的に良くない人がいたりします。おそらくの原因としては

単純な戦略不足:そもそも行きたい方向が決まっていない
自身の客観視不足:自分の得意不得意を受け入れられていない
状況分析不足:変化していく社会や現実を受け入れられていない
ブランド思考:他の選択肢を捨てることが怖く、他者が良いというものを選んでしまう


とかがあるのかなと思いますが、可能なら働いて15年くらいまでに少なくともどこで生きていくのかという戦場を決めることができたら良いんじゃないかなと感じています。それから、自分が何が得意でどういう価値を出して行ってというプロセスで考えてくステップを踏んでいくことが良いかなと。

学歴やテストのスコア等ルールが決まりきっている中で高いパフォーマンスを上げる賢い人がそこまでうまく行ってないのは、どのルールのある戦場でどういう戦略で戦っていくのかを決められて無かったり、その選択が有効じゃないことから来てるんじゃないかなぁと思うことがあったので、こんなことを書いてみました。

(HUNTER×HUNTER読んでた人限定)
これってヒソカがカストロにメモリの無駄遣いって言ってた事に似てるなぁと思うんですよね。自分の得意な事を理解せずに能力を選んでしまって、結果負けてしまうと。

2021年11月27日土曜日

より上役から意思決定の指示を受けることはGM失格

 

最近二年と少しマネジメントとして働いてみていくつか心に刻むように腹落ちした事があったので少しまとめて書いておこうかと思います。

1. 意思決定をする仕事、 2. 意思決定を助ける仕事、3. 実行する仕事の三つは違う
簡単にざっくりと仕事を分けるとその三つの仕事に分けられて、それぞれ大きく違う仕事で、全くその性質が違うなと感じています。2の人が1の気持ちになっている例を見かけたりすることはありますが、実際は全く違う性質の仕事です。また自分くらいのそれほど大きくない事業のGMだと全部兼ねることもあります。

P&Lの責任者は事業の進退を含めて事業価値の最大化を責務とする
書いてあることは当たり前のことなんですが、実際に目の前にチームを持ちつつ、事業の撤退の可能性を考えることは本当難しいです。自分にとってもチームメンバーを失ったり多くの痛みを伴う行為だからです。ただ、だからこそFP&AやN+1と定期的に事業を撤退することで企業価値は向上するのかという点を議論する時間を取って中立的な視点で意思決定をできるような環境を作る必要があります

事業価値の最大化の検討する期間は企業、投資家、状況により異なる
ここが難しいところなのですが、多くの場合数年単位での事業の最大化を目指すことが多いです。ただし、状況によってはこの四半期や半年での事業価値最大化が喫緊の主目的になることもあります。こちらは会社全体の方向性、投資家の要求を理解し推測していく必要があります。

自分の事業の意思決定をボスに迫られた時点で負け
状況のことを踏まえて、自分よりもシニアなマネジメントから意思決定を指示されることは1番防がなければいけないことです。なぜなら事業価値を最大化させるための意思決定が自分の仕事である中で、その責任を満たせていないからです。なので上記の視点と責任と知識を元に誰よりも早く事業価値を最大化させる意思決定をできるようになって行けたらと思っています。

2021年11月20日土曜日

評価を伝える時のDos and Don'ts

 


(今回の記事はFranklinCoveyのEvaluating direct reports: Dos and don’ts for documentation and deliveryという記事の中から抜粋しつつ自分の体験を加えて書いています。引用しているところは引用マークをつけています。)

2021年も終わりが見え始めチームメンバーたちのFeedbackを書く時期が来ている事かと思います。実は2019年に始めてGMとして働き始めて最初のFeedbackの時にチームメンバーの一人からその人のしてきた仕事内容がしっかり網羅されていなくて万が一今年会社辞めるってなった場合不満足な内容だというコメントをもらった事があります。ここは本当自分の認識不足が原因でそれ以来本当に考えてコメントも書くようになりました。

評価準備編

可能なら一人ずつワードや何かを用意して、実績だなと思った事をメモしておく癖をつけておくと良いと思います。とは言え、それはボスの自分からの視点なので、本人から今年の達成した事について考えてもらって送ってもらうようにしましょう。結果双方の視点を入れてレビューを書く準備に入れます。また、年の途中でポジションを引き継いだ時は、前任者からその時点での評価とレビューを時間を使って書いてもらうようにしましょう。また会社もその程度の事をしてくれるようには辞める人との関係性を維持できるようにした方が良いと思います。

評価記載編

メインメッセージから書き始めて、ボトムアップで書かない

レビューが永久に残る記録である事を考え、大げさにしたり甘く書いたりしない

数字、事例、具体的な行動を書き、自分の印象や考えとは完全に分ける

まずはレビューの重さを自分でしっかり認識をして、適当に書かない事。また意見と事実を分ける事をしっかりとしていきます。特に二つ目の甘く書きすぎないという事については、もしその人が今後パフォーマンスを上げられなかった場合、甘いレビューを書いてしまった人の評価基準の信頼性に関わってきます。また、自己評価との差もこの段階で明らかになると思うのでどうコミュニケーションを取るのかも考える日露があります。

コミュニケーション編

レビューを伝えるするだけでなく、相互的に認識の差を埋める

相手が感情的になる事を恐れず、想定し受容する

評価準備編で本人のレビューを書いてもらっているので相手の期待がある程度分かっていると思うので、それに従い感情的になった場合にしっかりと受け止め、望まない退職等がないようにしっかりマネジしていく必要があります。


さて、評価の季節をしっかり準備して乗り越えていきましょう。

2021年11月14日日曜日

キャリア上充分にフラグが立ったと判断されるのは約五年


 

先日、前職のリーダーシッププログラムを卒業して色々採用している友人たちと人事の仕事をしている人たちと話をしていたのですが、まぁこれくらい経験積んでいれば、ある程度経験積んだよねと判断して良いのはどれくらいかねという話になり、五年くらいじゃないのかということになりました。MBAの就職活動においては、業界、職種、地域の3つを軸として頻繁に議論される事が多いですが、今回は職位も加えていきたいと思います。チームメンバーのマネジメントをしないで働いている場合とチームメンバーのマネジメントをしている場合だと大きく違ってくると思うので。

採用時の少し具体的な話をしてみると、下記の要素の中でまずそのポジションに対するフィットを見て、それから良いパフォーマンスを上げてきたかどうか、再現可能かどうか、文化に合いそうかという点を分けて考えていきます。

  • 業界
  • 職種
  • 地域
  • 職位
この4つをなぜまず最初に見えるかと言うと、ここが当たっていればいるほど、成功の再現性が高く、本人の認識との間にギャップがないので突然辞められたりするリスクが少ないからだと考えています。"been there, seen that, done that" と言われるように実際に経験していない事は採用される側からしても結構な想定外の事が多いと思います。そういったリスクを防ぐためにある程度は重なりのある経験のある人から採る事が多いです。ちなみにこういったそもそもの検討の俎上に乗らない人は誰か知り合いを見つけてせめてCVを見てもらうプッシュをしてもらう必要があります。

その後、CVがある程度スクリーニングされてからですが、どの程度の経験を積んでいるのか、どういった成果を出してきているのかを着目して、面接等で聞いていきます。特に安心して成果を出して欲しいと思ったら、複数回ビジネスのサイクルを回している、つまり多くの企業では複数年度に渡って責任を持っている事が大事だと思います。少なくとも3回くらいはサイクルを回して典型的な失敗を事前につぶしておいたり、少し余裕を持って仕事を回せるという状況に達している事が必要でしょう。
なのでちゃんとキャリアが伸びていたり結果が出ている場合は少なくとも3年、そうでなければ5年程度経験を積んでいると、まぁ大丈夫なんじゃないかなとポジティブに思ってもらえる段階になると思います。

12月卒業のMBAの学生の方はキャリアのことを最終決定する時期かと思いますが、今のところの感覚としては、5年くらいは卒後のキャリアに一貫性を持たせておかないと充分経験があると判断されない可能性があるよという示唆もありますね。
個人的な感覚としては、そろそろMBAを卒業して丸六年になるのですが、日本人である事を売りにしないでマネジメントキャリアを作りたいと思っていてひとまず一旦それくらいの位置には到達できたかなと思って、その背景を共有する意味を含めて書いてみました。